正直、最近忙しくて中々書くのも厳しい状況の中投稿しました。
ですので、次いつ投稿するかはまだ未定ですので、そこはご理解いただけますよう宜しくお願いします。
「暇だ~」
「そうだね〜」
「ですね〜」
ソファで寝転がりながら、ぼーっと天井を見ながら俺、雷雨は白露と春雨と一緒に言う。
今日は土曜日。学校が無いという天国を噛み締める事が出来るこの
というわけで、俺はだらけている。一つ言っておくが、これは来週の学校に備えて充電しているだけだ。くれぐれもだらけたいから、とか休日だから何もしたくない、という理由ではない。断じて、それはありえない。
それにしても……。
「あ〜だらけるって最高!」
「本当にね〜」
「そうですね〜」
いや〜、やっぱり休日はだらけるに限るね、うんそう!
もう、この場から一歩も動きたくないよ〜。
そう、こここそが俺達の聖域だ!
「ぽいぽ〜い!」
バァンと音を扉を思いっきり開けて、入ってくる聞いたことのある声の主。俺達は突然の出来事に驚いて、起き上がった。
音がした方向を振り向いてみると、そこにいたのは……
「事件が起こったぽぉ〜い!」
シャーロック・ホームズのような探偵服を着、一丁前に右手に虫眼鏡を持っている夕立がいた。夕立の顔からは何故か自信に満ちあふれ、目はキラキラとさせている。
というか、その前に事件ってなんだよ。
「事件ってなんです?」
俺の疑問を春雨は代弁してくれて訊く。
夕立は流暢に語る。
「フッフ〜ン♪そのままの意味だっぽい」
そして、夕立は俺達一人一人の顔を見ると、
「実は、この中に昨日の内に時雨の大事なドーナッツを食べた者がいるっぽい!」
推理小説だと、ここら辺で雷の一つは落ちるのだろうが、あいにく今日は快晴。そんな事は起きない。
それにしても、時雨のドーナッツ?あいつ、いつのまにドーナッツ買ってるんだよ。
「ねぇねぇ夕立」
隣で白露が手を挙げて疑問を投げる。夕立はぽい、とだけ言って先生さながらに当てる。
「そもそもなんで私達の中なの?別に私達以外にもいるでしょ」
「いやぁ、それがね」
どや顔を決めて人差し指を立てる夕立。何だろう、なんかムカつくけど。
「被害者の時雨が言うにはその日、家に居たのは今の白露達だけだって言っていたぽい。他の皆は買い物に行ったり、ゲームセンターとかに遊びに行ったりと色んな所に行って居なかったということだっぽい」
なるほど、それなら確かに俺達が疑われるのはしょうがないことだな。それにしても、俺達の誰かが犯人ねぇ……。
「それじゃあ犯人探しに移るぽい!まずは白露だっぽい」
白露に向け夕立は指を指す。その時に右指で指そうとするも、虫眼鏡を持っていることを忘れていたらしく、虫眼鏡をちょっと落としそうになっていた事には触れないでおこう。
白露は一瞬だけ目を丸くするも、すぐに察したらしく理解の声を上げる。
「私はその日、自分の部屋でくつろいでいたよ。テレビでも見てね」
「何を見ていたっぽい?」
おい、そこ必要かよ。
「確か……『青の境界』を見てたよ」
お前も答えるな。
「あぁ、『青の境界』って面白いですよね〜」
「そうそう特に主役のキャラクターがいいっぽい!」
おい、混ざるな迷探偵!事件をほったらかしにしてテレビの話をするな!
「それで春雨は?」
「えぇ……と確か……そう、私は絵を描いていました」
「絵?春雨って絵を描くのか?」
「は、はい。たまに気が向いたらではあるんですけれどね」
へぇ、春雨が絵ねぇ……かわいい絵でも描くのだろうか。今度見せてもらおうかな。
「じゃあ、最後は雷雨だっぽい!」
あー、俺の番になったか……確か……
「僕が時雨のケーキを食べた僕が時雨のケーキを食べた僕が時雨のケーキを食べた僕が時雨のケーキを食べた」
そう、僕が……って。
「おい、洗脳して俺を犯人に仕立てんじゃねぇ!」
危ない危ない……あやうく犯人になりかけ……おい、今舌打ちしただろ。夕立、なに俺から目を逸らしているんだよ。おい、こっち見ろ探偵。
「こほん……とりあえず、これで被疑者の証言は終わりだっぽい」
「あの〜」
春雨は手を挙げる。どうやら訊きたいことがあるらしい。素直に手を挙げて質問しようとする春雨、君はなんて素直な娘なんだ!
俺がお父さんがだったら絶対泣いてたわ。純粋過ぎてもう泣きたくなるわ。
「ん、なにっぽい?」
「百を承知で言うんですけど……まさか夕立姉さんが犯人だったってないですよね」
しん、と静まりかえる。
そんなのないっぽい、とすぐに言うが、しかし俺達はその可能性が十分にありえると考えている。夕立は頭の良さは姉妹の中でも頭が悪い……ということではない。それどころかこの白露型の中だったら割と頭の良さは運動神経並にいい。
だが一つ欠点があるとするなら、こいつは頭がいい馬鹿だ。馬鹿だって言ったら語弊が生まれるだろうから今から訳を話す。夕立は白露型の中で一位二位を争うぐらい記憶力がない。いや、記憶しようとしない。自分の興味あることに関しては物凄い覚える癖にちょっとでも興味が無かったら、その日にあった出来事のほとんどは明日になったら忘れている。そのために彼女は同じ失敗を何回やりまくり、その度に時雨や海風に怒られるのは日常茶飯事だ。
そして今回、俺達の頭の中にあるのは夕立が無意識のうち、もしくは記憶にないところでドーナッツを食ったという説だ。正直ありえないとは思うが、ありそうでもあるのは夕立だからだ。
「まさか、それはありえないっぽいよ!夕立はそんなお馬鹿さんじゃないよ」
「そ、そうですよね」
ちらりと春雨がこちらを見る。安心しろ春雨、君の言いたいことは正しいから。
「とにかく、この中に犯人はいるっぽい!さぁ今なら遅くないっぽい犯人よ、今のうちに自供するのが身のためぽい!」
夕立は天を指差し言いきったというどや顔を決める。それは確かに探偵が繰り出す王手。そこに付け入る隙がない。
……ん?いや待てよ。
「なぁ夕立」
「なに?今いいところなんだけど」
「探偵って普通ここら辺で推理の一つ二つかっこよく言うんじゃなかったっけ?」
「「「……」」」
辺りはしんと静まり返る。
春雨と白露はただ黙る。だが、夕立はこの言葉を聞いて急にあたふたし始めた。
やっぱり……そうだと思ったよ。
「夕立、お前」
言葉を言い終わらないうちに夕立は顔をこちらから反らせる。
「何にも考えずにおもしろ半分で設定作っただけだろ。」
なおも夕立は振り向かない。
白露は顔を背けて声を殺して笑い、春雨は諦めの表情をしている。
俺はきっとゲスな顔をしているのだろうが構わずに畳みかける。
「まさかだけど、そんなおもしろ半分でよくそんなに俺達を疑ったなぁ?」
夕立の横顔から汗が一筋流れている。
思った通りだ。あの春雨の問いの時に夕立は一瞬だけ何も言わなかった。本当に食べていなかったら、すぐにでも答えていてもおかしくない質問。それをこいつは躊躇った。つまり、食べたのは夕立。そして、この問答はそのことを時雨にばれないようにするための裏工作。恐らく、時雨に「犯人はこの夕立にお任せっぽい!」とでも言ったのだろう。後は適当に時間稼ぎ、とでも思ったのだろうが甘い甘い。
このまま夕立にはとっとと自供してもらって
「あ、夕立!いたいた」
そんな折、ちょうど時雨がやってきた。彼女は袋を持ってこちらに向かって来る。
「夕立、ドーナッツの件なんだけどさ」
夕立に近づいて来る時雨。やはり時雨はドーナッツを食べた犯人について聞くつもりなのだろう。
「あれ食べたの、夕立だよね?」
夕立の額から汗がさらに流れる。どうやら時雨は犯人が誰かについてはとっくのとうに気づいていたようだ。
「……怒ってるぽい?」
心配そうな声で訊く夕立。
時雨は……
「いや怒ってないけど」
「え?」
「まぁ僕も皆の分も買わなかったりしたし、ちゃんと言わなかったからね。僕にも非はあるよ。だから別に気にしなくていいよ。それに……」
そう言って袋から何かを取り出した。
「ジャーン!新商品のプリン!これを食べるしね♪」
そういうと、時雨は上機嫌で夕立の横を通りすぎて言った。
俺達はただ立ちすくんだ。嵐は通りすぎるどころか消滅してしまった。
ただ、なんにもなくて拍子抜けに終わった。
少しして夕立は不敵な笑みを浮かべると、こちらに顔を向けて、
「全てが夕立の推理考え通りっぽい!」
「「「嘘つけ(つくな)(つかないでください)!」」」
俺達三人はこのポンコツ探偵に家中に響くぐらいのツッコミをした。
あとUAが気づいたら三万を越えました。誠にありがとうございます。
今後とも、お読みいただけたら作者としても幸いです。
作者も作者で精進を続けますので。
では。