俺と白露型の日常   作:夜仙

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お気に入り五十人突破しました!ありがとうございます!これも読者の皆様のおかげです!…え?もうとっくに突破してるって?…とりあえず本編スタートしま〜す!!

 今回は前の話と比べるとかなり短いです。


7 世界で一番最強なのは案外心がピュアな奴かもしれない

 ピピッ

 

 うるさい目覚ましの音がする。もう起きろ、という事だろう。だが、断る!

 

 昨日は金曜日の学校でお疲れなんだ。そっとしておいてくれ。

 

 しかし、そんな願いも虚しくドアをノックする音が聞こえてくる。多分あいつ等だろう。しかし、なんであいつ等は俺にいちいち構ってくるのだろうか。正直寝させてほしい。

 

 だが、そんな想いもあいつ等にとってはささいな事。容赦なくノックしてくる。だが俺は負けない。負けてたまるもんか!

 

 そう思い、断固たる意思を固めた俺は寝ようと努力する。が、どんどんノックする音が激しくなっていく。

 

 バンバンバンバン

 

 だぁぁぁ、ウルセェーー!!

 

 

「やっと起きたね。雷雨」

 

「…時雨、お前が黒幕だろ」

 

「何の事やら」

 

「おい、とぼけんじゃねーぞ」

 

 もう俺には分かってんだぞ。春雨に今日家から一番近い映画館で全国の少女が絶対見ると言われるキューティーガールの映画をやるから、もし俺を起こしてきたら連れっていってもらいなよ、ってお前が言っているって報告してくれたからな。

 

「まぁ、いいや。それより朝ご飯出来たから、食べてね」

 

 おい、それよりって何だ、それよりって。俺にとっては大事な睡眠がなくなったんだぞ。

 

「あぁ、忙しい、忙しい」

 

 クソ、おとぼけですか、この野郎。後で覚えとけよ…あ、朝ご飯お汁粉だ。俺これ大好き。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キューティーガール、キューティーガール♪」

 

 春雨がいつにも増してウキウキしている。そんなに好きなのか?だって、春雨ってその見た目だと大体中学生ぐらいじゃないか。それが小学校低学年がギリのキューティガールを見に映画館に行くなんて考えられないけどな。

 

「そんなに好きなのか?キューティーガール」

 

「えぇ大好きです!」

 

 うわ〜、眩しい笑顔。こんな顔を見たら、子供の純粋さがいかに凄いかがよく分かる。

 

「春雨は昔っからキューティガールが好きなんですよ」

 

 ふーん、そうか。

 

「ところでさ」

 

「はい」

 

「何で村雨も一緒に来てんの?」

 

「えぇ〜そうなります!?」

 

「うん。だってなんかさり気に付いて来ているから、今まで放置してたけどさ」

 

「放置されてたんですか私!?」

 

 うん。というか声には出さないけど、君かなりキャラ変わってない?前そんな感じじゃなかったよね。

 

「まぁ、あれだ。お前帰っていいよ」

 

「ひどい!私は帰りませんからね!」

 

「あ、もうすぐ映画館ですよ!」

 

「そうか。もうすぐか」

 

「ガン無視してませーん!?」

 

 

 

 

 

〜映画館内〜

 

 久々に近くの映画館に行ったが、やはりあまり帰っていない。入り口に売ってある百二十円の塩味のポップコーンを頬張る。ふと辺りを食いながら見渡す。辺りは真っ暗になっていて隣に座っている筈の村雨と春雨が見れない。まるで黒いカーテンに覆われているみたいだ。

 

「もうすぐですよ!」

 

 うん。分かったから。君がこの映画がどれだけ好きかと言うのは十分分かったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜映画館外〜

 

「面白かったです!!」

 

「そうね。まさかああいう展開になるなんて」

 

 今、元艦娘で女子中学生と見られてもおかしくない二人が俺を挟んでキューティーガールの映画の感想を言い合ってます。

 

 まぁでも二人が言っている通り確かに映画は面白かった。…ちょっと誤解を招くかもしれないがしょうがない。だって、初っ端からキューティガールが変身するのに必要なルビーベルトが近所のパン屋さんに奪われ、そこからの敵登場でボコボコにされ、入院生活を送って、そこから這い上がってボクシング選手への道を歩んでいくという全国の親御さんにとって「これ見せて大丈夫?」という内容だった。もちろん最後はキューティーガールに変身でき、ラスボスの首筋に手刀で倒して終わった。そん時の俺は思わず「手刀って…」と思ってしまったな。だって普通そこはビームとかで決めるところじゃない?

 

「面白かったですよね雷雨君?」

 

「あぁ面白かったよ」

 

「ですよね!!」

 

 多分春雨は俺の感じている面白さじゃないところに面白さを感じたんだろうな。

 

「…」

 

…ん?どうした村雨?何かずっと会話に入っていないけど。

 

「どうした?まさか財布でもなくしたのか?」

 

「違います」

 

「じゃあなんだ。トイレか?」

 

「…雷雨君それあまり言わない方がいいですよ」

 

 なんだよ。そんな急に睨んで…。

 

「でなんだ?」

 

「いえ、あそこに知り合いが居たので」

 

 そうか、それは偶然だなー。

 

「だったら行ってきなよ。待ってるから」

 

「はい。わかりました。それじゃあ」

 

 そう言って、村雨は足早に知り合いがいるというベンチに行った。

 

 ふと春雨の方を見ると、村雨の行ったところを見ている。

 

 その視線の先を見ると、村雨とその知り合いの女の子の所を見ていた。もしかして行きたいのか?

 

「春雨、行きたいならお前も行っていいんだぞ?」

 

「いえいえ私はいいです」

 

「いや別に遠慮しなくていいぞ」

 

 そう言うと俺の耳に春雨は顔を近づけ、ゴニョゴニョ声で

 

「姉さんは気付いていないんですが、彼氏と一緒なので行きにくいといいますか」

 

 ほぉ彼氏か…確かに近寄り難いな。

 

「ところでその知り合いと彼氏は何処なんだ?」

 

「あそこです」

 

 春雨はある男女に指を指す。その指先が案内した先には村雨のいう知り合いの女の子らしき人がいて、その右隣に村雨がいる。一方の男性は…

 

「あれ?あいつって…まさか!」  

 

「ちょっ!?雷雨君!?」

 

 

 俺は春雨の言葉を無視し、その彼氏ぽいやつのところへダッシュで向かった。

   

   




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