「きしし、初の『
覇道邸上空に不釣り合いな女子高生姿の『無限のフォーリナー』は上機嫌に見下ろす
喜劇を見ているかのように嗤う
彼女は愉しげに嗤う。彼女はこの物語のキーパーだ
「きしし、この荒唐無稽なお伽噺を冒涜しけなして貶めるかは君らに掛かっている!!『禍神殺しの9番目』のマスター!!きしし!!」
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『鬼械神』の顕現。神の招喚。
二つの威容は覇道邸の広すぎる庭園に顕現される
クラウディウスの『セラエノ断章』、ハスターの力を有する『ロードビヤーキー』
カリグラの『水神クタアト』が招喚する水の力を持つ『クラーケン』
強壮たる魔術師が招喚する『鬼械神』2体が降臨した
かつて九郎達が戦った忌々しい『逆十字』の『鬼械神』が再び瑠璃達の前に立ち塞がる
緑色の装甲で一応人型ではあるものの、頭部は持たず三角形に張り出した胴体、翼から生えた手、板状の脚など、地上での行動に適さない飛行特化の機体ロードビヤーキー
無骨で両腕に目が行くあからさまな近接特化のクラーケン
空中戦地上戦と正反対な箇所を得意とするだろうとわかる
「ひゃははははは!殺してやる!殺してやるぞ!!女ぁ!」
2体の50メートル級の機械の巨人。大してあまりにも矮小の人影に殺意を向ける
先程までクラウディウスを圧倒していた藤丸さんの護衛もこのサイズ差にはどうしようもないだろう
瑠璃はすかさず撤退してくださいと放送で言うが反応は無かった
此方を一瞥もせず『紅夜のランサー』は背部の黒い翼を広げ飛翔する
まさか戦闘するつもりですか!!?
『紅夜のランサー』は飛翔しロードビヤーキーの周りを旋回する
「生身で『鬼械神』の相手など無謀過ぎます…藤丸さんはどちらに…!!」
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「さて、でかいわね…」
2体の鬼械神周りを撹乱するように旋回する
サイズ差は圧倒的だがそのサイズ差ゆえに此方を捉えにくいだろう
事実、魔力を充填し射出しているロードビヤーキーのやらの腕は此方をとらえきらず被弾していない
恐らく機体の形状から最速の機体だろうが
もう一方の『赫月』の相手だったであろう鬼械はあからさまな鈍重そうな鬼械神だった
……まぁ此方は対界宝具や対城宝具を持たない
「………仕方ない『解放』するか最悪の場合」
短気な性格見て取れる。すぐに痺れを切らすのは目に見えている
範囲攻撃に切り替えれたら分が悪い。
そう思考をしていたら無骨な方の機体が腕を伸ばし捉えようとしてくる
いや実際伸びていた。まるで蛇のように捕食しようと迫り来る
ワイヤーアームとか言うのかしら驚いたわと冷や汗を流しつつ回避する
「ぐっ…チョコマカと…」
「ウドの大木ぅ!!!!僕の獲物だ横取りするんじゃねぇ!!」
連携は最悪なのが救いだわと一度距離を置く
『紅夜のランサー』は一度屋敷の最上階の屋根の上に立ち2体を見上げる
『運命を操る程度の能力』
けして『当たらぬ』運命を自身に付随させる
だが『運命』は絶対ではない
可能な範疇で運命操作。いくらかつてのとは違うとしてもそれは絶対ではない事は『絶対』なのだ
『運命』は小さな小さな小石でも容易く変わる
『
血液を槍へと変える。
巨大巨大巨大な血槍。この屋敷の惨状を利用する
彼等に殺された死体から徴収する
まるで死体が応報せよ、逆襲せよと呪いを吐く
「ああ!!?『
ロードビヤーキーは此方に腕を向け魔力弾を放つ
禍神宝具『
2対の巨大な血槍を創成するランサー
狙いは2体の神の威容。機械仕掛けの神
一発目の血液の槍を思いっきり振りかぶり魔力を込め射出する
巨大な血液の鎗はロードビヤーキーとクラーケンに狙いを定める
「あぁ!!なんだそりゃ!!?」
『紅夜のランサー』が扱う『宝具』の一つ『血塗られた槍世』からなる禍神宝具
血液で槍を創成する。血液の元となった者の未練や怨念を喰らい威力に還元する『因果還元』スキル
彼女のスペル、神槍『スピア・ザ・グングニル』を元にしている
「……私らしくはないのけれど、優雅じゃないもの。だが強者たるモノ喰らった者達の因果背負って行きなさい」
リベンジ・ザ・グングニルはロードビヤーキーの左腕を貫く
ロードビヤーキーが放った魔力弾は外れる
ロードビヤーキーの貫いていた左腕からは水銀の血が噴出する
「てめえ!!生身の分際で!!」
クラウディウスはさらに激昂。そして僅かながら驚愕
生身で『鬼械神』を傷付ける。当然の法則を無視する所行
まるであの『大導師』のようではないか
「此処で殺すぞカリグラ!」
「ァァ!」
ロードビヤーキーは上昇する。スクリーミングバード
自身の最大威力の必滅技。それで覇道の屋敷ごと潰す
「駄目だよクラウディウス。お姉様は私が殺すんだから」
突如の声。ランサーは聞き覚えがあった
むしろ馴染み深い最愛にて最悪の声
「……てめぇ邪魔する気かよ!!?『
『絶壊のバーサーカー』と呼ばれた少女はいつの間にかランサーの目の前、庭園の中心に立っていた
金髪のサイドテールに眼帯に奪われた視界、拘束された腕
紅いドレスに様々な色彩の水晶が付いた異形の翼のランサーと変わりの無い齢の少女が立っていた
「邪魔しているのはそっち、その神様ごと『壊す』よ?」
腕の拘束具は粉々に砕ける
「それに、お前たちに相応しい相手はすぐ来るでしょう?神様は神様同士やればいい?ねぇお姉様」
「…………そうね、久しぶりの再会ですもの。邪魔だては無粋よね……すぐに来るわ」
「再会を祝して殺し合わなきゃ嘘でしょお姉様!!」
「そうね、
悪魔の妹フランドール・スカーレット
レミリア・スカーレットの最愛の妹
これが目の前のサーヴァントの真名。真名看破するまでも無い
「………中々面白い趣向ね『無限のフォーリナー』とやら」
「僕らを無視して盛り上がってるんじゃねぇ!!」
ロードビヤーキーは急降下し加速しようとする
その時五芒星の魔導陣が輝く。ロードビヤーキーの急降下を阻むように展開する
「ほら、くると言ったでしょう?」
『劣悪の空より来たりて』
『黒き祈りを胸に』
『我等は偽りの剣を執る』
『汝、偽りの翼』
『レイドクロー!!』
漆黒の巨人が顕現する。改めて対峙しクラウディウスは思う。
かつて自分らがガラクタにした『魔を断つ剣』が
まだ折れぬと亡霊としてまた我等に刃向かうのかと
「あー!!どいつもこいつも気に食わねえわ!!!!とりあえず死ね!!亡霊が!!」