俺と白露型の日常   作:夜仙

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僕はこういうタイプの人間です。


14 テスト勉強は自分にとってベストコンディションでやるのがよろしい

 みなさん、おはようさん!

 

 皆のアイドル雷雨だよ〜♪キャピ♪

 

 何処にでもいる高校二年生♪

 

 皆、今頃起きてるよねぇ?ねぇ?十時だもんね?夜の。

 

「雷雨君、さっきから何アイドルのやるようなポーズをとっているんですか?」

 

 後ろから、優しいオカンのような声がすると同時に頭に何者かがチョップする。

 

 その衝撃によってか、俺は先程の変な感じを抜け出すことができた。

 

 

 さて皆さん、何故俺がこんな目にあっているのか、それを説明しなければいけないだろう。そう、それは二時間前のことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃ〜食った食った」

 

 夕食のカレーライスを食べ終わると、俺はベッドでゴロゴロダラダラしながら漫画を読もうと、自室に向かう。

 

「待ってください」

 

 自室に行こうとした俺を止める声が後ろからした。俺は知っているこの声を。あの忌まわしき声を。

 

 振り返ってみると、やはりそうだった。

 

 白い髪に青い目、何処からか出てくる優しそうな雰囲気……そう、奴だ。

 

「なんだよ海風」

 

 オカン二号こと、海風だ。

 

「『なんだよ』じゃありません、雷雨君。雷雨君は今日が何日か知っていますか?」

 

「八月三十日ですね」

 

「なら、私が何を言いたいか、分かりますよね」

 

 

 ハッ!これはまさか世に言う『宿題イベント』ってやつか!この場合、俺は宿題をやっておらず「ごめん、やってなかった」と言って、宿題を海風と一緒にする……まぁ、こんな感じか……。

 

 だが、しか〜し!!俺はもう既に宿題はちゃんと終わらせているのだよなぁ〜海風君。いやぁ、残念無念ですよ。君と宿題ができないなんて♪

 

「宿題か?それなら、もう終わっているぞ」

 

 ドヤ顔で俺は海風を見下す。だが彼女自身それに驚きもせず、ただきょとんとした目で見てくる。

 

「何を言っているんですか、雷雨君?」

 

「へ?」

 

 何を言っているって、宿題の件だろ?

 

 そんな俺の本心を悟ったのか、海風ははぁ、とため息をつく。

 

「宿題なんて期限内にできていて、むしろ当たり前です!それよりも」

 

 こほん、と咳き込んでから海風は言う。

 

「課題テストの勉強をしなくてはいけないでしょう!」

 

 俺は内心『そんなのあったな』と思い出を振り返るような感じでいた。

 

 というのも、俺はあらゆるテストが何時あるのかすら全く覚えていない。

 

「まさかとは思いますが、課題テストは『課題だけやればどうにかなる』とでも思っているんですか!」

 

 ぐ……逃げ道が……。

 

 

「とにかく!課題テストまでの残り少ない日数は全て勉強に費やしてください!あと私も手伝いますからね!」

 

 

……

 

 

………

 

 そうだ。そうだった。俺はあの後、海風と勉強することになって、それでこうなったのか。さっきまでやっていた現代文の漢字に苦戦しまくったんだっけ。

 

『雷雨君!なんで『丁寧』っていう漢字がどこをどうやったら『帝寝威』って書けるようになるんですか!』

 

『『難かしい』じゃありません!『難しい』ですよ!』

 

『雷雨君!なんで『摩天楼』だけ漢字が完璧なんですか!?』

 

 あぁ、嫌なことしか出てこない。今は休憩時間。このすきに逃げたいところだが、生憎海風が部屋のドアの前で本を読んでいるため突破できるかどうか微妙なところだ。

 

 ちらちらと俺が見ているのにに気づいたのか読書をやめた海風がこっちを睨んでくる。う〜怖い怖い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は数学をやりますよ、雷雨君」

 

 海風の台詞に俺は反論する。

 

「おい、海風。数学はやんなくていいと俺は思う」

 

「それは何故ですか?」

 

 笑顔の海風だが、内心凄い怒っていると思う。仕方ない、理由をいうか。

 

「俺はこう見えて数学だけそこそこできるんだよ。こう見えてもな」

 

「なるほど……でも、それは所詮高校になったら通用しませんよ。実際、小中学はできても高校になったらできなくなるっていう人が居るのも聞いたことがあります」

 

「……それ誰情報?」

 

「加賀さんからですが」

 

 母さん、なに海風にそういう事を言うんだよ!

 

「まぁ、お前のことだ。俺がどれだけ言ってもすぐに信用してくれないだろう?こういうのは『百聞は一見に如かず』だ。試しにほれ」

 

 俺は一学期の成績表を海風に渡す。

 

 海風はそれを黙って見る。だが、彼女はある項目を見て絶句して声を出した。

 

「雷雨君、これ……」

 

 海風の指が示す先は数学の成績が書いてあるところだ。そこに書いてあるのは十という数字。これはもちろんの事だが、十が満点のである。

 

「なんで数学だけこんなにいいんですか!?」

 

「あぁ、それはな多分ギャンブルのおかげだよ」

 

「は?」

 

 ぽかんとする海風を放っておいて言う。

 

「俺はギャンブラーになり始めた時にそれ専用の専門書や必勝法といったやつばかり読み腐っていたからな。それでまず、数の強さやルールを学んでいったらこんな頭になってたからな〜。今では全ての数学の問題は暗算で出来るよ」

 

「……嘘ですよね?」

 

「ほんとだ」 

 

「9808909+9808909は?」

 

「19617818だろ?」

 

「789120÷789120は?」

 

「1だな」

 

「すごい……一瞬で」

 

 海風はやや後ろへ下がる。引いているのだろうか。

 

「あなたは本当に雷雨君ですか!?」 

 

「いや、雷雨だけど!?」

 

 

……

 

…………

 

 

 

 

 

 

〜当日〜

 

「雷雨……どうしたんだ?そのクマ」

 

「あ……あぁ、ちょっと色々あってな」

 

 あの後、馬鹿みたいに海風に勉強させられた。それも三日間ずっと三十時間の勉強時間。繰り返される罵声。文字や数式が時には浮かんでいるようにも思えてきたときもある。

 

『違います!ここはこの単語じゃありません!』

 

『だから、何故レオナルド・ダ・ヴィンチを織田信長と書いて、織田信長をシンデレラって書いたんですか!?」

 

『主語が二つあります!あと動詞の位置がおかしいです!』

 

 くそ、オカン第二号。お前のせいで俺はヘトヘトだぜ。こんなんでテストなんか受けられるのか?

 

 しかし、やるしかない。あの、あのオカン二号の威圧から救われるために!

 

 やるっきゃねぇーー!!

 

 

 

 

 

 テストが終わった二日後。

 

 テストの結果公開の日になった。

 

 廊下にある順位表を前に生徒達は我先にとばかし食い入るように見ている。その中にはもちろん俺もいる。

 

 さて順位はというと、

 

 現文 百位/二百位    古典 百位/二百位

 

 数学Ⅱ 一位/二百位    数学B 一位/二百位

 

 英語 百位/二百位    日本史 百位/二百位  世界史 百位/二百位

  

 化学 三十二位/二百位

 

 

 という結果になっていた。

 

 順位は全部の教科が上がった。だが……

 

「半分ばっかりだな……」

 

 なんかこれはこれでショックを受けた俺なのであった。

 

 ついでにこの後、これを海風に伝えると、

 

「半分も取れたなら、上々ですよ!!」

 

 と嬉しそうに言いながらも、

 

「次こそはオール一位、狙いましょう♪」

 

 とも言っていたのであった。

 

 

 学生は辛いよ……

 

 

 




ちょっと急展開にさせすぎた節がありますね。すみません。

 
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