世に不思議は多くあり、されど人はその勇気と好奇心、そして叡智によってその不思議を解き明かしてきた。
されど、世界の謎はいまだ多くある。
いまだ解き明かせぬ謎の中に潜む存在を、人は「妖怪」と呼んだ。
そして、その妖怪と我々人間をつなぐ存在がいた。
彼の名は「ゲゲゲの鬼太郎」。人間と妖怪の間に立ち、それぞれの調和を願うもの。

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悪ふざけと言えば悪ふざけですが、再びゲゲゲの鬼太郎がテレビアニメに登場すると聞いて、ワクワクが止まらず、ほとばしる情熱と欲望のまま、筆を取った次第です。
とはいえ、この一話だけですが。
軽い気持ちで読んでみてください。

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今再び、妖の世界へ

科学、それは人間の好奇心が導き出したこの世界の理を紐解く技術。

されど世界にはいまだ奇々怪々、奇妙奇天烈、摩訶不思議なるもの、多くあり。

これより案内(あない)いたすは、科学では到底説明しえない存在の物語。

古来、人が恐れ、敬いし存在と人間とが織りなす物語。

人はその存在を「妖怪」と呼んだ。

 

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やぁ、人間のみなさん。僕はゲゲゲの鬼太郎です……このたび、僕たち妖怪は再びテレビの中で、あなたたち人間の世界にやってくることになりました……

え?どうせ、子供向けの勧善懲悪のありふれた物語になるんだろうって?

ははは、ご冗談を!

 

僕たち妖怪は、本来、僕らの住処である自然の中で、ひっそりと生きているだけですよ?

たしかに、中にはいたずらをする奴らもいますが、そんなのは可愛いものでしょう……本当に僕らがあなた方に牙を剝くのは、僕らの居場所を無理やり奪おうとする時だけなんですから……

 

僕や父さんの生みの親で、妖怪の存在を広く皆さんに知らしめた、偉大な漫画家の一人である水木しげる先生が僕らの仲間入りを果たしてからも、皆さんは僕たちの住処を奪うことしか考えてませんよね?

 

そんな中で、僕や僕の仲間たちが皆さんを守るために戦うと思いますか?

それこそナンセンス!

 

知りませんよ?これ以上、妖怪を怒らせても……今度こそ、僕は皆さんを見捨てる時がくるかもしれませんねぇ

 

え?そうならないようにするにはどうしたらいいかって?

そんなことは、自分たちで考えてください

皆さんには、僕たちの本当の姿を暴くことができるだけの好奇心と知恵、そして何より勇気があるじゃないですか

今こそ、それらをフル稼働させるときですよ

 

……おっと、そろそろ夜明けのようですね

それじゃ、僕はこれで……

くれぐれも、僕たち妖怪をあまり怒らせないようにしてくださいね?

そうでなかったら……どうなっても、知りませんよ?

 

……え?そもそも妖怪なんているはずない?いたとしても友達になれる?

……ふ……ふふふふ……あははははははっ!!

いつまでそんなことを言っていられますかね?

 

……ほら、あなたの後ろの暗闇に!!

 

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世に不思議は多くあり、人はその多くを知恵と好奇心で解き明かせり。

されど、いまだ人はその全てを解き明かすこと能わず。

ゆえに、解き明かせぬ理の外に在りしものたち、いまだ暗躍せり。

人、それらを妖怪と呼び、今なお、畏敬の念を注ぐ。

 

闇に耳すませば、聞こえるだろう。

カラリ、コロリ、カラン、コロン、カラカラコロン。

 

いずこより聞こえる下駄の音。

其の主は妖怪の存在を広く人に知らしめ、人の傲慢を戒めるものなり。

人、彼の存在をかく呼びけり。

ゲゲゲの鬼太郎、と。


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