すいません、残業続きで中々書けませんでした…。
前回のタイトル文化祭なのに、今回は準備の話です。
サブタイトルと話が噛み合わないのは、ご愛嬌だと思っていただけると幸いです。
「分担は、私がパンフレットの印刷、Sayoriがパンフレットのデザイン、natsukiがカップケーキで、 yuriが飾り付け担当でいい?」
遅れて部室にやってきた僕らは、早速詩の朗読を提案し、当然のように採用された。もう4回とも通ってる案なんだから当然だね。
ただ、4回目とはいえ初めてな部分もある。
それが__
「うーん、パンフレットのデザインついでに、私が印刷もしちゃおうと思うんだけど、どうかなMonika?」
___我らが副部長Sayoriさんです。4回目にして初参加、俄然やる気な
「いいの?私は助かるけど、Sayoriの負担が大きくなるのよ?」
「うん、文芸部の出し物の申請とかMonikaには、色々仕事があるだろうからこれくらいは私がやるよ」
「あるにはあるけど…本当にいいの?」
「えへへ、任せてよ」
「じゃあ、お願いするわね」
「一人だと量が多いだろうから僕も手伝うよ」
Sayoriは、すぐ一人で抱え込む癖があるから僕が付いてないと徹夜とか平気でやりそうだからね。それに、紙の束は意外と重いし、男手が必要だろう。
「え?いいの?」
Sayoriは目を丸くして、少し驚いた表情を浮かべている。
驚くようなことじゃないだろうに。
「Sayoriはすぐに無理するからね」
照れ隠しのように言ってはいるが、正直Sayoriが無理しがちなのは本当だ。僕がよく見ておかないと。
「えへへ、kenichiくんらしいね」
………まあ、照れ隠しもなくはないけど。
「…………。」
「(ハッとした表情)」
「ねぇ、natsukiとyuriの人手は足りてる?」
……Monikaさん、どうしてわざわざ火種を落とすの…?
なんでまた、2週目を繰り返そうとするの?バカなの?死ぬの…おや…?
「そうね…yuri、私たちも一緒に作業しましょうか」
「え?で、でもnatsukiちゃんはカップケーキを作らなきゃいけないでしょ…?」
「手の空いた時間は飾り付けを手伝うわ」
「それだと、natsukiちゃんが大変じゃない…?」
「それなら、飾り付けが早く終わったら、カップケーキを作るのを手伝ってちょうだい」
「で、でも…」
「それとも……私と二人は、嫌?」
「……ううん、楽しみっ」
キマシタワー。
natsukiの子犬のような眼差しにyuriは折れ、僕は仰げば尊死だ。
あゝ、安心した…。
あっちで企みが破れて、『ぐぬぬ…。』の表情をしているMonikaさんには、文化祭前は休んでいてもらおう。最近色々あって忙しそうだったし。
……それに、この時期にMonikaが動くとロクなことがない。
「それで、朗読する詩はどうする?」
「そうだね、それを決めないとパンフレットのデザインも決めにくいね」
「詩自体は各々自作のものを用意するとして、問題はテーマを分けるか、統一するかだね」
と言っても、みんなの詩の傾向は把握してる。
みんな似たり寄ったりで不穏な空気を醸し出しはするものの、概ね誰もテーマが被りはしなさそうだ。
あ、yuriには僕の声聞こえないんだっけ。
おや、natsukiが伝えてくれていたみたいだ。
よく気がつくなぁ…さすがnatsuki。
というか、あの二人今日はもの凄く距離近いな。まあ、幸せならokです!
「とりあえず、全員自分の考えるテーマを出してみましょうか」
いつの間にか復活したMonikaが、場を仕切ってくれた。
さすが部長!仕切るのが上手!素敵!抱いて!
「例えば…私は、恋愛で詩を書こうかしら」
Monikaが恋愛…?あの宇宙人みたいな抽象的な詩しか書かなかったMonikaが?
「えへへ、じゃあ私も恋愛で書いてみようかな」
Sayoriが恋愛…!?メンヘラポップで元気に見せかけた鬱々とした詩ばっかり書いてたSayoriが!?
「…私も恋愛に挑戦してみようかな」
yuriが恋愛!?ナイフ…リスカ…血……?うっ、頭が…。(トラウマ発生)
「みんな恋愛で詩を書くなら私も書いてみるわ」
natsukiは…うん、納得。キャラ通り(メタ発言)
え?僕?僕はほら、当日のお楽しみだよ。(恋愛ガチ勢)
満場一致で恋愛になるとは思わなかった…。
でもまあ、恋愛にだって色々あるし、純愛もあれば、悲愛もあるし、プラトニックラブやら、なんなら不倫だって恋愛だ。
同じ恋愛で、人が変われば詩も変わる。きっと文化祭は面白くなるだろう。
「これで文化祭のテーマは決まったわね」
「早速、これから各自で文化祭用の詩を書いてみましょうか」
***
「……ichiくん……kenichiくん?」
「あれ、Sayori…?」
揺さぶられる感覚で目が覚めた。
いつの間にか、他のみんなの姿がない。
「もー、こんなところで寝ると風邪ひくよ?」
どうやら詩を考えてる途中で眠ってしまったらしい。
僕の気持ちを用紙一枚にまとめるのは、中々難しいようだ。
うわ、なんだあの卒論みたいな紙の束…。
……僕の詩だ、これ。
「んー…他のみんなは?」
「yuriちゃんは、あんまり遅くなると悪いからって、natsukiちゃんが家に帰しちゃった。natsukiちゃんは、yuriちゃん送ってから帰るって」
「Monikaは戸締りしなきゃだからって、先生に鍵を借りに行ったよ」
ヤダ、natsukiちゃんったらイケメン…!
「で、Sayoriは僕を起こす係か」
時間ギリギリまで僕を寝かせてくれるあたり、Sayoriらしい甘さだ。
「うん、kenichiくんも起きたことだし、帰ろうか」
「え、いや、Monikaを待たなくてもいいの?」
「どうして待つの?」
「せっかく帰るタイミングが同じなんだから」
待たないのが至極当然だと言わんばかりの反応だ。
まあ、前回のことを考えると真っ当な反応なんだけど…どうにかして、また仲良くなってもらえないものか…。
「……だ、だって…久しぶりの二人きりなんだもん…」
「一緒に帰ろ…?」
なんだ僕と二人で帰りたいだけか…。
確かに、最近時間が合わないせいでSayoriと二人でいることがなかったっけ。
せっかくだし、パンフレットのデザインの話もしながら帰ろうかな。
「そうだね、帰ろ 「あら、目が覚めたのね。kenichiくん」
お、Monikaだ。
息切れしてるけど、鍵取りに行くのに走って行ったのかな?
……? Sayoriが頬膨らませて唸ってる。なにかあったのかな?
「二人とも帰るなら一緒に帰りましょう?」
「そうしようか、Sayori」
「やだ」
「うん、わかっ……え?」
よし、帰……?え、嫌なの?
一体なにが不満なんだろう…。
これが下校拒否ってやつか…。
「kenichiくんと二人で帰りたい」
「え、えぇ…それは嬉しいけど…」
「ふーん、嬉しいんだ」
しまった、つい本音が。Monikaに睨まれました…。
僕が責められるムードはまずい、軌道修正しないと。
「えっと…あー、Monikaが居てもいいんじゃない?」
「む、kenichiくんはMonikaの味方なの?」
「いや、味方とかそういうのでは…」
「そうよ、せっかく三人居るのだから、三人で帰ろうって言ってるだけよ」
「もー!逆だよ、逆!せっかく久しぶりの『ドキッ!二人きりの帰り道 〜幼馴染編〜』 なんだから、邪魔しないでよ!ずっと楽しみにしてたんだから!」
「なに言ってんのSayori…」
幼馴染編って…ヤバいギャルゲームかな?
「その気持ちは痛いほどわかるわ…」
「えぇ!?わかるの!?」
意味わからない!助けてnatsuki(ツッコミ担当)!
「でしょ?わかったら、ここは譲って」
「でも、譲れないものもあるのよ…!」
「ま、まあまあ…今日のところは三人で帰ろうよ」
「えぇ〜…kenichiくんに聞きたいことがあるんだけどなぁ…」
「また今度ゆっくりね」
「むーーー…絶対だよ?」
「うん、指切りげんまんでもしようか?」
「うん!やろやろ!」
「ゴホン、二人の世界に入らないで欲しいんだけど」
Monikaがじっとりと睨みつけてきていた。
二人の世界に入ってはいないと思うんだけど…。
「んふふー、Monika羨ましいんだー」
「当たり前でしょ」
「「え」」
「あ」
「ち、ちがうわよ!話に混ざれないのが寂しかっただけで!もうkenichiくん!そんな微笑ましそうに見ないでよ!Sayoriもその『持っていきやがった…』みたいな目やめて!」
「持っていきやがった…」
「口にも出さないで!」
なんとも賑やかな帰路だった。この二人実は仲良いよね。
空は夕陽に染まる。人生初の文化祭はもうすぐそこまで迫っている。
みんなの記憶に残るような、素敵な文化祭にするために…。
あぁ…今回こそ、なにも起こりませんように…。
相変わらずの亀更新ですが、お気に入りも早いもので、70件です。
大変励みになります。いつもありがとうございます。