ってハードボイルドなおっさんが返してきそうな題名です。
ピピッピピッ
カチッ
起きてしまった。起きてしまったよ。
今は朝の五時。どんどん起きる時間が早くなっていく。
「二度寝するか……」
時間はある。日光はカーテンでなんとかなる。夏の暑さはエアコンでどうにかなる。
つまり寝る環境は整っている。
寝るっきゃっないっしょ!
「おやす『ガッシャーン』え?」
何か割れた音がする。しかも近くから。
『あぁ、どうしよう、どうしよう』
近くから声が聞こえる。恐らく近くで誰かが何か割ったのだろう。
ということで誰か分からんが頑張れ!お兄さん応援してるよ!
……え?手伝えって?ハッ!俺はそういうのは手伝わない主義だから断る。だから、おやすみ。
『あぁ、どうしよう。どうしよう』
「……」
『困りました。姉さん達は寝てると思うし』
「……」
『雷雨君も寝ているし』
「……」
『どうしたらいいんでしょう?』
「……」
『はぁ、一人で片付けますか』
「いや、俺起きてるから!‼」
「ありがとうございます、おかげで助かりました」
「……どういたしまして」
あぁ俺の、俺の二度寝が〜……。
「いや〜。驚きましたよ。まさか雷雨君がもう起きていたなんて」
「まぁな……ところで一つ訊いていいか?」
少女はキョトンとした顔をして「なんでしょう?」と訊く。
「お前、誰だっけ?」
少女は俺の言葉を聞くと、少し残念そうにして顔をうつむけた。そして、背中からかなり暗いオーラを放っている。
「まぁ、覚えていなくて当然ですよね」
そう言って彼女は顔を上げる。だが、どこか悲しそうな笑顔をこちらに向けて。
「……すまん」
罪悪感が込み上げてくる。なんか悪いことしたなぁ。だけど、お前ら全員が自己紹介したのは、かなり前だから覚えてない。
「いえいえ、謝らなくてもいいです!というか、自己紹介ですね!」
少女はコホンと咳をしてから、キョロキョロと辺りを見回し、それから口を開く。
「私は白露型六番艦、五月雨です。よろしくお願いします」
さっきと打って変わって明るいオーラを放つ。それは眩しく、俺は目をつぶるしか対処ができなかった。
だが、俺はふと、あることに気づく。
「ところで、五月雨はあそこで何していたの?」
「雷雨君を起こしに来たんです。時雨姉さんから『朝の六時に雷雨を起こしてね』って言われていますから」
チッ!あのおかん。だから、みんな毎朝ドアを色々な方法で突破して起こしに来るのかよ。
というか、待て……。
俺はちらりと腕時計を見る。
「なぁ、五月雨」
「はい。なんですか?」
「今五時なんだけど」
「へ?」
五月雨は状況が分かっていないのかきょとんとした顔になっている。しかし、俺の言った言葉がようやく理解できたのか俺の腕をぐいっと引っ張り、腕時計を見る。
偶に思うけどなんで君達ってそんな強引に物事を引っ張ろうとするわけ?そのせいで、俺が毎回痛い目にあっているんだけど……。
やがて腕を引っ張るのをやめて、がっかりした顔を浮かべる。どうやら現実を受け止めたらしい。
「自分の部屋にある時計が六時を指していたから来たのに……」
あぁ、ずれていたのか。でも……
「もし六時だったら、とっくのとうに陽が登っているよ」
「あう」
五月雨は顔を真っ赤にして、狼狽の色を表した。
この娘、もしかして世にいう『ドジっ子』なのか?……いやでも、普通四時と六時を間違えるか?
「ところで、なんで間違えたの?……あ!言っておくけど怒ってないから」
五月雨は狼狽の色を隠せていないものの、吃りながら
「えっと……私がリビングで調理をしていて……ふと時計を見ると、針が六時を指して……いたので……その」
「うん。理由はわかった。ありがとう」
要するに時計がおかしくなっていたんだな。そうか……。
「まぁ、しょうがない。そういう時だってあるさ。さ、リビングに行ってテレビでも見よう、な?」
「……はい」
五月雨のその返事で俺はリビングに向けて歩く。五月雨もそれについてくる。
これで彼女も開き直っただろう。そう思っていると、ふとあることに気づいた。
「なぁ、五月雨」
「はい!なんでしょうか?」
うむ。いきのいい返事だ。
「お前が割ったやつってなんだ?」
五月雨はその言葉を聞くと、笑顔で
「雷雨君が大切にしていたアニメのキャラの皿です!」
と言った。
えっ……?あれ割ったの?
俺の大事な大事な宝物をワッタノ?
そんな〜!!
俺はこの後、暫くかなりのネガティブモードになり、ソファーでずっと寝転がっていた。
そして、一つ教訓を得た。
早起きしてもろくな事にならないと。
お気に入りの物を壊された雷雨君の気持ちを心からお察ししてあげてください。
あとUAが一万を突破しました。
これは読んでくださっている皆様のおかげです。
ありがとうございます。
駄文ではありますが引き続き読んでくださったら嬉しいです。