小林政成が龍光寺由紀也に捕まり、コブラツイストを掛けられて悲鳴を上げている頃……、
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ー月本光政ー
俺は言葉を失った、信兄ぃが一瞬でやられちまったからだ。信兄ぃが龍光寺に拳を突き出したと思ったら、いつの間にか龍光寺が信兄ぃの後ろにいて…。気付いたら信兄ぃが崩れ落ちていた、…一体何が起きたんだ? 見逃した月島の時とは違う、この目でしっかりと見ていたのに分からなかった。
あれが猟犬龍光寺由紀也、…強い! 月島も十分脅威的だが、この龍光寺は次元が違う。こんな奴等が同世代、…ビビるどころか燃えてくる。少しでも近付けるように気合を入れていかねーと!
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ー月島花ー
初めて会った時から強いと思っていた、けど…これ程のものとは思わなかった。流れるように拳を避けてからの肘鉄、何とか見ることが出来た。それほどの速攻を目にして、握った拳に力が入る。九里虎さん級の圧を感じたよ、…あの消える蹴りと同じような感じ?
蓮次、迫田、八板、尾崎、村川。その五人を見れば、少し顔を青くして微妙に震えている? …そういえばこの五人、龍光寺を知っているんだっけ? …やり合った時のことを思い出しているのかな? …まぁどちらにせよ、いつかはやり合う龍光寺の実力が見れたんだ! …やり合う未来を思い浮かべれば、…ワクワクが止まらないね!
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ー世良直樹ー
龍光寺の野郎、…あの時よりも強くなっていやがる! 率直にそう思った。中学時代に蓮次とつるんでは、龍光寺と迫田の二人とやり合っていた。迫田とは互角にやり合えていたが、龍光寺にだけは勝つことが出来なかった。…高校に上がり実力を磨き、いずれリベンジを…と思っていたんだがな。
それに中島さんが…、
「龍光寺の奴はやっぱり強い、…あの九里虎と並ぶかもな。…九里虎の一強はこれで終い…か。」
そんなことを呟いていた。花木九里虎と互角、…あり得ねーとは言えねーのが恐ろしいぜ。
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ー加東秀吉ー
…由紀也、…久々にお前の強さをこの目にしたぜ。…お前はどんな相手にも怯まず、正面から来る奴を真っ向から粉砕してきたよな? 下手な小細工をしようものなら、同じように小細工をして相手を追い詰める。目には目を、歯には歯を。お前はそれを実践してきた、…正直スゲーと思う。
お前の喧嘩を見た後は心が熱くなっていた、何故か力がみなぎってくるんだよな。…今回もソレだ、あのキングジョーとやり合うってーのによ。どーしてか負ける気がしねーんだわ、勿論…勝てる気もしねー。この感覚も久々だ、無駄に熱く…血が騒ぐってーのかね? …まっ、とにかくだ。早くキングジョーとやり合いたい、それに尽きる。…今度は俺のタイマンを見せるからよ、しっかりと見ててくれよな…由紀也!
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ー河内鉄生ー
俺の作戦は大成功だった。モテない男の集まりである鈴蘭の連中、そんな奴等の前に翼と行きゃー嫉妬される。そして翼が由紀也の彼女だと声高らかに言えば…、彼氏である由紀也が猛烈に嫉妬されるわけで。その結果、由紀也が代表となってタイマンをするってことになった。俺の頭脳も捨てたもんじゃねーな!
…で、鳳仙の光信っておっさんとタイマンを張った由紀也は圧勝! 圧倒的な強さの前に殆んどの奴等が間抜け面、ケケケ…自分のことのように誇らしいぜ! 翼も由紀也の勇姿にご機嫌だし、良いことずくめだな!
…と思った矢先、鈴蘭のマサが由紀也に追っかけ回されている姿を見て血の気が引いた。……アレは未来の俺なのでは? …と。翼も俺と同じことを思ったみたいで喜びから一転、…視線をさ迷わせてめっちゃ挙動不審になり始めた。
俺と翼は互いに顔を見合わせて頷く、…とりあえず逃げよう!
…俺達は人知れず、この場から立ち去ることに成功した。
次は本編。