『漆黒の蠍』っつーストリートギャングに
一気に壊滅状態となった俺達、ブッチャーがいない今…俺がしっかりしねーと。そう決意した時、龍光寺ん所の伊東に呼び出された。こんな時に呼ぶんじゃねーよ! と思ったが、呼ばれたからには行くしかねー。…で行ってみれば、伊東の他に原田もいやがった。何で原田がいるんだよ、そう聞こうとしたがその前に、
「役者が揃ったみてーだからよ、今回の件で俺等が調べ上げた情報を教えてやる。…由紀也に感謝しろよ?」
と伊東が言ってきた。…今回の件? 龍光寺に感謝? ……蠍のことか?
…で聞いてみれば、トンデモねーことを聞かされた。
…伴が裏切り者、…そう考えれば今回の件で俺達が各個撃破された謎が解ける。間近で見てりゃーブッチャーが一人になることも、それぞれが何人で何処にいるのかも分かる。そりゃー襲撃しやすいわ、…手足も出ねー筈だわ。………身内に裏切り者、こりゃー堪えるわ。…ブッチャーもショックを受けるだろう、……チクショー!!
打ち沈む俺の肩に原田が手を置き、無言で見詰めてくる。…コイツなりに慰めているんだろう、…すまねー原田。重い雰囲気になるが、伊東の奴が続けて…、
「…伴の奴は今日も蠍とつるむようだぜ? 永田駅近くに
そう言ってからこの場を去っていった。
…永田駅の近くか、…行くしかねーだろーな。もし…、そこに伴がいたら…。問答無用でやるしかねー、…ブッチャーの代わりに俺が。…そうと決めたらすぐにでも動かなきゃならねー、…だが俺達は壊滅状態。なら…、俺が今…やるべきことは、
「…原田、俺達に力を貸してくれ。…けじめを、…俺達にけじめを付けさせてくれ!」
隣にいる原田に頭を下げること。逃さず確実にやるとしたら人数がな、…力を借りるしか方法がねー。
誠意を込めて頭を下げる俺に原田は、
「…分かっている。…言われなくても力を貸すぜ、…深町。」
力を貸すと言ってくれた。すまねー原田、この借りはきっと返す。…ブッチャー共々な!
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原田に力を借り永田駅近くを探ってみれば、蠍の奴等と共にいる伴を見付けた。……伴、…お前は! 原田も伴を見て顔をしかめ、俺は怒りで身体が震える。…冷静を心懸ける俺でも今回は無理だ、…潰してやるぞ伴!
真っ先に飛び出す俺に、
「ふ…深町!?」
伴は気付いて驚く。それにつられて蠍の奴等も俺に気付くが眼中にない、…俺の獲物は伴一人!
「…伴!!」
ガッ!!
「…ぐはっ!?」
勢いのままに殴り掛かり伴をぶっ飛ばす。周りの奴等が騒ぎ立てるが関係ねー、雑魚は仲間と原田達がやってくれる! 俺はぶっ飛んだ伴に突っ込む。
「この…クソバカがっ!!」
ズドッ!!
「…ぐぁっ!?」
倒れている伴を蹴り上げる。蹴り上げた伴を掴み、無理矢理立たせればコイツは…、
「オ…オレはやりたくてやったんじゃねー! 鎌田と田原に脅されて仕方なく…!!」
あの二人のせいにして言い逃れよーとする。…伴、…テメェは腐りまくっていやがる!
「…このっ!」
ボガッ!!
「…がはっ!?」
顔をぶん殴ってぶっ飛ばし、倒れる伴へ馬乗りとなり、
「…ブッチャーが! …俺が! …俺達が! …どんな気持ちか分かっているのか! …伴!!」
ゴッ! ガッ! バキッ!
「…………っ!!?」
心の内を吐き出しながら殴りまくった。
…途中で原田に止められ、…冷静になった俺は、
「…本当にすまねー原田、…ありがとう。」
心の底から礼を言った。
次も閑話。
次回で蠍は終わり。