俺と白露型の日常   作:夜仙

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新キャラが登場します。
あと、今回は白露型は出ません。
ご了承ください。


2  ゲームセンターのクレーンゲームってかなり難しいよね

 学校が終わり、帰ろうとすると、友達の雪原に止められた。なんでも買い出しに行くから、ついてきてほしいということだ。昔の俺ならそういう暇がない(ギャンブルで)から断るところだが、今は逆にする事が無くて暇なため、雪原の誘いにのることにした。

 

 

 俺ら二人はここ横浜で一番の大きさを誇るデパートへと行った。雪原の買い物に付き合った後、ゲームセンターに行くためだ。

 

 

 ここはエコンホール。横浜で一番大きいデパートだ。雑貨、日用品、ゲームなど、ありとあらゆる物がここに売っていて、平日でも祝日でも人は満員である。

 

 そこに俺らは着いた。

 

「と〜ちゃ〜く」

 

「ヒュ〜〜」

 

 こんな事をアホみたいに言っているが、一応言っとこう。学校からここまでそんなにかからない。むしろ、家の方が遠い。しかも、俺らは自転車通学だから。十分ぐらいでここに着く。え、だったら、さっきの言葉いらなくね?と思うそこの君!ずばり、こういうのは気分だ!メモをしておけ。

 

「で、何買うんだお前」

 

「あぁ、これなんだけど」

 

 そう言って、雪原は俺にメモ用紙を見せた。そこには、布団一式と鍋四人分の具材が書かれている。だが、その文字は雪原の字にしては丸みをおびすぎていて、まるで、女の子の文字だった。

 

「なぁ、これってさ誰が書いたんだ?」

 

 それを聞いた雪原の顔に動揺の色が見えた。怪しい。一方の雪原はあたふたしている。分かりやすいな、おい。お前、絶対何かあったろ。

 

「何にもないよ、別に」

 

「本当か〜?」

 

「本当だって!」

 

 こいつ、いじくると面白い反応するから、ついやっちゃうんだな。にしても、ここまで本人がないと言ったらないか。しかし、こいつの反応は面白いな。よし、数日間はこれでからかってやろう。

 

 

「ねぇ、これとこれどっちが良いと思う?」

 

「ん、こっちじゃね。シンプルな色したやつよりも水玉のほうが良いだろ。…それにほら、この布団とか割と寝心地良さそうだし」

 

 

「鍋って何入れたらいいかな」

 

「ん〜。ちくわとかウインナーとかマグロとかだろ」

 

「…なぁ、最後だけ絶対おかしいよな」

 

「ん、どこが」

 

「自覚無し!?」

 

 

「これで買い物は終わりだね。寄りたい所どこ「ゲームセンター」…てすよねー」

 

 

 という事で俺らは今行きつけのゲームセンターにいる。ここはすごい種類が豊富で、その多さは横浜のどこを探しても見つからないレベルで、一部では聖地とまで呼ばれているらしい。その種類の多さのせいか、ここから発せられる音はこのエコンホールの三階にまで届いているという。恐ろしい。

 

「おっ、あれいいじゃん。あれ取ろうぜ」

 

 そう言って、雪原が指さしたのはお菓子の詰め入りがあるクレーンゲームだった。中にはポテトチップスやチョコレートなどがたくさん入っており、お菓子十年分となっていてもおかしくない量だった。そのせいもあってか、ゲーム機の大きさも通常のやつより大きい。

 

「おいおい、やめとけよ。こんなの取れるわけないだろ」

 

「いや、俺様を誰だと思っている?クレーンゲームマスター、雪原敏文だぞ!」

 

「えっ、なんて言った?」

 

「聞けよ!!」

 

 もちろん雪原の話は聞いていたが、視線がドラムの達人に行ってしまって、聞こえなくなっただけだ。決して聞いていないことはない。

 

「まぁいい。さぁ〜て、あれを取ってやるぜ〜!」

 

 雪原がゲーム機に百円玉を入れる音がする。あぁ、やるんだな〜。どうせ、撃沈するに決まって…

 

「ヤァフフフ〜!取れたぜ〜!」

 

 …へ?今なんて?取った。いやいや、空耳だ。あいつが宣言通りに取るなんて、そんなハイレベルなことある訳……

 

 そう思い、振り向くとあいつの手にあのお菓子の詰め合わせがあった。嘘だろ。

 

「ふっふ〜ん。どうよマスターの実力は」

 

「信じられない。あの駄目駄目雪原が取るなんて」

 

「…えっ、俺のことどう思っていたの?」

 

「フラグばかり建てる、駄目駄目雪原」

 

「ヒドイ!」

 

 この後、俺もあのクレーンゲームに挑んだが、取れなかった。雪原はそれをニヤニヤして見て、やがて、見てろと言わんばかりに別のゲームをやっていたが、結果は惨敗。その時は思いっきりゲラゲラと笑ってやった。ざまあみろ。

 

 

「ふぃー。疲れた」

 

「ほんと、久々に雷雨と遊んで楽しかったよ」

 

 俺ら二人は一時間ぐらいあそこで遊んでいた。馬鹿みたいに大笑いしたりして、まるで小学生のような無邪気で楽しんでいた。そのせいか、すごい疲れているのだ。

 

「じゃあ、俺こっちだから」

 

「おう、じゃあな雪原!」

 

 俺はあいつに別れを告げ、帰路に着こうとして、立ち止まった。

 

「…あのメモ誰が書いたんだ?」

 

 思わず口から出てしまった。それだけじゃない。あいつが買っていた布団一式は誰の物だ?あいつの家は両親が若くして亡くなって、住んでいるのはあいつのおじいちゃん、おばあちゃんしかいない。なのに何であいつは布団なんて買ったんだ?しかも、あれは女の子が好きそうなやつだ。さらに言うと、あいつが買っていった鍋にするための具とかも一人分多い。……どういうことだ。これは? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

 ふぅー。なんとかして、やり過ごした。あいつ意外と勘が良いからな。少し、ヒヤヒヤしたよ。まぁバレなかったかったうえ、あいつと久々に遊べたから、今日はいい日だ。

 

「おかえりなさい」

 

 そんなことを考えると、リビングの方から声が聞こえてきた。あのこの声だ。そう思った俺、雪原は荷物をかかえ、あのこのいる所へ向かう。あのこのための物を持って…

 

 




もちろん、雷雨は鍋にマグロを入れません。
あと、ちょっと今探偵小説にはまってて、その影響が出て、ちょっとシリアスが混じっていたような気がします……はい。
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