ー龍光寺由紀也ー
見応えのあるタイマンだったぜ、やるな…黒澤! トドメを刺す時に言った言葉も良かった。一匹狼で目付きが悪い人だが、…何とも熱い男のようだ。晴れ晴れとした顔で戻ってきた時、周囲の奴等が寄って
黒澤の勝利で鈴蘭の二勝、この勢いのままで三勝目を狙って欲しい。…とのことで、次の代表であるブッチャーに期待させて貰う。見てみりゃー気合十分、負ける気がないようだ。中心へ行く前に黒澤から一言言われたかと思ったら、続いて原田…そして俺ん
「お前、金借りすぎだろ! コケやがったら俺の貸した四千円、耳揃えて返しやがれ!!」
と叫んでいた。…ブッチャー、…本当に金の借りすぎだろ。何に使っているんだ?
タイマンを始める前にちょいとあったがブッチャーは前へ、相手は二年の月本光義。これもまた因縁ある二人だわな、二人揃って短気だし揉め事を何回も起こしているらしいし。そういう因縁があるからな、どちらも負けるわけにはいかねー筈。意地のぶつかり合い、…どうなるもんかね?
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ー神戸好克ー
気合十分、勝つ気で向かおうとしたわし。そんなわしに黒澤と原田、そして川尻が負けたら金を返せと言ってきやがった。絶対に負けられねー戦いへ向かうわしに対して、そりゃーないんじゃないかい? と思った。しかしなおのこと負けられねーと気合が入った状態で光義の前へ、睨み付けて改めて思う。コイツにゃ負けるわけにはいかんのじゃ!
睨み合ったわしと光義、互いに言うこともなく組み合う。力と力が競い合う中、光義の奴が挑発してきたが流して更に力を入れる。…わしの方が力を入れるタイミングが早かった、…となれば光義の方が不利になるわけなのだが。
わしが有利となった瞬間、卑怯にもこのハゲはわしの腹に膝を入れてきやがった! カチンときたわしは組んでいた手を放し、光義の顔面を力任せにぶん殴る。奴は一歩下がるも堪え、その反動を利用して蹴りを放ってきた。その蹴りを堪えきったわしも、足を踏み出してもう一度ぶん殴る。そこからは意地の張り合いで殴り合い、わしも光義も…一歩も退くことなくそれを繰り広げた。
殴りまくったからか息が上がり手が止まってしまった、…マズイ! と思ったが光義もわしと同じようで手が止まっとる。それでもわし等は意地を張る、まだまだ余裕…と見せる為に互いの襟元を掴み合って、
「…じゃーわりゃーっ!!」
「…ーだってめーっ!!」
至近距離でメンチを切り合う。…まだまだこれからじゃい!!
…数秒? それとも数分? どれくらいの間、…わし等は殴り合っていたのか? 全く分からんがわしは負けねー! 更に熱くなるわしは猛攻を仕掛ける。当然…光義も応戦するが残念なことに、わしは熱くなりながらも冷静で…。光義渾身の一撃を見切り、避けると同時に懐へと飛び込む。
驚愕に染まっとるヒマはないぜ、光義!! そのまま襟元を掴み、背負い投げという…!
「食らえっ! 必殺…火炎車ーっ!!」
わしの必殺技である火炎車が綺麗に決まった。地面に投げられた光義は白目を剥いとる、…ちゅーことは!
「ウィィーーーーッ!!」
わしの勝利じゃー!!
宿敵光義を撃破したわしは、仲間の下へと凱旋する。
「ざっとこんなもんじゃい! デッシェシェシェシェ……!!」
…あれ? …目の前が白く、……白くなってきとるがなっ!?
次は閑話。