ダンジョンに最強の先輩がいるのは間違っているだろうか『リメイク』 作:厨二病なりかけ
「じゃあ、入ってもらうで〜」
そう言って連れられた先には、団長が使っている執務室に連れられ、その部屋には三人の冒険者らしき者達がいた。
「紹介するで〜。真ん中に立っている金髪で小さい奴がロキファミリアの団長であるフィンディムナや。そしてその横にいる美人で、緑色の髪をしているのが、副団長でありハイエルフであるリヴェリア・リヨス・アールヴ。そして、残りの一人はドワーフで、幹部をやっとるガレスや。三人ともレベルは5で、第一級冒険者や」
「紹介ありがとうございます。では、三人をどう呼べばいいでしょうか?」
「そんなかしこまらなくていいよ、僕のことは団長か、フィン、と呼んでも構わないよ。それにしてもロキ、勝手に団員を増やさないでほしいな。どのような人物かは詳しくないんだろう?」
「まあ、そうやけど、九鬼斗はアイズたんを超える逸材という他ないで。このステイタスを見てみ」
そうして、三人はステイタスに視線を落とした。
「「「は?」」」
「ふっ、これは確かにすごい逸材だ。これからよろしく。それと君の場合はすぐにでも幹部になるだろう。期待しているよ」
「ありがとうございます団長」
フィンは団長と呼ぶのだと了承した。
「では挨拶が遅れたが、私も君のことは高く評価している。しかし、力だけがあってもダンジョンは攻略できない。これからは私が君にダンジョンに関する知識を与えよう。私のことはリヴェリアとでも呼ぶといい」
「分かりました。これから教わらせていただきます。リヴェリア」
「うむ、いい返事だ」
「では最後に儂じゃな。儂はフィンに比べたら少し時間に余裕があるからのう。御主には直接稽古をつけてやろう。ガレスとでも呼ぶがいい」
「それは魅力的な提案ですね。おじいちゃんには勝てなかったですが、神の恩恵を手に入れたから、少しは同じ土俵にたてるような気がします」
「ん、君のおじいちゃんって一体何者なんだい?」
「天神 竜馬ですけど」
「「「え〜!」」」
「な、驚いたやろ?」
「これは、彼のステイタスの異常さにも少しは納得できるね。天神なんて名前そうあったもんじゃないから、もしかしたらとは思ったけどあの『剣聖』の孫か〜」
「恐らくこの『剣聖』というスキルもそこから来たのではないだろうか。あの人のことだ。戦闘技術は教えていたのだろう」
「がはは、これは凄い逸材が来たもんじゃの〜」
と順にフィン、リヴェリア、ガレスの感嘆の言葉。
「おじいちゃんってそんな有名だったんですか?」
「ああ、ものすごく有名だとも、レベル5の身で、推定レベル7のモンスターを単独で倒したという伝説を残した冒険者だからね。彼はまだ生きているのかい?」
「はい、元気に生きてます」
「それと、彼は君に剣技等の戦闘技術を教えたかい?」
「はい、おじいちゃんが持っていた全ての技術、奥義等も教えてもらいました。おじいちゃんには流石に勝てなかったけど、駆け引きや技の点だったら、僕の方が強いと思います。おじいちゃん以外にも武の神達に、武技を教わってマスターしましたから」
「本当にその年で規格外だね。まあ、なにはともあれ、これからよろしく九鬼斗」
「よろしくお願いします」
「これからは僕達三人で、君に必要なことを教えていこう。僕はリーダーとしてパーティーを率いる時に必要な技術を」
「私は先ほど言った通り、ダンジョンに関する知識を、そして魔法についても教えてやろう。しかし、他にも教えている者がいるからその者と一緒にという形になる。この子とも仲良くしてやってくれ。君の方が少し年上だからな」
「儂はさっき言った通り、稽古を。時々、リヴェリアが言っていたあの子とも稽古をつけないといかんから、顔を合わせることも多いだろう、まあ、仲良くしてやってほしい」
「まあ、仲良くできるなら、仲良くしたいですけど」
こうして九鬼斗の特訓は始まった。
まず、ギルドへ行き冒険者登録を済ませ、持ち前の頭脳を活かし、リヴェリアからの教えも直ぐに理解し、一週間の間に『下層』までの情報も完全に把握した。この一週間の間に九鬼斗はある金髪の可愛い子とも話し合う中となった。名はアイズという。彼女は九鬼斗に聞いた。
「何故そこまで、学習能力が高いの?私にはそこまで早く学べる自信がない。リヴェリアもテストで一定以上の点数を取らないとダンジョンに行かせてくれないし。何か早く学ぶコツでもあるの?」
「いや、まあこれは今までも色々なことを学んできたから、自然的に学ぶのが早くなったんだ」
「そうなんだ・・」
「まあ、アイズも頭の回転は早いんだし、もうすぐダンジョンに潜れるようになるさ」
「むぅ〜分かった」
「よしよし」つ ナデナデ
「///」
「いつかダンジョンに潜れるようになったら一緒に行こうぜ」
「うん」
「じゃあ、僕はフィンのところに行かないといけないから」
九鬼斗はスキルの『完成』の効果と、元々持っていた学習能力の高さですぐにリーダーシップをとり、仲間に適切な指示を出すことも可能となっていた。
ガレスとの稽古では、流石に勝てはしないものの善戦することもたまにある程には強くなっていた。そうして、三人からの教育指導を一ヶ月続けた結果、九鬼斗はパーティーリーダーの能力を開花させ、ダンジョンに関する知識においては深層のことまで知っており、闇派閥のことや、ダンジョンにこれまで起きた異常事態、神聖文字(ヒエログリフ)の解読すらも可能となっていた。そんな彼を見て、ロキや団長達三人もダンジョンに潜る許可を出した。
「にしてもダンジョンに潜る前に更新したったけど、早熟するってこういう意味やったんか〜」
天神 九鬼斗
種族:ヒューマン
lv1
力 :C 654
耐久 :C 671
器用 :A 879
俊敏 :B 701
魔力 :D 431
「普通は、一級冒険者に鍛えてもらった言うてもここまでにはならへんねんけどな〜。ほんま末恐ろしいわ」
——ギルド
「エイナさ〜ん」
「あら、九鬼斗くんじゃない。どうしたの」
「いえ、これから初めてダンジョンに潜るので、挨拶にと」
「え、単独で潜るの?だめでしょ!せっかく強い仲間がいるんだから、一緒にいけばいいじゃない。規模だってでかいから、一緒に行く人もいるでしょ?」
「あの〜、僕ステイタス全てC以上なんですけど」
「へ?嘘でしょ?」
「なんだったら背中見せましょうか?神聖文字って読めます?」
「いや、そこまでいうんだったら嘘じゃないんでしょ。わかりました。ダンジョンに潜る許可を出します。だけど、潜る前にダンジョンに関する知識は覚えっててもらうわよ」
「いえ、もうリヴェリアに教えてもらったので大丈夫です」
「えっ、リヴェリア様に?はぁそれだったら文句はないわね。じゃあ九鬼斗くん私から一言。良い?『冒険者は冒険をしてはいけない』の。死にさえしなければ幾らでもチャンスはあるんだからね」
「・・分かりました。肝に銘じておきます」
「本当〜?なにか間があったような気がするけど」
「気のせいだと思いますよ」
「はぁ、全くもう、いってらっしゃい」
「はい、いってきます」
——ダンジョン一階層
「ここが一階層か。大したモンスターはいなそうだな」
実際、九鬼斗にとってここのモンスター達は弱すぎた。ダンジョンの構造も全部頭にあるため、一切問題がなかった。一回、群れのゴブリンに襲われたが、何の問題もなく倒せた。
「もっと先に進むか」
——ダンジョン二階層
コボルト・ゴブリン「ギャッ」
——三階層
コボルト・ゴブリン「ギャッ」
——四階層
コボルト・ゴブリン「ギャッ」
——五階層
コボルト・ゴブリン「ギャッ」
——六階層
ウォーシャドウ「グッ」
——七階層
キラーアント・パープルモス「ギー!」
沢山のキラーアントが襲ってきたが、スキル『一撃男』の能力で一撃に向かって力をチャージし、思いっきり自分が持ちうる、全力の一撃を放った結果、全滅した。
「まだまだ、先にいけるな」
——八階層
以下略
——九階層
以下略
——十階層
トロール「ギャッ」
——十一階層
以下略
——十二階層
「ここが上層最後の階層か・・。ここでも相変わらず何も変わらないな。流石にこれ以上進むと怒られそうだし、戻るか」
その時、あるモンスターの声と冒険者の悲鳴が聞こえた。
「ぎゃー、助けてくれー!こんなところにインファントドラゴンがいるなんて聞いていないぞ。しかも二体もいるなんて!」
その声を聞いた九鬼斗は、他の冒険者達が逃げ回る中、インファントドラゴンに向かって走った。チャージをしながら・・
「どけー!今から僕があのインファントドラゴンを片付ける!」
そう言って九鬼斗はギルドから支給されたナイフを持った。
「エレメンタル・フォース」
九鬼斗はリヴェリアにこの魔法はとても希少な魔法だと言った。
リヴェリア自身も九つの魔法を扱うことで有名だが、それは三つ全てのスロットを用いての話で、詠唱も長いものばかりだ。それに比べ、九鬼斗の魔法は不思議な点があった。複合魔法と書かれていたのだ。丁寧にどのように複合するのかも書かれて。そして、九鬼斗はこの魔法の有用性に気がついた。これは付加魔法にもなるのではないかと。詠唱を始めだけを詠むことによって。
「ファイア」そう詠唱すると火が出てきた。そしてその火をナイフに付与した。
そして、チャージした力を火に移し、、火はナイフの大きさまで変えた。もはや長剣とも言える長さの火の剣となったそれは、インファントドラゴンに向かって放たれた。
『火剣!』そう叫び、その火の刃を二体のインファントドラゴンに放った。
その結果、見事に二体のインファントドラゴンは一刀両断に焼き切られた。
「実験した甲斐があったな」
周りの冒険者達は唖然とした。
「さてそれじゃあ魔石を集めるか」
といいもうすでにパンパンなポーチの中へと魔石を入れるのだった。
「なんか、無限に物を入れられるようなものがあればいいのになー」
とだけ、文句を零し、帰路へと着いた。
ダンジョンから戻った時には修羅の顔をしたエイナが待っていた。
(えっ、別に怒られるようなことをした覚えはないぞ)
「ど、どうしたんですかエイナさん?可愛い顔が台無しですよ」
「そんなお世辞はいいからそこに座りなさい」とこれまでのモンスターよりも圧倒的に怖い気配を感じ、大人しく言うことを聞いた。
「で、九鬼斗くん何で十二階層まで潜ったのかな〜?冒険者は冒険してはいけないって言葉もう忘れちゃったの〜?」
「覚えていますって。だから中層にはいかなかったじゃないですか」
「十二階層まで潜ることを冒険しているっていうんだよ〜〜!!」
「でも、インファントドラゴンも僕の相手ではありませんでしたよ」
「問答無用〜!それにまともに揃っていない装備でそこまで潜ること自体がおかしいのよ〜!明日はダンジョンに潜ることを禁止します!そして、私と一緒に装備を買いに行くわよ。良い?!」
「あ、はい」
その後とりあえず魔石を換金しに行った九鬼斗は合計8万7800ヴァリスを持ち、本拠地へと帰った。
「はぁ〜もっと深くに潜りたいんだけどな〜。まぁ、でも付加魔法を戦闘中にも付けられたから、まだいいか。それと僕自身にも物作りがしたいから発展スキルの『神秘』欲しいな〜。そしたら嘗て読んだ英雄記で出てきた英雄の中の英雄ギルガメッシュの『王の財宝』みたいなのをつくるんだけどな〜。あ、それをつくるとしたら自分でも伝説級の武具を作らないとな〜。よ〜し、当分の目的はこれにするか〜!」
その後、初めてのダンジョン帰りで、当分の目的が出来、上機嫌な九鬼斗の前にまたしても修羅の顔をしたエルフに怒られることとなった。
「九鬼斗、私は慢心はするなと言ったはずだぞ。何故十二階層まで行った」
「何で、皆そのことを?」
「大きなニュースになっているぞ、ロキファミリアの期待のルーキー。初のダンジョンで十二階層!とな」
「誰がその情報を」
「貴様を見た、上級冒険者がそう証言したそうだ」
「くっ、周りの目には気をつけるべきだったな」
「では、説教といこうか」
「い、いや、もうさっき同じことでギルドアドバイザーに怒られたから勘弁してください」
「む、それはよかったではないか。これで二度とすることも無くなるだろう」
「許してくれ〜説教はもうこりごりだー!」
「問答無用!」
そして、リヴェリアに連れられた九鬼斗は何故か、アイズにも説教をされることとなった。説教が三時間程あった後、九鬼斗は精神がぼろぼろの状態で、ロキの部屋へと向かった。
「ステイタスの更新を頼む」
「また、こっぴどくやられたな。ええで、コッチ来—」
「どれどれ、ふっ、もう驚くのを通り越して、頭痛くなるわ」
lv1
力 :SS 1024
耐久 :S 964
器用 :SSS 1298
俊敏 :SS 1113
魔力 :S 998
『魔法』
『エレメンタル・フォース』
複合魔法。
単一魔法。
九つの魔法を複合、又は単一として扱うことができる。
効果永続魔法。
詠唱分『エレメンタル・フォース』
この詠唱を唱えた五分後まで九つの属性魔法を扱うことができる。
闇:『ヘル・マータ』
周りに黒い煙を出す。
黒い煙に居続けた者は身体能力が落ちていく。
火:『ファイア・フレイム』
火の弾を出す。
水:『バブル・ウォーター』
泡状の水球を魔力に応じた数を出す。
対象の相手にぶつかると軽い打撃程度の衝撃を与える。
泡が割れた時、半径1m範囲の状況がわかる。
聖:『キュア・アーク』
一つの光の塊を出す。
魔力の消費量に応じて大きさ変動。
光の弾にいる者は少し回復する。
雷:『サンダー・ボルト』
雷を打ち出す。
形状は変幻自在。
魔力の消費量に応じて距離が変わる。
風:『ウィンド・ブレス』
強い風を打ち出す。
土:『サンド・アース』
地面が土の場合、形状を好きに変えることができる。
氷:『アイシクル・ヘイル』
氷の霧を打ち出す。
範囲は魔力に応じて変化する。
無:『エネルギー・ショット』
込めた魔力によって威力が変わる。
最大二分間魔力をチャージすることが可能。
『ショット』と詠唱された時にエネルギーの弾を打ち出す。
複合魔法:複数の魔法の詠唱分を掛け合わせることによって、二重属性の魔法を扱うことができる。
前後で分かれている詠唱分を別の詠唱と入れ替えると複合魔法が完成する。
第一節の魔法だけ唱えると付加魔法となる。
この魔法は進化する。
「魔法も少し変化しとるで〜。というか魔法が進化するって聞いたことがないわ!ほんま規格外やな。たった一ヶ月とちょっとでこんなステイタスになるやつはおらんで」
「まあ、僕は今ある大きな目標があるので、これからはダンジョンに潜る以外にも武器とか便利な道具を作って、発展スキルで『神秘』や『鍛冶』を取りたいと思っています」
「九鬼斗やったらできそうやから怖いな。まあ、頑張ってな〜!」
「はい」
こうして、九鬼斗の『王の財宝』を作る計画が開始された。