何時もこんな駄文ですが、読んでくださって、感謝感激です。
……最終回ではありませんよ
「暇でち」
ゴーヤが何かを訴えるような眼差しを俺に向けて言う。一方の俺も何もすることがないので、暇つぶしに縁側に出て、手紙をせっせと書いている。
「誰に書いているの?」
隣にいるイムヤが訊く。
「遠くにいる兄さんに書いているんだよ」
「龍輝に兄さんがいるなんて、知らなかったのね!」
外で野草の水やりをしているイクが意外そうな目でこっちを見た。まぁ、俺からすれば、イクのやっていること自体が驚きなのだが。
「龍輝の兄さんは何をやっているのね?」
「それ私も知りたい!」
「ゴーヤも!」
「そんなに人様の家族の事が知りたいのか……」
皆がこっちに寄ってきて、話の催促をしてくる。俺はこれに少々戸惑っている。まさか、ここまでこいつらが俺の家族のことを知りたがっているなんて……
「学校の先生をしているって前にきたな」
「へぇ〜、じゃあ勉強が凄いできるのでちか!」
「いや、そうでもないと思うけど……」
実際のところ、それは分からない。というのも、兄さんは俺とは五つ違いの兄弟で俺が生まれたときには、もう五歳。俺が十二歳の時にはもうこの島を出て都会へと行ってしまったのだ。かといって、その間の十二年間、兄さんと楽しい思い出を作ったこともない。だって、兄さんは何時だって、自分の部屋に引きこもってばかりなうえ何時も俺に邪魔だと言わんばかりの視線を向けてくるのだから。
正直、兄さんがこの家を出ていった時は寂しさよりも安堵が大きかった気がする。
「ふーん、じゃあ龍輝も将来はお兄さんみたいに学校の先生に?」
「どうだろう……将来とか考えてないからなー」
自分の人生が今後どうなるのか……そんなことこれまで考えた事もなかった。でも、確かに俺は将来何になるのだろうか?そもそも、この島を出ていくのだろうか?ふーむ……
「ウゥア〜〜!!」
「「「イク!?」」」
何故かは知らないが、イクが急に大声で叫ぶ。これには俺のみならず、その場にいたゴーヤやイムヤ、そして偶然近くにいた木津さんもびっくりしてイクの方を見る。
「こんな暗い話はもうやめにするのね!」
「そこまで暗かった、この話!?」
「暗いよ!今の龍輝はクラスに一人はいるドヨ〜ン系男子になってるのね!」
確かに、暗かったかもな。実際、俺も暗い気持ちにちょっとなっていたし……でも、イク最後の奴はどう考えても『クラスに一人は』は言いすぎだろ。
「まぁ、とにかくこの話はこれで終わり!というわけで何かして遊ぼー♪」
「実はそれ目的だったでちね」
「だな」
うん、どうやらイクは遊びたくて遊びたくてたまらなかったらしい。とは言え、イクがこう言いだしたら、止まらないので何かあるか考えてみる。が、何も思い浮かばない。
「何かあるか、二人とも?」
二人に策を求める。が、二人は首を傾げて、苦い顔をする。
どうやら、何も思い浮かばないらしい。
しかし言い出しっぺのイクはどうやら何かを思い浮かんだらしい。
「何か思い浮かんでいるのか、イク?」
「もちろんなのね!」
フッフッと不敵な笑みを見せるイク。だが、何というか……うん、悪巧みではなさそうだ。
…
……
………
「到着〜♪」
そう言ってイクが俺達を連れていったのはこの島で唯一あるお花見場だ。と言っても、これだけを聞いたら勘違いをする人が度々いるが、別に桜の木や紅葉の木は普通に道中で生えている。ただ、ゆっくりまったり桜の木の下にいるのがここだけだ。
「なんで、ここに連れてきたのでちか?」
ゴーヤは首を傾げてイクに訊く。確かに上を見ると、確かに満開まではいっていないが、お花見するには十分なものである。でも、ここには全く人はいない。当たり前だ、多くの人は満開になってから、お花見をする。それこそ、テレビの桜の開花予想がない限り人はここでお花見なんてしない。
「そんなの簡単なのね」
イクはそう言って、持っているシートを広げる。
そして、そこにぺたんと正座をする。
「ここでお花見するのね!」
…
……
………
「ほら、弁当だぞー三人とも」
「それじゃあ、皆で食べよ!」
俺は近くの弁当屋に昼ご飯を買いに行っていた。あそこの九十のおばあちゃんはよくわからないが、微笑ましい顔でこっちを見ている。
そして、『あの娘達と仲良くね』と言った。まるで、ゴーヤ達のお母さんのようだ。それと、その時の俺はまるでおばあちゃんの娘を貰う婿みたいだった。
複雑な気分だ。
「どうしたの?」
ゴーヤが心配そうにこちらを見てくる。どうやら、心配させてしまったらしい。
「なんでもないよ。それじゃあ、皆食べようか」
「うん!」
…
……
………
そこから俺達は貸し切り状態の桜の木の下で弁当を食べ、その後は遊んだりしました。子供のように無邪気に笑い、じゃんけんをして遊んでいるのを馬鹿らしいと思うかもしれません。それでですが、遊んでいると、時折春の風が俺達を通り過ぎていくのを感じました。
もうすぐ、春がくる。俺はそう確信しました。
体にはお気をつけください。
龍輝より
次から新学年に一応雷雨達がなります。いわば新学期編です。