危なかったぜー。
ー武装戦線・河内鉄生ー
バイト先の店が昼時でクソ忙しい中、店長から俺に来客との知らせが。…ったく誰だよ! このクソ忙しい時に来るバカヤローは! 店長に頭を下げ、イライラしながら裏へ回ると…、
「よっ、鉄生。すまなかったな、…仕事中によ。」
俺の愛する武装戦線の副ヘッド、柳臣次がいた。…柳のアニキに失礼な態度を取ってしまったが、俺が悪いと笑って許してくれたアニキはマジでアニキだった。
…で俺を訪ねてきた理由を聞けば、鈴蘭の一年戦争を制したのは月島花という男で知っているかどーかを聞かれた。とりあえずは知っている、それほど詳しくはねーけど由紀也から聞いている。優勝したってーのは聞いてねーけどな! …あの野郎、テキトーに教えてきやがったな! 昨日の由紀也の態度を思い出しイラつく俺だが、柳のアニキには知っている限りのネタを提供した。
全てを聞いた柳のアニキは、
「…ほー、あの由紀也が目を付けた男か。…
月島花に興味を持ったようで、頻りに頷いては何かを考えている。そして…、
「将五は勿論、…明の奴も熱くなる話だな。あいつ等にとっちゃー避けては通れねー存在になるだろうよ。」
元ネタが由紀也であること、それを合わせても同世代なら熱くなるだろうな。そこから軽く由紀也の話になり、鈴蘭にて龍光寺一派を旗揚げしたってーのを知るとあからさまに落胆した柳のアニキ。…そりゃまぁウチに来てくれりゃー心強いってーのもあるけどよ、次世代の俺を前にそりゃねーだろアニキ。
…柳のアニキとひと悶着があった後、逃げていくアニキの背を見ながら思う。…月島花、…由紀也が気にする男。いずれこの目で見てみたいもんだぜ! …と。
────────────────────
ー鳳仙学園・三浦悟ー
鈴蘭の一年戦争、それを制した男の情報を入手した俺は指導室へと向かう。真島先輩と光義先輩がいるから向かうわけで、…本当なら行きたくはない。真島先輩はともかく、光義先輩が恐いからだ。…どうせ二時間ドラマを見ている、…見ているからこそ光義先輩が恐いのだ。
一年戦争の結果が分かり次第教えろ…と、確かに光義先輩は俺に言った。…だが、二時間ドラマを視聴している時に言えば怒鳴られる。しかし、終わるのを待ってから言えばやはり怒鳴られる。『何で早く教えねーんだバカヤロー!!』と、理不尽の塊なんだよな…あの人。
嫌々ながらも指導室へと入り、一年戦争を制したのはツキシマハナという男。そのことを伝えれば、真島先輩は興味を示して色々と聞いてきた。しかし…、
「おい、お前等…。今…、殺人トリックを明かすいいところだろーが。…くだらねー話は外でやれ、このバカが!!」
光義先輩が青筋立ててそう言ってきた。…くだらねーってさ、アンタが教えろと言っていたんでしょーが!! と言う言葉を飲み込む。真島先輩は顔が引きつりつつも…、
「悪ぃな三浦、…また後で聞かせてくれや。」
という温かな言葉を頂いたわけで、真島先輩…あざーッス!
指導室での出来事を光政と大谷に言えば、
「義兄ぃはドラマを見ている時に限ってはクソヤローだからな、箸が転がっただけでもキレまくるぜ。」
「俺なんかサスペンスよりも新ドラマが良い…って話してたらよー、…突如現れて殴られたんだぜ?」
……二人も苦労しているんだな。…ドラマが絡まなきゃ、良い先輩なんだけどなー。
次は鈴蘭の誰かになると思う。