ー龍光寺由紀也ー
康明ちゃんと久しぶりに会った日から数日後、鳳仙にて月本光政とキングジョーがタイマンをしたらしい。復活した川尻先輩からの情報だ、…何処で聞いてきたんだか。結果は光政の負け、そこは当然のことだろう。
「…無謀ではあったが、…意味のある敗北ってことッスね。」
「…だな! 今回のことを機に光政、いや…月光兄弟を中心に纏まるだろうさ!」
猪瀬と伊東先輩の言うように意味のある敗北、これから強くなるぞ? …鳳仙学園はよ。
そして更に数日後、将五から連絡があった。
『昔の友人絡みで狂屋と揉めそうなんだ。』
詳しく聞いてみれば、将五の友人が狂屋の奴にやられて指を折った。犯人は狂屋の幹部である寺門という男、今から奴等の動きを監視して動いたのなら…と。それで電話を終えたわけだが、…なるほど。狂屋は良いチームであると認識しているが、中にはそーでもねー奴がいるようだ。将五の友人は喧嘩とは無縁の高校球児、…素人相手にやらかすとは頭の石河さんが嘆くぞ?
…聞かされたからにゃ動いてやろうか、…将五も狂屋に話を通して欲しいから連絡をしてきたんだと思うしな。え~と…、石河さんの電話番号は…っと。
狂屋の頭である石河高史、その人に電話をし事情を話す。武装の若い者に幹部の寺門がやられたのなら、それには理由があるから報復はしないでくれと。理由を聞かれたから俺の知っていることを全て話す、それを聞いた石河さんは怒りまくる。
『もしそれが本当のことだったら、…俺達狂屋の名が泣く! 寺門の野郎、ただじゃおかねー!!』
電話越しに叫ばれ、…耳がキーンッとなった。…が、石河さんは報復をしないと約束してくれたんで良しとしよう。
しかし理由はどうあれ、もし…寺門がやらかし将五にやられたとなったら
話は纏まり電話を切った俺、しかしすぐに鳴り響き…相手は金。…ってことはだ、
『…狂屋の寺門達が案の定絡みやがって、将五の奴が寺門を半殺しにしちまった!』
…そうでしょうねー! …ったく、また連絡しなきゃなんねーじゃねーか! 事が起きるの早すぎるわ!
そしてその日の夜、…とある場所にて話し合いの場が設けられた。集まったのは屍を抜かした四チーム、百鬼、四代目狂屋、慚愧の虎、六代目武装戦線。それぞれ二名ずつで参加しており、この場を仕切るのが…、
「本日…、この話し合いの場に参加して頂きありがとうございます。今回この場を仕切ることになりました龍光寺由紀也です、…どうぞよろしく。」
この俺になってしまった。言い出しっぺであることと、各チームと浅からぬ縁があるってことでね。まぁそれぞれの頭とは知り合いだからな、…仕方ないっちゃ仕方ないのか? 分からんけども。
とりあえず、この場を設けた理由を話す。きっかけは狂屋の幹部である寺門と他数名、揉め事を仲裁した将五の友人を襲い指を折った。しかもその友人は喧嘩と無縁の高校球児、更に後日…脅しを掛けて金をぶん取ろうとしたらしい。そしてそれを察知した武装の将五と他二名が乱入、寺門と他数名を半殺しにした。
そして理由はあるにしても今回の件は、五国休戦協定を破ることになり抗争に発展しかねない事態であること。理由を然程知らない下の者達が暴走する前に、上の者達でまず話し合おう…と。そう説明すると、それぞれの頭と付き人が妙に感心した様子で俺を見ていた。
この話の中で、狂屋の頭である石河は良い奴です。