フラン(極夜)「で?こんなに投稿期間が空いたのは何でなんだ?」
龍夜「仕事や年末の準備、その他etc・・・」
フラン(極夜)「・・・お疲れさん、という訳で長らく待たせてしまったが本編のほうをどうぞ」
在り方と存在意義(改)
自分が何者なのか、どうして生み出されたのか。龍神王という役職を与えられ天界を管
理していたあの頃の自分は何回も自分に自問自答を繰り返しては出る筈のない問いに悩んでいた。
自分がやっていることは本当に正しいのかそうでないのかと自分のやっている事に疑問に思ったこともある。神王として自分が為すべき使命、それが全て正しいのかと聞かれれば今の自分ならはっきりと『全部が正しいとは限らない』と答えるだろう。あの時白夜の言葉にちゃんと耳を傾けていればこんな事にならずに済んだのかもしれない。
旅をしていた時もそうだった。守る為に殺しを正当化した事は何度もあった、救う為に
わざと汚れ役を演じた事もあった。今となってはあの時の自分の行動は仲間を救えなかった自分に対する『罪』から目を背けようとしていただけの愚かな行為に過ぎない。
人間として生きていた時もそうだった。父親と母親が死んだ時自分は何とも思わなかった、『悲しい』とも感じなければ『寂しい』とも思わなかった。『死』という現象を当たり前の事だとしか感じなかった。自分でもなんで平気でいられるか分からなかった、あの時は神王としての記憶も紫達と過ごした記憶も忘れていたから『死』を身近な物としか感じなかったのかもしれない。
だがそれは言い訳に過ぎない、俺は逃げ続けていた。人間に転生したのも自分が犯してきた『罪』から逃げようとしただけ。
異変は終わった。レンさんが昔の俺を止めてくれたお陰でなんとか大事にならずに済んだ、だが俺は未だに現実に戻ることを拒んでいる。
怖いのだ、今まで一緒に過ごしてきた家族に拒絶されるのが。
そもそも俺が本当になりたかった物は何だったんだろう?
『
『
『
分からない・・・ナニモワカラナイ・・・
もう嫌だ・・・誰か殺してくれ・・・誰か俺を・・・
コロシテ・・・
◇
長らく続いていた冬は終わり、幻想郷に春の季節が到来した。
だが当事者や異変の概要を知る者達にとってはまだ今回の異変は終わってはいなかった。解決に向かった『星屑極夜』は未だに意識が戻らず昏睡状態が続いている。
アイ・スカーレットとの戦闘で意識不明となった博麗霊夢も道中の戦闘で受けた傷が治らず絶対安静の状態が続いていた。
今回の異変の主犯と極夜の過去、そしてこの世界の『フランドール・スカーレット』に憑依転生していた事実を唯一知るレン達は永遠亭の一室で今回の異変の真実をこの場に集まった者達に話した。
「・・・これがお前達が知りたかった事だ」
レンが告げた真実・・・それはこの場に集まった当事者達の心に深く突き刺さった、中でも八雲紫を含めた彼を昔から知っている古参の妖怪達への精神的なダメージは大きかった。
賢者である八雲紫は誰よりも『星屑極夜』を理解し、尊敬し、愛していたつもりだった。だが彼が心の奥に秘めた想いを・・・彼が体験してきた過去を知らなかった。誰よりも近くで見てきた筈なのにどうしてあの時極夜を止める事が出来なかったのか、どうして彼を救えなかったかと後悔ばかりしてきた。
こうして再び彼と出会うことができた・・・再会することができた、だが彼の意識は戻らない。心臓は動いている、呼吸はしている、だが彼は死んでいるかの様に眠っている。そんな彼の姿を見る度に自分の無力さに腹が立つ。何が大妖怪だ、何が妖怪の賢者だ、肝心な時に自分は何もしてあげられない、極夜の意識が目覚めるのを待つ事しかできない。
「それで貴方がこの世界に介入した本当の理由は何ですか?結界に干渉されずに極夜様と接触していたということは今回の事態が起こるということを以前から予測していたからではないのですか?」
紫の従者である八雲藍の言葉はもっともだった、だが今回はレンでも予測できない事だった。『歪み』というものはどの世界でも付き物だ、決して歴史通りに事が進むとは限らない。その歪みを修正するかどうかはレンとゼウスの判断によって決められる、そしてその世界に大きな影響を及ぼさない歪みの場合直接的な介入は行わず『傍観』という処置が下される。
しかし今回の様に本来の歴史通りに事が進まないどころかその世界の崩壊に匹敵する歪みが起きた場合介入せざるを得ない。レン達が介入したことで結果的にだが今回は何とかなったが、一度起こった歪みはそう簡単には戻りはしない。今回起こった『歪み』をきっかけにこの世界で本来の歴史では起こりえない事態がまた起こってもおかしくないからだ。
「私達がこの世界に来たのは個人的な用事で彼・・・『星屑極夜』に会いにきただけさ。こんな事態になるなんて私もレンも予測してはいなかったよ」
「個人的な理由?どういうことですか?」
「そのことについては黙秘権を行使させてもらうよ、僕はただレンについてきただけで詳しい事情は聞いていないからね」
「・・・分かりました、深くは聞きません」
「助かる・・・それと本来ならこの件に深入りするのはやめにする所だけど今回ばかりは私達も黙って見過ごす訳には行かない。暫くはこの世界に滞在させて貰うが、いいかい?」
「構いませんわ。本来なら私達がなんとかしなくてはならないことですが、極夜が居ない現在・・・もしもの時の為に戦力が多いに越したことはないですもの」
レンは二人の会話を聞き流しながら横目で紅魔館の面々の様子をじっと観察していた。当主であるレミリアは帽子を深く被り表情は見えないが、どんな表情をしているかは容易に想像できた。他の面々はレンの話をまだ受け入れられずに俯いていた。だがレンに同情の気持ちも無ければ慰めの気持ちも無かった。
極夜の件は完全にレン達に落ち度があったがフランの件に関して極夜は無関係・・・いや被害者といってもいいだろう。無関係な彼に全ての責任を背負わせるのはお門違いだ、むしろ彼は赤の他人だったレミリア達に心配を掛けさせまいとレミリア達の前ではずっと『フランドール・スカーレット』を演じていた。肉体に宿った『記憶』を頼りに彼女達の前では決して笑顔を崩そうとしなかった。
それがどれ程までに辛いことだったかは嫌という程レンは分かっていた。『嘘』をつき続けてもいずれはばれるということも分かってはいる。だが彼は優しすぎる・・・それが今回の『歪み』を引き起こす要因になったともいえるだろう。
(苦しんでいる時に何もできない自分が嫌になる・・・)
レンは溜息を一つ吐き、誰にも気づかれない様に部屋を出た。今は誰とも話したくなかった。
◇
縁側に座り懐から煙草を取出し、火をつける。暫く吸っていなかったせいで少し咳き込むが気にせず吸い始める。
思えばこの世界に来るのもいつぶりだろうか・・・この世界を去り元の役目に戻った後、様々な世界を回った。しかし心の中にはあの日からぽっかりと大きな穴が空いたままだった。霊夢達の記憶を消し、自分が居た記録を全て抹消したあの行為が間違っていたのかそうでないのかなんて現在でも分からない。一つ心残りがあるとすれば『さよなら』の一言も言わずに去ってしまったこと位だが。
「結局神も神王も・・・居ても居なくても何にも変わらない。ただ管理して傍観して都合の悪い時に介入するだけ・・・」
嘗ての自分を否定する訳でもないが全部が正しかったと言う訳でもない。何が『善』で何が『悪』なんて誰にも分かる筈もない・・・神は時と場合によってその善悪すらも否定する。人間の愚かな行為にも、同族の神が起こしたことにも。
極夜が神王として生きていた時に抱えていた悩みは今自分が抱えるそれと同じだ。だからこそあいつは今も自問自答を繰り返している、出る筈の無い答えを探して彷徨い歩いている。結局今の自分にできるのは待つことだけ、自分の家族を・・・弟子を信じて待つことしかできない。
(つくづく嫌になる、自分の在り方に・・・自分の存在意義に)
「お兄様・・・ここに居たの」
後ろから聞きなれた声が聞こえ、振り向くとアイが居た。この世界の霊夢と戦ったと聞いたが能力を使ったことは極夜と戦っている時に気づいてはいた。しかしまさか気絶させてでも霊夢を止めるとはレンも予想できなかった。
アイがどんな想いで霊夢を止めたのかは分からない、しかし極夜の為に神王の力を使ったというのは分かってはいた。そのことを咎めるつもりもなければ叱るつもりもなかった、もしあの歪みが原因でこの世界の中心たる彼女が死んでしまえば『崩壊』へと繋がることは火を見るより明らか・・・アイも望んでやったことではない。
「もう傷はいいのか?」
「かすり傷程度たがら心配しなくても大丈夫だよ。それに私の強さは知っているでしょ?」
「まぁ、そうだが・・・」
「隣いいかな?」
無言で頷く。一緒に居ることは多いが、お互いの都合が合わない事が多い為基本二人きりで話すことは少ない。神王の仕事を詳しくは知らない、アイは仕事の話を自分の前で話すことはない。心配させまいと気を遣っているのか、言えない理由でもあるのかは分からないがアイの性格故仕方のないことなのかもしれない。
夜風が二人の頬を撫でる、静寂が辺りを包み月明かりだけが二人を照らしていた。暫くの間二人は口を開かず黙っていたが最初にその静寂を破ったのはアイだった。
「こんな事を言うのも何だけど、最初に出会った相手が極夜だったら間違いなく惚れていたと思う」
「どうしてそう思うんだ?昔の俺と似ているからか?」
アイは首を横に振り、こう返した。
「お兄様と似ているとかじゃなくて、昔の私そっくりな所にかな・・・フランを守る為に誰とも関わらず生きていたあの頃の私に・・・」
「そりゃ最初は極夜のことは何とも思ってなかったよ?でも、極夜と過ごしていく内にだんだんほうっておけなくなったりする事が何度もあった・・・まるで目を離したら私達の前から居なくなっちゃう気がして・・・凄く怖かった」
―――だから極夜の笑顔だけは無くさせたくないって思ったんだ、心の底から・・・
アイの言葉はレン自身へ向けた言葉でもあった、現在のレンは昔程笑う事が少なくなった。だが極夜と過ごす内にレンは笑う様になっていた、嘗て失った少女と過ごしていたあの頃の様に。アイは二人の笑顔が好きだ、辛い過去を経験し同じ道を歩んできた二人には幸せになって欲しいと心の底から願っている。例えこの先どんな過酷な運命が待ち受けていようと二人の為なら自分の命を犠牲にしてもいいと思っている。
『歪み』が原因で同族の神達と一死交える状況があってもおかしくはない、極夜の身内も含めてだ。だからこそアイも覚悟しているのだ、同族を・・・仲間を殺す覚悟を。
(今はただ時が経つのを待つしかない・・・極夜が選択し、戻って来るその日まで)
状況は一変して変わらないがレンの覚悟は決まっていた。そこに神としての使命や目的はなかった、ただ現在を生きる者としての覚悟を決めた。守る為にその手を血で染める事を・・・
龍夜「仕事がこんなに忙しくなるとは予想してなかったよ・・・」
フラン(極夜)「それにしたって投稿に時間掛かりすぎだろ!?もう少し頑張れよ・・・」
龍夜「社会人になった現在となっては時間ができた時は大抵別の用事を優先してしまうからどうしても執筆のほうに手が回らないんだよね・・・」
フラン(極夜)「時間が限られている以上投稿が遅れるのは致し方なしということか」
龍夜「そういう訳で次回の投稿もいつになるかは分かりませんが時間の合間を見てちょくちょく書いていくので気長に待って下さると有難いです」
フラン(極夜)「それじゃ、また次回な」