今は素直になれないけどいつかは素直になりたい   作:王者スライム

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0話の主人公視点のお話です。


第1話 少年の日常(表)

 今日も神社へ向かって歩く。妖怪等も出てくる可能性があるのだが霊力で自分の身体能力を上げれば普通に逃げ切れる。妖怪など俺の相手では無いのだ‼……まあ、戦ったりはしないけど。怖いし。

 

そんな事を考えていると神社の前の階段にたどり着いたようだ。その階段をゆっくりと上がって行く。そして鳥居の横を潜り抜けまず賽銭箱に5円玉を入れる。そういえば先に一礼するんだっけ?まあ、次からでいいや。

 

ーーーーーチャリンーーーーー

 

静かな空間に音がなる。まあ、鳴らしたのは俺だけど。さて居るか分からん神に自分の存在を知らすため鈴を鳴らす。

 

ーーーーーガラッガラッガラーーーーー

 

あとは二回礼をして、手を叩く……筈だ。

 

ーーーーーパッパッンーーーーー

 

そして一礼……毎回ここでこんな事をしてる人はいるのだろうか。神社だし、しないといけないんだけど……原作だと居るようには見えないんだよなぁ……まあ、いらないシーンだしカットするのは当たり前だけど。

 

「あんたまた来たのね」

 

そんな声を聞き俺は顔をあげる。そこに居たのはここの神社の巫女。東方projectの主人公の一人である博麗霊夢だ。最初にあった時から言葉が厳しい気がする。そりゃあ、参拝客は俺だけじゃないだろうからそんな扱いはうけるかも知れないけど……まあ、問題は俺にあるわけだが。

 

「別に来て良いだろう?唯一来てくれる参拝客にその態度、これだからここの巫女は……」

 

そう問題なのは俺のこのケンカを売るような言い方だろう。だが、これには理由がある。それは俺の能力が原因だ。

 

「うるさいわね。別にあんたが唯一の参拝客じゃ無いわよ」

 

しかし、霊夢の声を聞くだけで幸せになれる気がする。それは恐らく気のせいでは無いだろう。見た目が綺麗だと声も美しくなるのだろうか。

 

「……その声を聞くだけで不幸になるような気がするよ。気のせいだと思いたいがな」

 

俺の能力、それは【自分に素直になれない程度の能力】。これにより、思ったこととほぼ逆の事を言ったり、良く分からん事を言ったり、相手を挑発したりしてしまう。一人の時はほぼ発動することは無いのだが……おかげで人里の俺への評価は最悪だったりする。俺はただの人間だと言うのに……。

 

「じゃあ、来なければ良いじゃない」

 

恐らく霊夢の俺への評価も最悪だろう。泣きたい。でも、ここに来ない訳にもいかないよな。霊夢にと言うか原作キャラに会いたいし……相変わらずここの神の加護はあるのかは分からんけど。

 

「それもいいな。貴様に会いたい訳でも無いのだしそうした方が良いのかもしれん。だが、ここの神の加護は素晴らしいものでな……巫女の対応を気にしなくても良いほどにな」

 

仲良くなりたい相手に対してこの仕打ち……果たして俺はツンデレキャラとなってしまうのだろうか……まあ、デレないしそれは無いだろうけど。

 

「ならおかしいわね。何でここの巫女をやってる私にその加護が無いのかしらね?」

 

多分、ここの神に加護なんてないから気にしない方がいいっすよ。まず、神が居るのかどうかも分からんし。

 

「お前には難しい話かもしれんがここに神が居るからだ。全く、神は加護を与える人間を見極めている。」

 

と言うか、時折訳分からん事を言うんだよな。何で時折相手を挑発するような事を言うのか……俺自身は仲良くしたいと言うのに、あっ、だからか。

 

「……どういう意味よ?」

 

ほら、霊夢もキレそうじゃん。はよ、謝れよ俺。

 

「言っただろう?お前には難しい話ってなあ?」

「決めたわ、あんたは今潰す」

 

……知ってた。と言うか、霊夢が怒ったらヤバいと思うんだけど。手を止めてくれるかな?

 

「やるなら手を止めるなよ?そうじゃなきゃつまらん」

「当たり前よ‼」

 

何ドM発言してんですかねぇ……て言うか、弾幕が当たりそうなんだけど……ギリギリ当たって無いとはいえ。

 

「おいおい……巫女の本気はこんなもんか?」

「んな訳無いでしょうが‼」

 

さすが俺の能力。相手の挑発を忘れない。と言うか、弾幕で周りの景色が見えないんだけどヤバくね?まだ、当たって無いけど。

 

「チィ……すばしっこいネズミね」

 

……まさかの隠喩だよ。せめてすばしっこいネズミのようねっていう直喩で言って欲しかった。隠喩だとなんか悲しいし。

 

「まるでネズミのようなんて誉められ方は初めてだな……しかし、よくも私の初めてを奪ったな?」

「変な言い方するんじゃ無いわよ‼」

 

絶対、誉められて無いし、むしろ貶されてるし。むしろと言うか普通に貶されてるだろ、どんな前向きだよ俺。俺の事なのに他人行儀の俺。良く分からんな。あっ、この弾幕は自分の力で避けられるか。

 

そう思いその弾幕から避けようとすると逆に体が当たりに行って弾幕に当たった。……まさか避けようと言う気持ちに素直になれなくて当たりに行ったのか?で、これまでの弾幕は当たると、思っていたから素直になれずに避けれてたのか……なにこの能力、使いにく⁉

 

「ああ、もう当たったのね。もちろん一発じゃ済まさないけど」

「……面白い状況だな。しかし、たかが一発だ」

 

いや、全然面白く無いし、一発でもめちゃくちゃ痛いんだが……。

 

「その一発が致命傷でしょ?あんたはただの人間よ」

「私はネズミじゃ無かったのか?どうやら私の種族は秒刻みで変わってるようだな」

「ああ、言えばこう言う……全くきりが無いわね」

 

と言うか勝手に喋る時もあるんだけど俺の能力まじでどうなってんだ?おかしくね?て言うか、まだ痛くて弾幕を避けられる気がしない……でも、体は勝手に避けてくれる……便利なんだか便利じゃないんだが。っと、やっと弾幕を止めてくれたか。よし、話合いといこうじゃないか……。誤解が解ける事も無いだろうし更に深まる気がするけど。

 

「そろそろ帰るとするか……全く無駄な物も貰ってしまった」

「別にもっとあげても良いのよ?」

 

やめてください、死んでしまいます……わりとマジで。

 

「そうか、なら貰おう。」

 

いや、ドM発言すんなよ俺。ちょっと霊夢引いてるじゃん。別にドMじゃないからな⁉

 

「……あんたってドMだったのね?」

 

ほら、勘違い起こってるじゃん‼おい、早く修正しやがれ‼

 

「そうかもしれんな。まあ、貰ってあげないとお前が悲しんだりするかもと思ったのさ」

 

いや、何そんな雰囲気醸し出してんの⁉完全に否定しろよ‼……ああ、そうか、能力のせいで否定できないのか……マジふざけんな。

 

「そんなので悲しむ訳無いでしょ」

 

だろうね。俺は賢いから分かる。だから話し合いをしようぜ?能力のせいでケンカしか起きない気がするけど。

 

「そうかい、そうかい。では、また明日来るとしよう」

 

どうやら能力は帰るのをご所望の様子だ。まあ、俺がもうちょいこの場に残りたいと思ってるからだろうけど。

 

「二度と来なくていいわよ」

 

……泣きたい。

 

 

 

 

 

 

どうも、どうも俺は今どこにいるでしょうか?ヒントは花畑……これ完全に答えじゃん。まあ、いいや。早くアイツとの約束守って早く帰ろう。しかし、花はいいよな……話をしないから嫌われ無いだろうし、食えるやつもあるし、何より美しい花が多い……まあ、花を愛でるのはこれぐらいにして、アイツのところでも行こうっと。

 

「ほう……」

 

目の前に飛んできたのは光線。あっ、これ死んだ。

 

「ふむ、面白い」

 

……さすが能力。これで使いこなせれたらいい能力かもしれ無いのに……まあ、いい。まず、アイツに文句を言わなくては。ここの歓迎は最悪で主人の性格の悪さが出ている……それぐらい文句を言わなくてはアイツも止めないだろう……言っても止めるとは到底思えないが……そんな事を思っているとアイツの元にたどり着いたよし、言ってやるか。

 

「やはりここは素晴らしい歓迎だな。ここの主人の性格の良さが出ている。他の者にもやってみるといい」

 

……能力の事を忘れてたわ。普通に誉めてるじゃねーかこれ。と言うか、他の人にやるように薦めるなよ……。

 

「もう他の者にもやってるわ」

「それは、それはいい心がけだな」

 

何がいい心がけだよ……そしてコイツも鬼畜過ぎるだろ……早く約束守って早く帰らねぇと、俺が死ぬかもしれんな。

 

「そこらじゃ買えない酒だ。気軽に飲むと良い。で、そちらの方はどうだ?」

 

そう言って俺は鞄から酒を取り出し渡す。なんか適当に歩いてたら見つけた酒だ。まあ、缶ビールだから人里じゃ買えないだろ。

 

「私が作った野菜よ。そこらのとは違うわ」

 

そう言ってコイツは袋を渡して来た。そしてそこから人参を取り出す。うわっ、旨そう。今日の晩御飯の贄にでもなって貰うか。

 

「確かにこりゃあ、なかなかない野菜だ。素晴らしい物だな」

 

ちなみに俺の能力は睡眠と食事に関する物や事に対しては確実に素直になる。口調は直らないけど、いくら能力でも三大欲求には勝てないということだろう。

 

「当たり前よ……あなたの用意した酒もなかなか見ない物ね」

「それこそ当たり前だ……しかし俺もなかなか面白い妖怪に出会ったものだな」

 

何を拾った酒で偉そうに……あとコイツは全然面白くないと思います。鬼畜で化け物のどこが面白いと言うのか……一応原作キャラだけども、怖いんだよ‼

 

「私もなかなか面白い人間に出会ったものよ」

「「フッ……ハハハハハ‼」」

 

何笑ってんだこいつら……片方は俺だけどな‼……なんか飲み物持って来たらよかったな……ちょっと喉が渇いてしまった……。

 

「ああ、そうだ。少し喉が渇いたな……紅茶でも入れてくれないか?勿論茶菓子はちゃんと持って来てある」

 

恐れを知らない俺の能力……もう、能力って名前の別人格でいいよ。だから真相心理とかなんかに潜って二度と出て来ないでくれ。そしたら、俺もみんなと仲良く出来るだろうから。

 

「あら、そう。楽しみだわ」

 

そう言ってアイツは自分の家へと戻って行った。……ああ、空は綺麗だな……ってなんか飛んでいかなかった? 

 

「号外‼号外号外だよ‼」

あれ、声が、遅れて、聞こえて、来たよ?……なんか落ちてきたな?号外って言ってたし新聞か?そう思いそれを手に取る。そこには大きな文字で

[スペルカードルール発令]

と書かれていた……よっしゃ‼つまりここから紅霧異変とか春雪異変とかが起きる訳だ……ならば俺も参加出来る筈だ。たしかスペルカードのやつって女、子供のルールだったと思うから俺も参加出来る……よな?

 

「あら、何かしらその新聞」

 

……心臓に悪いから急に出てくるのは止めて欲しい、怖いから。

 

「号外らしいぞ?何でもスペルカードルールというものが発令したらしいな」

 

そう言って俺は新聞を渡す。ソイツは暫く読んでいたが、すぐさまクシャクシャに丸めてそこら辺に捨てた。マジ鬼畜。新聞を作った人の気持ちになれよ……。

 

「この前、アイツが確かこのルールに関して詳しく載ってる紙を持ってきたわね。このルールに従えって言いながら」

 

……多分紫の事だろうな。確かスペルカードルールを作ったのって博麗の巫女と妖怪の賢者だったと思うし、妖怪の賢者って言ったら紫しか思い付かない。まあ、前世は原作未プレイだったし、仕方ないか。

 

「ほう、それはそれはら命知らずの者も居たものだ」

 

多分、命知らずじゃなくて勝てるからって自信があったからだと俺は思う。紫って俺のイメージだと危ない橋は渡らないような感じがするし……まあ、それを言葉にして他人に伝える事はできないんですがね。

 

「一応あなたもアイツから命知らずって呼ばれてるわよ?人間の癖にって」

 

俺の場合、命知らずじゃなくて約束を破った後が怖いから来ているんだよな……コイツたまに人里来るから会うかも知れないし。と言うか、勝手に命知らず認定は少し腹が立つところなんだよな……まあ、報復も何もできないけどね‼

 

「まあ、いい。茶菓子でも、食べよう」

 

俺は鞄からカステラを取り出す。これで俺を見逃してくれ‼と言う時に使うものだったが、意味も無くここで消費しないといけないようだ……まあ、こっちも紅茶入れて貰ってるし仕方ないかもしれんが……まあ、そのぶん紅茶は飲むとするか……。

 

「旨い」

「それは良かったわ。あなたが持って来たカステラも美味しいわよ」

「ふむ、そうか。それは持ってきた甲斐があったと言うものだ」

 

まあ、誉められて喜ばないやつはそこまでいないと思う。たとえ俺の能力を発動させていてもだ。いやまあ、勝手に発動してるだけだけども……本当になんとかなんないかなこの能力……。まあ、いいや。暫くここから逃げられそうに無いし、大人しく会話でもするか、折角紅茶も飲めるんだからな。

 

 

 

 

 

 

「さて、今日はこれでお開きにしよう。恐らくまた来る」

 

俺は野菜の入った袋を持ちながら言う。俺の気持ちとしてはもう来たくないが……

 

「じゃあ、また会いましょう」

 

なぜかコイツとは仲良くなってる気がするんだよな。この前、人里でも話かけられたし……そのせいで俺の評価は更に下がったが……まあ、原作キャラと仲良くなれるというのは悪い事ではない。だが、何故コイツなのだとは言いたい。

 

この前は修行とか言って殺されかけたし……持ってたお菓子とか二人で食べる事になるし……何より人里からのコイツへの好感度は最悪ときた……俺としては険悪ではなくなおかつ仲が良いわけではないという関係でいたいのだが……もう無理かねぇ……もう、いいや帰ろう。そう判断を下し俺は自分の家へと向かった。




(7月22日 大幅修正)
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