俺と白露型の日常   作:夜仙

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題名は話に関係しています。一応。


1    人の名前はちゃんと覚えよう

 雀がチュンチュンと鳴く声が聞こえる。時間は七時三十分。うん、今日は日曜日だし、まだ早い。寝よう。

 

 そう思って寝ようとすると、バンと思いっきりドアを開く者がいた。思わずそちらへ見ると、そこにいたのは時雨だった。

 

「雷雨、朝だよ。そろそろ起きなよ」

 

「んー。まだ七時三十分じゃないか。」

 そう言って布団をかぶろうとすると、それを時雨が没収する。

 

「まだって、七時三十分だよ!いつも何時に起きるの?」

 

「休日は十時まで眠る」

 

「十時って…はぁ、雷雨、君いつ眠るの…」

 

「ん、いつも三時まで」

 

「…不健康まっしぐらだね」

 

 

 

 顔を洗っていて、これが夢でないことを悟る。夢であってほしかった。 

 

 

 昨夜、俺は親父に電話した。もちろん、時雨とその姉妹についての事だ。ギャンブルのことは話していない。

 

 そしたら………

 

「おぉ、そうか良かったじゃないか雷雨。不倫し放題だな」

 

 って、言いやがった。やっぱり、こいつに相談したのが間違いだっ……いや、母さんに相談するのも駄目だ。あの人も中々のアホだ。結局駄目じゃねーか、ウチの両親!

 

「だったら、彼女にこう言え。『どうぞ、どうぞ住んでください、とパパが言ってまちた』と……」

 

 さーて、許可はもらったし、家へ招待するかー。

 

 

 ウチの家は一軒家の二階建て。そのため、一人で住むにはあまりにも広すぎてどうしても静かになってしまい、寂しさがどうしても出てしまう。

 

 しかし、今は何というか、うん……明るくなってます、はい。二階からはすごい声が響いているし、ドタドタという足音がする。おまけに、しまっていたおいたはずのこたつが出ており、そこでテレビを観ながらゲラゲラと笑う奴がいる。おっさんか、お前は。

 

「おぉ、やっと起きたんだ、お前」

 

「お前じゃない、雷雨だ」

 

 そう言って俺はダイニングの椅子に座る。一応言うが、リビングとダイニングはつながっている。

 

 ところで、こいつの名前は何だったけ。うーん………

 

「雷雨、ほらご飯だよ」

 

「あぁ、ありがとう時雨」

 

 そんな事を考えているうちに、時雨がご飯を持ってきてくれた。ホカホカご飯に湯気が出ている味噌汁と卵焼きがあった。すごく美味しそうだ。だが、出てきたのは俺のやつだけ。他の奴らのは、どうしたんだ?

 

「なぁ、他の奴らのは無いのか?あいつのとか」

 

 そう言って俺はこたつにいる奴に向け、指を指す。すると俺の行動に気づいたのか、こたつにいる奴はむっとして

 

「あいつじゃない、江風だ!ちゃんと覚えとけよ」

と言って、握手を求めてきた。請われるがままに握手すると、強く握りしめてきた。痛い、痛い!おい、時雨助けてくれ。

 

「皆はもう食べたから、安心していいよ」

 

 さいでっか。じゃねぇ!おい、助けてくれよ時雨!

 

「それより、早くご飯食べなよ。冷めちゃうよ」

 

 なんで、今ご飯の事言うの!?っていうか、何で昨日みたいに心が読めないの!?直接言わなきゃいけないの!?

 

 

 この後、時雨に向けて直接助けを求めたら、助けてくれた。

 

 

「ごちそうさまでした」

 

「どう?お口に合った?」

 

「あぁ、とても美味しかったよ。久しぶりに食ったな、あんな飯」

 

「そうかい、それは良かった。海風と早起きして作った甲斐があったよ」

 

 

 そう言って、時雨は笑顔になる。本当にこの娘のような、美人さんな艦娘は笑顔が可愛らしい。ただ、この笑顔はどちらかといえば、うら若き少女というより、お母さんの笑顔だ。うん、みんなの。

 

「どうしたの、そんなに僕を見つめて」

 

「いや、お前って将来良いお嫁さんになるなーと思って」

 

「…照れるな、そんな事を言われたら」

 

 えへへと、時雨は笑う。こういうところは子供っぽいなと思ってしまう。そういえば、こいつらって何歳なの?と思ったので聞くと、「さぁ、そんな事考えた事ないなー。なにせ深海凄艦との戦いに無我夢中の感じだったからね」と答えられた。そこは、はぐらかしたりしないんだな。

 

 

 二階にある自分の部屋に入る。相変わらず、女の子の声が家中に聞こえてくる。もちろん、昨日までは静かだった二階も今やカオスの状態である。足音は車の音よりも大きく、もはや騒音だ。

 

 

 そんなところに俺の部屋がある。昨日までは辺りには、ギャンブルの戦略本や捨てるのが、面倒くさくて捨てていない物であふれかえっていた。しかし、そんな部屋は昨日来たあいつ等によって、きれいさっぱりなくなった。僅か二時間で俺の部屋に潜んでいたゴキブリやダニなどの生命体も容赦なく駆除された。無慈悲だった。

 

 隣の部屋から、複数人の女子たちの声がする。もしかして、これは女子トークか⁉そう思い、聞き耳をたててみると、やはりそうだった。

 

 俺は幼い頃から、女子と接するのが苦手だった。というのも、世間一般で言う乙女心?とかいうものがどういう事かわからなかったからだ。小学校の頃に母が、恋愛漫画を読んでいたことがある。正直言ってあれを男子に理解させるのは、厳しいんじゃないかと思うが。

 

 まぁそんな俺だからこそ、この娘らのような可憐な女子達が何を喋るか気になるのだ。所謂好奇心だ。俺は壁に耳を当て、隣の部屋からの声を聞いてみることにしてみた。

 

「ここの家って、広いですよね」

 

「そうだね。多少散らかっていたりする部屋があったりするけど、お皿の数とか布団の数とか、ちょうどあるしね。ここの家って住みやすいよね」

 

「さすがは……」

 

 

 俺はそっと壁から耳を遠ざけ、ベッドへとダイブした。

 

 言い知れぬ、もやもや感だけが俺を支配していた。おかしいな、女子トークってこんな居候している所の評価をするものだっけな。俺が思っていたのは、こう、ロマンチックな感じとか、ショッピングとかの計画を立てたりするものだと思っていたのに。俺がおかしいのかな?

 

「ええい、よくわからん!寝よっ」

 

    

 

 その後、時雨に起こされるまでの三時間、夢の中で俺はお菓子の家を食べていた。魔女は出てきていない。

 時雨からは、「君はどれだけ眠ればいいの!?」と言われた。以後、時雨による早寝早起き計画が俺にだけ行われた。最初は抵抗したが、鬼をも恐れさせるオーラが時雨から出てき始めたので、大人しく早寝早起きをし始めた。

 

 




ギャグって、読むぶんにはいいですけど、作るのって苦労しますね。
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