Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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No.13「斬魔大戦⑫~朱の孤高・甘き毒~」

駆ける。駆ける。駆ける。

 

マギウスと化した私は駆けていた

 

だけど迷っていたどちらの戦闘へ参加するかを

 

正面の門のランサーか廊下のセイバーくんか

 

 

「ランサー!聞こえる!?」念話を送ると即座にランサーからの返答がある

 

『聞こえているわ立火…此方は大丈夫よ。あの『赫月』の方へ往きなさい。例え『鬼械神』呼ばれる自体になろうともなんとかしてあげる』

 

「でも」

 

『でもも糞も無いわ。現状まだ私自身が戦闘してないもの…優先順位的には彼の方よ…周りの目を見えず視野狭窄に陥ってるサーヴァント役に立つとでも?』

 

「……任せたよランサー」

 

『了解したわマスター』

 

 

「セイバーくんのほうへ行くよキャスター!」

 

「判ったよマイマスター」

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

「……さて、咲夜変わってあげましょうか?」

 

 

「………申し訳ございませんお嬢様」

 

 

「謝らないで頂戴。十全の貴女を顕現させなかった私の落ち度」

 

屋敷の壁に叩きつけられまるで暴風を浴びせられたような咲夜の姿があった

 

「ひゃははははは!粋がって僕たちに逆らうからさ!従者がやられて悲しいのか!!?女!!?」

 

 

「……」

 

まるで彼自体が暴風、台風かのように荒々しい風を身に纏っていた

 

まるで削岩機と言わんばかりの暴風を纏っていた

 

「……嫌な風」

 

暴風により紅い霧も意味を成さない

 

「従者の後を追わせてやるぞ!!ひゃははははは!」

 

 

 

「……貴女の血使わせて貰うわ可愛い咲夜」

 

 

「御意に…」

 

 

 

     『血塗られた鎗世(ブルート・ランツェ)

 

 

咲夜の身体から流れた血液が幾つもの鎗を形成する

 

 

「我が鎗を受けて死になさい糞ガキ」

 

 

ランサーの周りを浮遊する血の鎗。無数の血の鎗はクラウディウスへ殺意を向ける

 

 

「やってみろやぁぁ!ひゃははははは!今の僕は台風さ!」

 

「…………『血槍・乱舞』」

 

2対の血の鎗を構えて駆ける

 

浮遊する血鎗も彼女に追随する。暴風に怯むこと無く駆ける

 

『紅夜のランサー』の力を魅せると駆ける

 

クラウディウスは向かってくる彼女を暴風の鎧を削岩機のようにし迎え撃つ

 

「……」

 

薄く笑う。跳躍し上空へ移る

 

だが円状の風の鎧を纏うクラウディウスは最早死角はない

 

 

       『血葬・使魔鎗』

 

無数の血の蝙蝠は鎗と成りクラウディウスへ向け降り注ぐ

 

「無駄だ無駄無駄!ひゃははははは!」

 

台風の鎧は総ての使い魔の鎗を弾いていく

 

 

    スペル発動とランサーは呟く

 

 

   紅符『不夜城レッド』

 

 

十字架の朱色のオーラを纏う。

 

 

「力ずくってはしたなくて嫌いなんだけど。まぁ畜生に上下関係を分からせるには手っ取り早いのよね」

 

嘲笑。あからさまな挑発を言葉に乗せクラウディウスへ向けるランサー

 

「ああ!!?追い詰められてるのはどっちだ女ぁ!!!」

 

「そうやってすぐに挑発に乗る奴が畜生と言わずなんという」

 

ククッと笑う片腕の少女は見下す

 

「強者は常に感情を制御し優位にたたねばならない。感情に支配され欲求に飲まれ蹂躙するのはただの獣だ。畜生以下のそれよ魔術師」

 

「僕を殺してから能書きを垂れろ!!!!」

 

朱色のオーラと台風の鎧は拮抗。激昂するクラウディウスとは対象にランサーは無表情

 

「結果など既に見えている。お前の敗北の『運命』はな」

 

 

 

    『極刑(カズィクルベイ)

 

 

クラウディウスは不意に腹部に衝撃を感じ貫かれる

 

「な……にぃ…!!?」

 

 

「……」

 

眼前の憎たらしい少女は加虐的な笑みを浮かべる

 

こちらに手を翳していただけ

 

 

自身を貫いていた血の鎗は無数に地面から生え貫いていた

 

「…テメェ…!」

 

「はっ、…だから獣と言っているのよ。地面から攻撃なんて予想しなかったかしら?くっ浅いわよ糞ガキ」

 

「…ぐっ…殺してやる…!」

 

貫かれたまま咆哮。暴風が如き殺意を向けてくるクラウディウス

 

 

「……(…来るかしら『鬼械神(デウスマキナ)』とやら)」

 

 

 

「いあ!!いあ!!『ロードビヤーキー』!」

 

暴走した激情に駆られた少年はその感情のまま神を招喚する

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

ミナツキは憔悴していた

 

 

嫌悪していた、憎悪していた

 

 

畏れていた

 

ただ吾等に葬られた大導師の腰巾着。それが目の前にいた闇色の少女に対する印象だった

 

私にも『魔導書』としての矜持はあった

 

たかが一冊の書物。術者で決まる

 

 

あの『魔人』といたからこそその位階にいたと自分に言い聞かせてたのかもしれない

 

 

 

世界最古の魔導書『ナコト写本』

 

大導師マスターテリオンの『魔導書』、マスターテリオンの一番の狂信者たる彼女が彼女の唯一たる主を奪われたと吾等に殺意を向けてくる意味を今更ながら知る

 

 

「今更、マスターに反旗を翻したこと後悔しても遅い」

 

彼女はアルアジフとは違いマスコット化せずマギウス化した傀儡の主の隣に立つ

 

傀儡の主故総てを受け渡してはせず洗脳しなければならない

 

傀儡の主に選ばれたのは……『赫月のセイバー』

 

「中々悪くないわ『赫月』、潜在能力はマスターや憎き『神殺しの刃』に及ばないものの『逆十字(アンチクロス)』共とは比較にならないわ」

 

『ナコト写本』エセルドレーダはセイバーの腕に抱きつき甘く囁く

 

甘い毒。抗い難い洗脳の毒がセイバーを侵略する

 

「強くなりたいのでしょう?私が強くしてあげるわ『赫月』…お前の妹も咲良という少女も救いたいのでしょう」

 

「てめぇ…己の中を見やがったな…!」

 

抗い難い毒に耐えながら闇の少女を睨みつけるセイバー

 

 

「…ふふふ、…総てのは『マスター』の為よ」

 

 

 

「受け入れなさい。比類なき力を振るうため。あの女を排除するために。そこだけは利害が一致しているでしょう?お前は力が欲しい。私は主がほしい。…ふふふまずはカリグラを潰しなさい」

 

 

「くそ…」

 

甘い毒は思考を塗り潰していく。ただ『強くならなければならない』という義務感だけ残す

 

 

刹那、エセルドレーダだけを残しセイバーがきえる

 

 

「!?」

 

ミナツキは見失う

 

同時にカリグラの腕が吹き飛ぶ

 

「…カリグラ!?」

 

セイバーは先の位置の直線上にいた。つまりミナツキ達の背後

 

マギウス化真っ黒なコートのような術衣を纏うセイバーは干将莫耶を握る

 

ハイライトのない無機質な眼差しがミナツキ達を貫く

 

「お、おデのうでぇえ!?いでぇえ!?」

 

鮮血のまう左腕を押さえるカリグラ

 

 

「クスクス」

 

クスクスと馬鹿にするように笑うエセルドレーダ

 

いつも表情の変化に乏しい少女は愉しげに笑う

 

嘲笑。

 

 

 

「ゆるさねぇ…ヨクモおデのウデを…コワセ!クラーケン!コワセ!!」

 

 

巨体の男は憤怒と共に神を招喚する

 

 

2体の『鬼械神(デウスマキナ)』の顕現。奇しくも立火の到着を待たず招喚される

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