俺と白露型の日常   作:夜仙

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ハッピーハロウィン!

お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞ!


 皆さんはこのセリフを言うときにどんな仮装をしますか? 

あと遅れてすみません


15 ハロウィンで日本のオバケの格好している奴は多分いない 

 十月三十一日……。

 

 今日、俺はとんでもないことに気づいた。

 

 そう、今日は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 休日だ。

 

 待ちに待った休日。どう過ごそうか、そう思いドアを出る。

 

 その時だった。

 

 

 

 

「お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうぞ♪」

 

「しちゃいます//」

 

 

 ノリノリの白露と赤面顔の五月雨がいた。

 

 俺は思った。

 

(そうか、今日はハロウィンか)

 

 

 

 そう思って見ると、なるほど。ちゃんと二人共仮装している。白露は西洋の歴史にでも出てくるような騎士の鎧(らしき)ものを身に着けているし、一方の五月雨はタロットカードにもありそうな死神の格好をしている。

 

 だが、それにしても凄いな騎士と死神の組み合わせって……。もし、ここに勇者の格好をしている奴がここに加わってパーティーを組んだら間違いなく魔王までは一気に行けそうだな。

 

「ねぇ!お菓子は!?」

 

 回想にふける中、白露が目をキラキラさせて、こっちを見る。このパターンどっかで見たことあるなー。

 

 にしても、お菓子か……うーむ。

 

 あ!そういえば昨日本屋のおばちゃんが買い物をした際くれた飴があったな。

 

「ほれ、お前らお菓子だ」

 

 ぽいっと二人のいる方に投げる。すると、二人はそれに釣られるかのように飴玉を手でとった。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「チェッ、お饅頭が貰えると……って痛い痛い!!」

 

 文句をたれる白露に対し俺は頭をぐりぐりした。こいつ変なところで強欲なところが出てくるからな。

 

 こうやって、やらないとこいつのためにならない。

 

「文句言わないから許して〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 白露と五月雨と別れて下に降りてみる。

 

 すると、下のダイニングからいい匂いがしてくる。それを辿ってみると、ダイニングにそれがあるのがわかった。そして、そこにあったのは……

 

「こ、これは!?」

 

 ダイニングの机にある、それの正体はハロウィンらしく南瓜料理(かぼちゃ料理)がある。煮物に豚汁に、関係ないけど白飯がある。だけど……

 

「なんかこうして見ると、ハロウィン料理じゃなくて、これって冬至の料理だろ」

 

「それ言われたら終わりだね」

 

 声のした方向を見るとオカン一号こと、時雨がいる。 

 

 

 彼女の服装も一応見ておくとしよう。時雨は黒い魔女の格好をしていて、それはまぁハロウィンでの定番中の定番の格好であるのでなんか安心した。ただ強いて変わっているところと言えば魔女の衣装の下には緑色の小さいバッグが少し見え隠れする位置にあることぐらいだ。

 

「どう、似合うかな?」

 

「似合っているよ」

 

「そっか」

 

 嬉しそうな顔を浮かべる時雨。それには何処か照れ笑いにも近いものが含まれているような気もする。こいつってオカンの部分を除けばかなり可愛い娘になると俺は思うんだけどな〜。

 

「ところで雷雨」

 

「む?どうした」

 

 時雨が俺をじっと見てくる。気のせいだろうか。何故か知らないけど俺の服を見ている気がするのだが……

 

「雷雨、なんでそんな格好しているんだい?」

 

「へ?」

 

 間抜けな声を出して俺は聞き返した。そんな俺には目もくれず時雨は、こちらに近づいてくる。

 

「え?なに?」

 

「雷雨、今日はハロウィンだよ。だからね……

 

 

 

 

 

 

 仮装しなきゃ駄目だよ?」

 

 マジですか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「似合ってるよ雷雨!」

 

 時雨にコーディネートされること十分。俺は完璧と言ってもいいほど見事な仮装をさせられた。どんな格好?と言われれば簡単に言うと亡霊船に乗っている海賊の団長という設定の格好だ。青い二等辺三角形の髑髏(どくろ)のマークの帽子に顔には眼帯をつけられて、服は軍服にも似た青い上着に背にはマントと、本格的すぎる海賊の格好をしている。

 

「時雨、お前これ、何処から……」

 

「俺達からだぜ!雷雨!」

 

 聞き覚えのある声が後ろからする。

 

 俺は声のした方向を振り向く。

 

 そうしたら、やっぱりそうだった。俺のお母さんと親父だ。

 

「雷雨、トリック・オア・トリート」

 

「お菓子をくれなきゃ……って、何処に行くんだ!?」

 

 

 

 うるせー!あんたらから関わりたくないからだ、この野郎!

 

「雷雨、お菓子をくれないんですか。お母さんはお腹が減って仕方がないんです!」

 

「母さん、あんたにやれるだけのお菓子はこの家にねぇんだよ!」

 

「おい、けちすぎやしないか、雷雨。お菓子の二つや三つ程度お母さんにあげてもいいだろうに」

 

 こいつ……分かってて言っているな……。親父は家の柱に背をもたせていてかっこつけて喋っているが、分かっているのだ。母さんの有り得ないぐらいの暴食の限りを。そして、その果てを。

 

 俺は考える。どうやったら、この両親を追い払うことができるのかを。そして、思いついた。とっておきの策を。

 

「親父、お母さん」

 

「なに?」

 

「なんだ?」

 

 俺はにやりと二人の前で悪巧みをしてそうな顔で今さっき思いついた策を言葉に出した。

 

「トリック・オア・トリート、お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞ♪」

 

 この言葉に二人はびくっとする。多分、俺が何か企んでいるのに気づいたのだろう。さっきまでの余裕そうな顔色がすっと抜けていた。

 

「ハロウィンってさ、もとは収穫祭でその豊作を祝ってやる祭りなんだよね。そして、そこでは子供達がおばけの格好をして、お菓子をあげるんだよね?だったらさ、大人が仮装しても意味がないんじゃない。そして、この場合親父達が俺に言っても、それは無効化されて、逆に俺がさっき言った方が有効化されるんじゃないの?」

 

 一旦、言葉を区切って俺は両親に近づき、王手を決めた。

 

「だからさ、お菓子頂戴?」

 

「雷雨、衣装は後から私の家にダンボール箱に入れて返してきなさい。私は今用事を思い出しましたから!」

 

「あぁ〜、腹がーー!!ってことで、さいなら〜!!」

 

 二人は韋駄天のような速さで玄関から出ていった。

 

 こうして、疫病神は去っていった。そして、俺に残ったのは圧倒的勝利による快感と……

 

「雷雨〜、早く食べなよ〜♪ご飯冷めちゃうよ〜♪」

 

 鬼のように怒っている時雨だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝食を食べ終わり、暇になった俺はリビングに行ってテレビを見ることにした。番組ではあちらこちらでハロウィンに関することが多くやっていて、アニメとかもそればっかりだ。  

 

 ふと体に寒い風が当たって、ぶるっと身震いした。

 

 やはり、十月末になると冬だな。

 

「そろそろ炬燵を出してもいいのかもな」

 

「……そうじゃないと、困る」

 

 机の下から声がする。

 

 思わず体がびくっと飛び跳ねる。

 

 お化けか、それとも……そう思い、俺は声のした机の下を上から凝視してみる。

 

 すると、ほんの少しだけ、見覚えのあるものが出てきた。

 

 それは緑色の長い髪の毛だった。

 

 俺はため息をついた。机の下にいる奴の正体が分かって、少し恐がっていた自分を恥じているのだ。

 

「山風、驚かすんじゃねぇよ」

 

「ごめんなさい」

 

 そこに居たのは猫のように机の下で丸まっている山風だった。そんな山風もコスプレはちゃんとしている。黒猫だ。服装は黒猫感を出そうと、黒猫の着ぐるみをを着ている。なんかよく似合ってるよ、お前……うん。

 

「どう……似合う?」

 

 ふわぁ、と大きなあくびをして山風は訊く。もう猫でいいじゃんお前。

 

「似合ってるよ」

 

 俺は意思表示も込めて頭をなでなでする。

 

「ん……」

 

 最初は少し驚いた顔をした山風もやがて受け入れて、気持ち良さそうな顔をする。親父もこんな事を山風に、艦娘達にやったのだろうか……。

 

「あ、雷雨君!」

 

「おー雷雨じゃん!衣装似合ってるぜ!」

 

 後ろから声がする。振り向くと、村雨と涼風がいる。村雨は白天使、涼風は時代劇のアウトローの格好をしている。 

 

「二人もよく似合っているな」

 

「えへへ」

 

「そうだろ!」

 

 村雨は顔を赤くして照れ笑いをし、涼風はえっへんとでも言いたげなポーズをする。

 

 ふと涼風のズボンの腰のところに引っ掛けてある銃が目につく。

 

 あれって確か……。

 

「ん、これが気になっているのか?」

 

 俺の視線に気づいた涼風は銃を手に取る。

 

「良いだろ!これがよ、割と細かく作りがいきとどおいているからな。あたい的にはお気に入りだぜ!」

 

 そう言って、銃を自慢げに見せてくる。これに村雨も「すごい!」と言って、まじまじと見る。

 

 ……ごめんな涼風。それこないだ近所の駄菓子屋行ったら、三十円で売られていたおもちゃのやつだわ。

 

……

 

………

 

 

…………

 

「おう、雷雨!やっと来たか!お客さんだぜ!」

 

 ドラキュラの仮装をした江風が外に出ようとした俺に声をかける。雪原の家に行って、大量のお菓子を(無理矢理)貰ってこようとしていた。だって、俺の格好は海賊じゃん?だったら、奪えそうなところから奪う(お菓子を)のは当然だと思うのだが。ということで『ヨーソロー!』と心の中で叫んでいこうとして、これだ。俺は不機嫌になりつつもその客のいるダイニングに行く。

 

 声がダイニングから楽しそうな声が聞こえてくる。ダイニングには五人いるらしく、また女性四人、男性一人という感じだ。だが、俺はこの声の主達を全員知っている。

 

 

 

 はぁ、とため息をしてからダイニングへと入る。

 

「「「「トリック・オア・トリート、お菓子くれなきゃ悪戯するぞ!!」」」」 

 

 そこには海風、春雨、夕立、初霜そして当の雪原がいた。クソッ、先手を打たれた!

 

「ギャハハハ、雷雨君よ〜♪君の考えはお見通しなんだよねぇ〜♪」

 

 マットサイエンティストの格好をして俺を嘲笑う雪原。

 

「お菓子くれっぽい、雷雨!」

 

 手をお椀のようにして、お菓子を貰おうとする学ラン姿(帽子付き)をしている夕立。

 

「テストの時のお礼として勿論くれますよね?」

 

 錬金術士の格好をしている海風。

 

「雷雨さん……その……ください!」

 

 遠慮しながら言う銃士姿の初霜。

 

「お菓子をください!」

 

 ストレートに言う魔法少女姿がよく似合い、可愛い春雨。

 

 一方の海賊の格好をしている俺は獲る側の人間にも関わらず、多くのお菓子を獲られたのであった。

 

 




僕はドラキュラがいいです
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