ダンジョンに最強の先輩がいるのは間違っているだろうか『リメイク』   作:厨二病なりかけ

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今回も前回ほどではないですが、長めです。


第四話

天神 九鬼斗は一人で遠征をこなすようになってから三年、アイズ、ティオネ、ティオナ、ベートと四人が新たな幹部となり、四人はレベル4の第二級冒険者であった。フィン達はレベル6に至り、更に団長、副団長、幹部、と最古参の風格は強くなっていた。そんな中、一人の幹部、天神 九鬼斗はレベル7へと至っていた。

嘗ての二大ファミリアであったゼウスファミリアとヘラファミリアは三大クエストの一つに失敗し、失脚した。今強い探索系のファミリアはロキファミリア、フレイヤファミリアであり、次点でアストレアファミリアといった形であった。

そして今、ロキファミリアは次の遠征へ向けて準備をしていた。

今は普段着で、多少チョーカーや、腕時計等のマジックアイテムをつけているものの、普通の者とは違う雰囲気を出していた。

 

「では今度の遠征についてだが、誰か意見はあるか?」

と団長であるフィンは問いかける。

「いえ、意見なんてございません団長♡」

とティオネ。

「うわ〜、今は控えてよティオネ〜」

とティオナ

「けっ、とっとと決めればいいだろ」

とベート。

「なんですってー」と声を荒げるティオネ。

「ああ、もう落ち着いてよティオネ〜。団長が困ってるよ」

「え、あっ、申し訳ございません団長〜♡」

「だ、大丈夫だよ。じゃあ、遠征に行くメンバーは例年通りレベル3以上、サポーターとしてレベル2の子も少し、最初に目指すのは十八階層の安全階層へと向かうこと。ここで一回一休みして、五十階層へと向かう。それで文句はないかい?それと安全を期すため、マジックアイテムも使いながらの遠征となる。今回目指すのはあくまで安全階層の五十階層だ。これでいいかい?」

「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」

「ではこれで遠征の会議を終える。」

「ちょっといいか?」

「なんだい?九鬼斗」

「今回の遠征、行くことは進めない。ここにいる誰か一人が死ぬ可能性が高い」

「ああーん?ふざけたことぬかしてんじゃねえぞ、三下—!」

「はぁ、俺のスキルは知ってるだろうが。視えたんだよ。新種のモンスターが現れて、そのモンスターの溶解液によってまず、レベル2〜3の者が大勢死ぬ。そいつらを頑張って庇おうとしたお前らの内、一人が死ぬ」

「それは君がいることで回避できないのかい?」

「まあ、可能だな。だけど、今回の遠征、俺を連れて行かないんだろう?だったら無理だな。今回の遠征でそれほどの被害を受けてもいいなら、どうぞ行ってくれ」

「・・それは可能性の未来だろ?君は別に一つの確定した未来を見るわけではないじゃないか」

「ああ、そうだな。確かに俺のスキル『未来視』は近い未来ならば確定したものを見ることはできるが、遠い未来に関しては色々な分岐があるからな。だけど、さっき俺がいったことは85%の確率で起こる。俺は行くのをオススメしない。まだまだ発展途上の者達をここで殺すわけにはいかないだろう」

「じゃあ、君を連れて行こう。それでいいかい?」

「いや、俺は今回残念ながら行けない。ギルドからの強制任務が、俺個人に来たからな。その日程が被っている」

「だったら、それをこなしながらっていうのは可能かい?」

「不可能だ。今回の強制任務は闇派閥の討伐だ。アストレラファミリアとの共同任務でもあり、未来を視たところ、アストレアファミリアが壊滅する未来が視えた。

彼らの方を救いたい。一方、今回の遠征は期間を前にずらしての行動だったのだから、もう少し、あとにずらせばいいだろう。いいか?忠告はしたからな」

そう言って九鬼斗は部屋から出て行った。

「っち、あの野郎なんなんだよ」

「本当よ。折角団長が作った計画を無茶苦茶にして、最悪よ」

「まぁ、言いたいことだけ言って、これってのはね〜」

「・・でも、嘘ではないと思う」

「まぁ、それが彼を憎めないところだろうな。全く、昔はもっと可愛げがあったのだがな、変わったな九鬼斗も」

「そうじゃな、でも儂等全員が九鬼斗にかかってもあっさり返り討ちにされてしまうほどの実力差はあるしの」

「九鬼斗不在で、異常事態も起きる可能性大ならば、行く必要はないね。今回は九鬼斗の言葉を信じよう」

こうして遠征のことは有耶無耶となった。

九鬼斗は当初の目的通り、闇派閥の討伐へと向かっていた。

 

必要最低限の会話だけし、アストレアファミリアの者達と共同で、闇派閥を叩く。

 

(今回、何か恐ろしいモンスターがアストレアファミリアを殲滅された未来が見えた、今回は万全を期して、全力の装備で来た。ステイタスも更新してもらったし、恐らく大丈夫だろう)

 

 

 

天神 九鬼斗

 

種族:ヒューマン

 

lv7

 

力  :SSS 2231

耐久 :SSS 2321

器用 :SSS 3100

俊敏 :SSS 2789

魔力 :SSS 1781

 

『スキル』

 

『阿修羅の心』

9つの命を有する。ランクアップするごとに命が9つ増える。

死ぬたびに全ステイタスに超高補正。

命の数:18

 

『一方通行』

ありとあらゆるもののベクトルを操る。格上には効果が現れない。

 

『一撃男』

一撃一撃それぞれに力の高補正。一撃で敵を倒すと経験値が多くもらえる。

能動的行動に対するチャージ実行権。

 

『勇者』

何かを救うごとに全ステイタス少補正。早熟する。

 

『剣聖』

ありとあらゆる武具を使いこなす。

様々な加護を要する。

『剣聖の加護』『矢避けの加護』『矢当ての加護』『退魔の加護』『先制の加護』『闇避けの加護』『火避けの加護』『風受けの加護』『早駆けの加護』『泥抜けの加護』『湖の加護』『蒼天の加護』『涙天の加護』『伝心の加護』『騎乗の加護』『騎獣の加護』『無手の加護』『流血の加護』『不死鳥の加護』『霧の加護』『解毒の加護』『初見の加護』『再臨の加護』

精霊から好かれやすい。

 

『怪盗』

何かを盗むたびに器用と俊敏に高補正

 

 

『完成』

人の技術を見るだけで模倣できる。模倣したものを完成させ自分のものとする。

 

『選ばれし者』

他人から認められるほど全ステイタス補正。認められたものが神もしくは精霊の場合そのものに応じた加護がつく。早熟する。

 

『守護者』

誰かを守るごとに耐久に高補正。同じファミリアのメンバーの耐久にも高補正、仲がいいほどもっと互いに補正がかかる。

 

『発展途上』

ランクアップしたときに手に入る発展スキルを全て取ることができる。

 

『大嘘付き』

神にも嘘をつける。

 

『王の財宝』

異次元の空間を操る。

異次元に通ずる門を無数に出すことができる。

その異次元にあるものを門から射出、又は抜き取る事ができる。

現界のものを入れることが可能。

門を開くのは、意識的にすることができる。

異次元にあるものはその状態を永続的に保存する。

門に手を入れ、中に入っているものを望めば手元に来る。

手を入れずとも射出状態に待機させることもできる。

入れられるものに限界はない、しかし、生物は入れられない。

 

『未来視』

 

未来を視ることができる。

先の未来を見るほど精神力(マインド)の消費量が増す。

任意発動。(アクティブモーション)

視える未来の先に限界は無い。

 

『過去視』

 

過去を視ることができる。

遠い過去を見るほど精神力(マインド)の消費量が増す。

任意発動。(アクティブモーション)

視える過去の先に限界は無い。

 

 

『魔法』

 

『エレメンタル・フォース』

複合魔法。

単一魔法。

九つの魔法を複合、又は単一として扱うことができる。

効果永続魔法。

詠唱分『エレメンタル・フォース』

この詠唱を唱えた五分後まで九つの属性魔法を扱うことができる。

闇:『ヘル・マータ』

周りに黒い煙を出す。

黒い煙に居続けた者は身体能力が落ちていく。

火:『ファイア・フレイム』

火の弾を出す。

水:『バブル・ウォーター』

泡状の水球を魔力に応じた数を出す。

対象の相手にぶつかると軽い打撃程度の衝撃を与える。

泡が割れた時、半径1m範囲の状況がわかる。

聖:『キュア・アーク』

一つの光の塊を出す。

魔力の消費量に応じて大きさ変動。

光の弾にいる者は少し回復する。

雷:『サンダー・ボルト』

雷を打ち出す。

形状は変幻自在。

魔力の消費量に応じて距離が変わる。

風:『ウィンド・ブレス』

強い風を打ち出す。

地:『サンド・アース』

地面が土の場合、形状を好きに変えることができる。

氷:『アイシクル・ヘイル』

氷の霧を打ち出す。

範囲は魔力に応じて変化する。

無:『エネルギー・ショット』

込めた魔力によって威力が変わる。

最大二分間魔力をチャージすることが可能。

『ショット』と詠唱された時にエネルギーの弾を打ち出す。

複合魔法:複数の魔法の詠唱分を掛け合わせることによって、二重属性の魔法を扱うことができる。

前後で分かれている詠唱分を別の詠唱と入れ替えると複合魔法が完成する。

この魔法は進化する。

 

『七つの大罪』

長文詠唱—

『我が身は影 我が身は咎 我が身は罪』

『我が身に宿すは異なる七つの罪』

『それは大罪と呼ばれ、恐れられた』

『ある時は世界を救い』

『ある時は世界を滅ぼした』

『今代の黙示録として大罪を背負う』

『それは原初にして永遠の呪い』

『その怒りを、憎しみを、全てを喰らえ』

『我が身は咎人となりその破壊(ちから)を使おうとする者也』

『ギルティ・セブンスレギオン』

 

第一【傲慢】の罪

我が身は如何なる事象も弾く万象の盾也

【傲慢の罪・神全反射】

[ギルティ・スペルディア《カウンター・アンノウン》]

第二【嫉妬】の罪

我が怒りは憎悪となり世界を恨み終焉に至る

【嫉妬の罪・終贈の祝逝】

[ギルティ・インウィディア《デッドエンド・アフター》]

第三【憤怒】の罪

我が一撃は煉獄の炎をも飲み込み喰らい尽くす

【憤怒の罪・喰煉之怨罪】

[ギルティ・イラ《ヴォルカ・ドライグレイブ》]

第四【怠惰】の罪

我が身は不動(うご)かず、汝等もまた不動(うご)かん

【怠惰の罪・強制不動の陣】

[ギルティ・アケディア《バッドシャープ・フルスキン》]

第五【強欲】の罪

万物を贄となりて我が物となり我が武具(もの)となれ

【強欲の罪・皇邪の宝物庫】

[ギルティ・スペルディア《キング・アイテムボックス》]

第六【暴食】の罪

我知識を喰らう者

【暴食の罪・脳色晩餐】

[ギルティ・バイト](ハンガリー)

第七【色欲】の罪

我恋焦がれる者故感情に飢えた獣なり

【色欲の罪・感情の呪い】

[ギルティ・ルスト(フル・セクシャル)

 

最終詠唱

『我元に七つの大罪を示せ』

七つの武器が権限する。

 

『』

『発展アビリティ』

創造者SSS 神秘SSS 狩人SS 祝福S 魔道S 天武S  剣聖S 対異常S 拳打S 潜水S 魔防S 精癒S 治療S 

 

九鬼斗は自ら作った魔道書(グリモア)で新たな魔法を発現させていた。それは自らが犯した間違いを償うための魔法。

 

九鬼斗は嘗て作った最高傑作の他にも、王の財宝の中には新たな宝具を沢山入っていた。全ては大切な人達を救うために。

 

九鬼斗がロキファミリアの者達から、悪感情を伴った目で見られるようになり、ロキファミリアにいることに疲れていたので、外を適当に歩いていた時、彼はみた。悪いものを取り締まり、正義を遂行する者達を。その姿を見てからというもの、アストレラファミリアの手助けをするようになった。そして、そんな九鬼斗に感謝を述べてくれる人達はいつしか、九鬼斗の中では大切な存在となっていた。特にリューという、覆面をかぶっていて、素顔は一切わからないが、彼女もまた、強く、そして、美しい女性であった。アストレアファミリアの者達も、九鬼斗の活躍や、性格を見ている内に、心を開くようになっていた。リューに関しては、素顔さえも見せてくれたほどであった。そんな彼女等を、九鬼斗は失いたくなかった。そのために今回、彼女等の死を回避するべく、この任務に当たった。

 

 

——回想終了

 

 

「九鬼斗さん、本当に巻き込んでしまってすいません」

「いえいえ、これぐらい構いませんよ。それに闇派閥のことを良く思っていないのは僕も同じですからね」

「本当に感謝します」

「本当、リューって九鬼斗と話す時、嬉しそうな声するよねー」

「な//何を馬鹿なことを」

「まあまあ」

「本当に彼女らには困ったものです」

「いいじゃないか、賑やかで、皆それぞれとても仲良しで、こんな僕にも仲良くしてくれる優しい人達じゃないか」

「ただのおせっかいな人というだけですよ」

「そうでしょうか」

と普段通りの会話をしていたものの、皆緊張感はしっかりと持っていた。

 

そして、闇派閥の本拠地へと奇襲をかけた。

 

「かかれー!」

その言葉と同時に、九鬼斗とアストレアファミリアの者達は一斉に奇襲をかけた。

アストレアファミリアの者達は全員第二級冒険者であり、とても強い冒険者である。そして、九鬼斗は言わずもがな、オラリオに二人しかいないlv7の冒険者であったため、直ぐにでも殲滅しようとしていた。そして、奇襲に気が付き、逃げる者達を九鬼斗達は追った。

 

——二十七階層

 

闇派閥の頭「はぁはぁ、ここまできたら返り討ちにしてやる!火炎石で吹っ飛びやがれー!」

 

そうして大量の火炎石が爆発を引き起こし、それが戦闘の合図となった。

激しい戦いが続いた。九鬼斗は素早く、闇派閥の者を殺し、できる限り、アストレアファミリアの者達を手助けした。そして、闇派閥の者達が少なくなってきた頃、何も知らない冒険者のパーティーが迷い込んだ。その冒険者のパーティーは当然狙われ、九鬼斗達はその者達をかばうようにして、撤退しようとした。その隙をつくため、闇派閥の者達は残った、爆煙席を全て、爆発させた。九鬼斗は皆を守るため、マジックアイテムの一つである、『絶対防御』という使い捨てだが、大きなバリアを貼り、どんな攻撃にも5秒間耐えるというものだった。そうして爆発が終わり、闇派閥の者達が絶望の表情を浮かべた頃、それはやってきた。

 

ダンジョンというのは生きている。一箇所を一気に壊されたりすると、ダンジョンが、ダンジョンを破壊する元凶を殺すためにダンジョンが哭いた。比喩でもなんでもなく哭いた。もし女の人が、世界そのものに大きくなったら、上げるような、そんな音程の声。

 

「な、なんだこれは」(『未来視』!)

 

それはとても大きく、そして速い、ただ人を殺すために生み出された、殲滅型モンスター。ダンジョンが破壊活動を行っている元凶を殺し、再生するために送り出されたモンスター。それは一振りで何人もの命を奪う・・

 

「皆逃げろー!!!」

「ど、どういう意味で」

 

 

そして、声が収まった頃、『それ』はやってきた。これまでにも何人かの冒険者を屠ってきたのだろう。水晶の光によって露わになった『それ』は、体躯は細く、巨大だった。二腕二足。腕はその巨大な巨躯に似合わないほど、不気味なほど細長く、同じく細長い脚の構造は逆関節となっていた。肉は無いに等しく、体を覆う、鎧のような『殻』は、不可思議な紫紺の色を薄く、写していた。腰からは4mはある硬質な尾もついていた。そしてそのモンスターの牙によって食べられたであろう冒険者達の血がその口に、大量についていた。 

 

イメージ的には『鎧を纏った恐竜の化石』であった。

 

その場にいた者達全てはその姿に唖然とした。そして、アストレアファミリアの団員である一人が魔法を『それ』に向かって放った。そしてその一部始終を見た、九鬼斗は新たに見えた未来に驚愕することとなり、それは現実となる。

 

『それ』は纏っていた鎧のようなものが光ったと同時に、魔法を反射した。

 

「な」

 

悲鳴をあげる間もなく、その団員は命を散らした。更にそのモンスターはその巨体からは考えられないほどの速度を見せ、瞬く間に闇派閥の者達を殲滅した。

仲間がころされたことによって自暴自棄になった者もまた、その命を、モンスターが持つ爪によって散らした。そんな様子を見ていた九鬼斗は声も出なかった。

未来を確認していたのに、救えなかったと、自身の無力さを呪った。

そのモンスターは更に猛攻を続け、気がつく頃には闇派閥とアストレアファミリアの者達も数を減らしていた。

 

「はあはあはあ、こんな状態だ。とりあえずあのモンスターを倒すしかない。見た限り魔法は通用しないだろう。だけど、俺のマジックアイテムを使えばい「うるさい!」えっ」

「私達の大切な仲間が殺されたんだぞ!冷静になんてなれるか!私だけでもあいつを倒す!」

「ま、待ってk「行くぞー!」

 

「「「「「おう!」」」」

 

そうして彼女等は強大なモンスターへと立ち向かっていった。九鬼斗の忠告も無視して・・・

 

戦闘が開始された5秒後にはもう一人の仲間は爪の餌食になっていた。

九鬼斗はただ立っていることしかできなかった。守れなかったと、ただその事実だけが彼に重くのしかかった。その間も団員達は命を散らしていく。そして団長、リュー、リューの好敵手であり、親友であるゴジョウノ・輝夜しかいなくなっていた。彼女らは短い戦闘の中で、魔法は一切通じず、超至近距離での戦闘しか効果はないと知った。しかし、絶望は誰にでもやってくる。

輝夜はモンスターの牙によって殺されそうになった。

 

「た・たすけ グチャ

 

涙も流しつつ懇願したその願いは叶うことはなかった。

団長とリューはただその事実を知り、さらなる復讐心に駆られ、戦闘を続けた。

泣きたい気持ちも力に変え、戦い続けた。レベル4である二人はなんとか命をつなぎながら戦っていた。しかし、決定打に欠けた。そして団長は苦渋の決断をした。

「リュー、後は頼んだよ」

そう言って団長である彼女は更に力を増し、弱点である耐久力の低さに気づき、命を賭してでも、魔石があるであろう場所に向かって攻撃し続けた。そして、そんな彼女に対しても無情な爪は命を刈り取った。

リューは団長であり、自分を救ってくれた彼女の犠牲の果てに、大きな一撃をかました。しかし、それでも足りなかった。そして、無情な爪はリューに向かい、振り下ろされ・・る寸前、九鬼斗は天災剣 エアを振り抜き、そのモンスターを屠った。九鬼斗はリューが殺される、恐らく自分が好意を持っている相手を守るために反射的にエアを振り抜いた。真価は別にあったとしても、ただ振るっただけでも耐久性が低い、『それ』を倒すことができた。そして、リューは尋ねた。

 

「なぜ、これほどの力をもっておきながら、他の者を救ってくれなかったのですか?なぜ、私が彼女達の元へ胸を張って逝けるのを邪魔したのですか、なんで

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで・・私だけを救ったのですか?」

「君は僕の大切な人だから」

「では他の者とは違ったと?」

「そうじゃない、ただ僕の力が足らなかったから、僕の精神が弱かったから守れなかった。本当にごめん」

「そんな謝罪を聞きたいわけではない!・・もう・・私を殺してください。その方がよっぽど楽だ」

「それはできない。君だけなんだ、守れたのは。他のアストレアファミリアの人達も君に生きて欲しいと思っている」

「うっ、あああああああああああああーーーーーーーーーーーーーー−!!」

「ごめん、本当にごめん」と涙をこぼしながら九鬼斗はリューの側へと向かった。

しかし、「近寄るな!もはや貴方と話すことは何もない!」

そうして、九鬼斗と『疾風』リュー・リオンは大切な者達を失い、九鬼斗とリューの間にも大きな溝が出来てしまった。

そうして、九鬼斗は唯一守れた大切な人からも拒絶され、ロキファミリアの者達にも拒絶され、家族や大切な者を作り、守るなんていうことは到底叶うことがなくなってしまった。九鬼斗はこの悲劇の後、ロキに事情を説明し、一旦放っておいて欲しいと頼んだ。ステイタスだけ更新してもらい、九鬼斗は大切な者達から拒絶され、乱れた精神を落ち着けるためにも、ダンジョンの奥深く、誰も干渉してこない場所まで向かった。Lv8という規格外な冒険者となって。

 

王の財宝に、生きるために必要なものを全て入れ、長期間五十階層、つまり安全階層にて、暮らした。深層のモンスターを、様々な技や、武具を用いて、モンスターを好きなだけ屠り、神に直接作ってもらったオーダーメイドの双剣をメインに、色々なことを試した。階層主さえも特訓のために倒し、大量の経験値も手に入れ、

深層での暮らしにも慣れた頃、九鬼斗という存在は架空の存在として扱われることとなった。ダンジョンに一年以上滞在し、誰からも情報を得られていないため、ギルドはもう生きていないと判断した。いかにレベル8に成ろうとも、食事等の問題で、この長期間生きられないだろうという判断を下した。

九鬼斗はただひたすらに武具の扱い、そして己自身を徹底的に鍛えた。今度こそ何も失わないために。既に最強の冒険者であるということも知らず。

 

——三年後

 

「そろそろ更新してもらうために帰るか」

「新しい装備も手に入れたし、二度とあんな悲劇には合わせない。例え、大切な者達からは嫌われようとも、生きていて欲しい。ただそう切実に思うよ、俺は」

 

 

この間に様々なことがあった。

アイズ、ティオネ、ティオナ、ベート達のレベル5へのランクアップ。

新たなファミリア、ヘスティアファミリアの結成。

闇派閥の新たな動き。

言語を話すモンスターの群れ。

これから、この最強の冒険者である天神 九鬼斗は何をなすだろうか。

 




天神 九鬼斗

lv8

種族:ヒューマン

力  :I 0
耐久 :I 0
器用 :I 0
俊敏 :I 0
魔力 :I 0

『スキル』

『阿修羅の心』
9つの命を有する。ランクアップするごとに命が9つ増える。
死ぬたびに全ステイタスに超高補正。
命の数:23

『一方通行』
ありとあらゆるもののベクトルを操る。格上には効果が現れない。

『一撃男』
一撃一撃それぞれに力の高補正。一撃で敵を倒すと経験値が多くもらえる。
能動的行動に対するチャージ実行権。

『勇者』
何かを救うごとに全ステイタス少補正。早熟する。

『剣聖』
ありとあらゆる武具を使いこなす。
様々な加護を要する。
『剣聖の加護』『矢避けの加護』『矢当ての加護』『退魔の加護』『先制の加護』『闇避けの加護』『火避けの加護』『風受けの加護』『早駆けの加護』『泥抜けの加護』『湖の加護』『蒼天の加護』『涙天の加護』『伝心の加護』『騎乗の加護』『騎獣の加護』『無手の加護』『流血の加護』『不死鳥の加護』『霧の加護』『解毒の加護』『初見の加護』『再臨の加護』
精霊から好かれやすい。

『怪盗』
何かを盗むたびに器用と俊敏に高補正。

『完成』
人の技術を見るだけで模倣できる。模倣したものを完成させ自分のものとする。

『選ばれし者』
他人から認められるほど全ステイタス補正。認められたものが神もしくは精霊の場合そのものに応じた加護がつく。早熟する。

『守護者』
誰かを守るごとに耐久に高補正。同じファミリアのメンバーの耐久にも高補正、仲がいいほどもっと互いに補正がかかる。

『発展途上』
ランクアップしたときに手に入る発展スキルを全て取ることができる。

『大嘘付き』
神にも嘘をつける。

『王の財宝』
異次元の空間を操る。
異次元に通ずる門を無数に出すことができる。
その異次元にあるものを門から射出、又は抜き取る事ができる。
現界のものを入れることが可能。
門を開くのは、能動的にすることができる。
異次元にあるものは、その状態を永続的に保存される。
門に手を入れ、中に入っているものを望めば手元に来る。
手を入れずとも射出状態に待機させることもできる。
入れられるものに限界はない、しかし、生物は入れられない。

『未来視』

未来を視ることができる。
先の未来を見るほど精神力(マインド)の消費量が増す。
任意発動。(アクティブモーション)
視える未来の先に限界は無い。

『過去視』

過去を視ることができる。
遠い過去を見るほど精神力(マインド)の消費量が増す。
任意発動。(アクティブモーション)
視える過去の先に限界は無い。

『天眼』
ありとあらゆる角度から視ることができる。

『魔法』

『エレメンタル・フォース』
複合魔法。
単一魔法。
九つの属性魔法を複合、又は単一として扱うことができる。
効果永続魔法。
詠唱分『エレメンタル・フォース』
この詠唱を唱えた五分後まで九つの属性魔法を扱うことができる。
闇:『ヘル・マータ』
周りに黒い煙を出す。
黒い煙に居続けた者は身体能力が落ちていく。
『シャドウエッジ』
対象の相手を影の刃で切りつける。
『ブラックホール』
自分が指定したものを、凄まじい力で小さな黒い穴に、大きさ関係なく吸い込む。
火:『ファイア・フレイム』
火の弾を出す。
『クリムゾンノート』
蒼い超高熱の炎を出す。
『インフェルノ』
半径50mを、灼熱火炎地獄にする。自分以外の者を敵味方関係なく紅蓮の炎が襲う。
炎は体に纏わり付き、更なる苦痛を与える。
水:『バブル・ウォーター』
泡状の水球を魔力に応じた数を出す。
対象の相手にぶつかると軽い打撃程度の衝撃を与える。
泡が割れた時、半径1m範囲の状況がわかる。
『タイダルウェイブ』
大規模の海水を生み出し、大津波を発生させ、多大な被害を与える。
『アルカヘスト』
物体を形成しているという概念を無力化し、溶解させる絶対溶媒を精製し、対象に浴びせる。
物質であろうが、魔法であろうが形成さえしていればこの魔法は効果を発揮する。
聖:『キュア・アーク』
一つの光の塊を出す。
魔力の消費量に応じて大きさ変動。
光の弾にいる者は少し回復する。
『セイントヒール』
自分を中心に円を作り、その円にいる者に、高い回復効果をもたらす。
『アストラルヴェイブ』
巨大な蒼白い衝撃波を対象に向けて放つ。周囲にも被害を与える。
『インディグネーション』
空より降る閃光を、対象の相手に直撃させる。
雷:『サンダー・ボルト』
雷を打ち出す。
形状は変幻自在。
魔力の消費量に応じて距離が変わる。
『ライトニング』
一本の雷を、光速で放つ。
『ゴッドサンダー』
指定対象に長極太・長高電圧の雷を落とし、周囲にも被害を与える。
風:『ウィンド・ブレス』
強い風を打ち出す。
『サファケイト』
対象の体内の酸素を全て無くし、呼吸を止める。
『テンペスト』
暴風雨を伴う大嵐を引き起こし、全て飲み込み大被害を与える。
地:『サンド・アース』
地面が土の場合、形状を好きに変えることができる。
『ストーンブラスト』
石の飛礫を作り出し、対象に浴びせる。
術者の放った方向の直線状の全ての者に被害を与える。
氷:『アイシクル・ヘイル』
氷の霧を打ち出す。
範囲は魔力に応じて変化する。
『ダイアモンドダスト』
鋭い氷の刃を伴う、冷気の嵐を発生させ、範囲内の者を凍結させる。
『アブソリュートゼロ』
絶対零度の空間を作り出し、生物の機能を停止させる。
無:『エネルギー・ショット』
込めた魔力によって威力が変わる。
最大二分間魔力をチャージすることが可能。
『ショット』と詠唱された時にエネルギーの弾を打ち出す。
『マナバーン』
術者の魔力放出により、相手の魔力に直接関与し、相手の持つ魔力を全て一気に放出する。
『ティルトウェイト』
指定範囲の者全員に属性を超越した魔力の衝撃を放つ。
『リザレクション』
対象の相手を完治させる。欠損した部分も復元する。
術者も対象に入る。
『エラディフィケーション』
対象の生物全ての細胞に直接ダメージを与え、死に至らしめる。
『ソロモン』
禁呪指定最上級空間破壊古代言語魔法。
最早次元を超えた魔術で、時空を歪ませ、万物のあらゆる抵抗を無視して分子レベルで破壊する。
指定範囲は、術者が決められる。
その範囲内の者は、術者自身であっても、分子レベルで破壊される。
複合魔法:複数の魔法の詠唱分を掛け合わせることによって、二重属性の魔法を扱うことができる。
前後で分かれている詠唱分を別の詠唱と入れ替えると複合魔法が完成する。

この魔法は進化する。

『』
『』
『発展アビリティ』
創造者SSS 神秘SSS 狩人SS 祝福S 魔道S 天武S  剣聖S 対異常S 拳打S 潜水S 魔防S 精癒S 治療S 天知I 黄金律I



天災剣エアの効果。

ありとあらゆる属性の魔法を吸収し、それを媒介にして、天災規模にまで昇華させ、そのエネルギーを発射させる。エネルギーを剣に宿し、そのまま戦うこともできる。
不壊属性。かつて、アストレアファミリアの団員達を屠った、モンスターの魔法を反射する骨の鎧の仕組みを理解し、魔法を


防具の効果。

ありとあらゆる魔法を吸収できる。吸収したエネルギーを使って、耐久性を上げる、もしくは回復することもできる。背中に付いているエンジンのエネルギーとして扱うこともできる。不壊属性。
衝撃を吸収し、相手に、その衝撃を倍にして返すことができる。
ガントレットの効果。

ガントレットの合間にある、少しの隙間から、精製金属(オリハルコン)で作られた弾丸を撃つことができる。ガントレットに受けた衝撃を吸収し、その衝撃を貯め、攻撃に転じることもできる。
吸収した衝撃は最大10倍にして返すことができる。魔法を吸収することもできる。吸収したものを防具の方に回すこともできる、逆もまた然り。

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