俺と白露型の日常   作:夜仙

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こういう人ほど自分のクラス内での立ち位置や好かれている女子がいる事とかには気づかないと勝手に思ってしまいます。知らないって怖い。

今回、雪原が言っていた女の子の正体が分かります。さて誰なんでしょうかね〜。ヒントとしてはその人と雪原の名前に注目してください。ある一つの季節に辿り着くと思います。では、本編をお読みください。 


8 相手の事について異常に敏感な人ほど自分のことについては鈍感

 今日、俺は映画館に来ている。もちろん映画館に来ていると言う事はやることは映画を見る一択だ。

 

 何を見に来たかというと、今話題の『ドローン君、上から見るか北を向くか』という映画だ。感想はと言えば普通に面白かった。だが、映画館の中にいた他の人達は俺の感想よりはもっと映画に対する評価が良かったようだ。中には声を出して泣いている人もいた。たが何故かそのシーンは主人公がアリを潰して泣いているところだった。というかアリを潰して泣くシーンで泣くって…どんな心境だったんだよ。まぁ、とにかくあのこが面白いって言ってくれたから来て良かった。

 

「面白かったですね映画!」

 

 映画館の近くにあるクレープ屋からクレープを二つ買って、あのこがいるベンチに行くと彼女は嬉しそうにそう言った。

 

「そうか、それは良かった」

 

「はい!まさかあの人気映画のチケットをこのあいだの福引きに行って当てられてよかったです!」

 

 そう…俺とあのこはこのあいだデパートに行って、チラシにあった福引き券を使って、福引きをしに行ったのだ。だが、途中で俺がトイレから帰っていく途中にあいつと会った。しかも美人さん連れで来ていた。…あの野郎、非リア充の仲間だと思ったのに裏切りやがって!!

 

「どうしたんですか!?急に炎が出ていますよ!大丈夫ですか?」

 

 あぁ君のその顔で俺の怒りの炎は消化されたよ〜。

 

「あ、消えた。良かったです」

 

 そうあのこは言った。本当に可愛らしい、俺はいつも彼女を見ると、可愛くて可愛くてしょうがなくなる。長いツヤツヤな黒髪にキュッと巻いている頭のバンダナ、見た目としては中学生のような見た目だが、彼女には思わずいつもドキッとしてしまう。この心は恐らく母性愛というやつだろう、多分。そしてドキッとした時はいつも彼女の頭を撫でてしまう。『体が勝手に〜』と言うやつだ。

 

「それにしても、沢山人がいますね」

 

「そうだな。それがどうしたんだ?」

 

「あ、いえ久し振りにこういう感じを味わえたなと思いまして」

 

 そうか。彼女は今までずっと深海棲艦との戦いで同じ艦娘同士で過ごしていて、自然と賑やかになっていたのか。まぁ家は爺ちゃんと婆ちゃんしかいないから、あんまり賑やかにならないからな。

 

「偶に鎮守府にいた皆に会いたくなるんですよ。今どうしているのかなぁ…」

 

 彼女はクレープを食べながら、少し顔をうつむかせた。おそらく昔の事を思い出しているんだろう。暫くの間このままにさせておこう。そうしたほうがいい。

 

 俺は真正面を見て、クレープを食べようとした時だった。

 

「お~い!」

 

 俺が向いた真正面から見覚えのある女の子がこっちに来た。長いオレンジ色の髪をポニーテールで結び、胸が大きい、まさに男が最終的に求めるもの全てを兼ね備えている娘だった。

 

 これには流石に学校で見覚えが無いから、このこの知り合いだろう。彼女の方を見ると、まだ女の子に気づいていない様子だった。

 

「おい、なんかお前の友達か何かが呼んでるぞ」

 

「友達?」 

 

 俺は彼女に女の子のいる方向を見させた。すると彼女の表情は一転、嬉しそうな顔をしている。そして女の子の方へと行き大声で、

 

「村雨さん!」

 

 と女の子の名前を言った。

 

 すると、女の子も嬉しそうに彼女を見つめて、

 

「初霜ちゃん!」

 

 そう言った。 

 

 

 

「村雨さんもここにいたんですね」

 

「えぇ、初霜ちゃんだって映画を見に来ていたなんてね」

 

 あれが女子トークか…長年に渡って無縁だった身からすると新鮮だな〜。うんうん……ん?そう言えばこの娘どっかで見た事があるような……あっ!

 

「もしかして君ってこのあいだ雷雨と一緒にデパートに行ってた娘か!」

 

「えっ、あっ、はいそうですけど」

 

 やっぱりそうか〜。いや、それにしてもな〜。雷雨とこの娘はどういう関係なんだろう……

 

「ところで村雨ちゃんと雷雨はどんな関係なの?恋人?それとも……」

 

 恋人、と俺が言うと村雨ちゃんの顔が赤くなって、手をぶんぶん振って、

 

「ち、ち、違います!!雷雨君と私はそ、そういう関係ではな、なくて」

 

 あぁ、この娘分かりやすいわ〜。多分村雨ちゃん雷雨の事好きなんだな〜。へぇー、雷雨もやるようになったじゃん。明日からこのネタでからかおーっと♪一方話に加わっていない初霜も村雨ちゃんの事を感じ取ったのか「頑張ってください」と言っていた。 

 

「そういえば村雨さんは今日は一人で来たんですか?」

 

「いいえ、雷雨君と春雨と来たの」

 

 え?あいつも来たの?こうしてはいられない!あいつが俺と初霜と一緒にいるところを見たらからかうこと間違いなしだ!逃げないと!

 

 そう思い、正面を向いた時だった。

 

 

「お~い!ゆ〜き〜は〜ら〜♪」

 

 悪魔が笑顔で走ってきた。

 

 

「ギャアーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆こんにちは。俺、雷雨。

 

 友達を見つけて走って行ったら、絶叫されました。

 

「酷くないか?いくらなんでも」

 

「お前が悪い」

 

 なんだよ……そんなにふてくしなくてもいいだろ?だって別段悪いところなんかないじゃんか。映画見に来たんだろ?彼女と二人で……な♪

 

「いや〜雪原君。彼女が出来たなんて喜ばしいですな〜。え?」

 

 そう俺が茶化すと、雪原はそっぽを向いた。気のせいか顔がちょっと赤くなっている。

 

「……別にそんなんじゃ……ねぇよ」

 

 雪原、小声で言っているから何言っているか分からないよ。というか、初霜ちゃん。何でこっちを向いて顔赤くなってんの?村雨と春雨が困っているよ。

 

「初霜ちゃん?」

 

「どうしました?」

 

 二人が心配して訊いているが、初霜ちゃんは明後日の方を見て魂が何処か行っている。しかも顔はアヘ顔になっているし、「えへへ」と言っている。何君たち?まさか、本当にそういう感じなの?

 

「おい雪原」

 

「何?」

 

「お前ら付き合ってんの?」

 

「……付き合ってねぇよ」

 

 あっ……これは本当だ。雪原が能面みたいな顔をするときはマジな時だ。しかも、泣きそうだ。

 

「おい、泣くなよ。なっ?」

 

「すまない……」

 

「からかわないから。応援するからな、お前のことは」

 

「頼んだぞ」

 

 こうして、俺は友達の初恋を応援する事になった。あいつには言わないが、初霜ちゃんは告れば一発オーケーだぞ。

 

 後日、あいつはいつから自分が初霜に恋をしていたかを訊いたら、俺の「彼女」という言葉で色々と妄想して、あの短時間で頭の中で紆余曲折した末にこの気持ちが恋心と分かったらしい。

 

 あいつ色々と鈍すぎだろ。

 

   




初霜ちゃんでしたね。 
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