オリジナル展開+かなり端折ってます。ご了承ください
"そうだわ!船に乗りましょう!"
次の練習日を決めるために集まったはずだが、こころの一言でナイトクルーズに行くことになった。
もちろん最初は奥沢さんも花音さんも驚いていたが、仕方ないか…と半分諦めモードに入ったのでみんなで行くことになった。
各々の準備があったため3時間後、弦巻家では想太とこころが正装に着替えていた。
こころは赤いドレスを、想太は黒のタキシードを着てリムジンに乗り込んだ。
「なんで俺はタキシードなんだ?別に私服でもいいだろう」
「パパが着てくれ。って言ってたのよ!」
「なるほど…。こころはこころで赤いドレスか。船に乗るときはいつも着てないか?それ」
「いつもこれを着るって決めてるのっ!」
「そうだったのか。いつにも増して綺麗だな」
「ありがとう!」
リムジンが止まり、最初に薫さんをリムジンの中へ案内し、その後はぐみちゃんと花音さんを迎えに行った後、最後に奥沢さんを案内すると、リムジンは船まで走り始めた。
「すごいね…」
「車の中にいる感じしませんよねこれ。今でも乗ると緊張するんですよ。なんか怖くて」
「その気持ち、なんとなくわかります」
花音さんと奥沢さんと想太の3人はいつも通りにしているが、こころやはぐみちゃん、薫さんはいつもよりはしゃいでいた。
2人に関しては普段見慣れないものを見ているからだが、こころはこれから起こることを考えているためはしゃいでいる。
「お嬢様、そろそろ港に到着致します。ご準備を」
「ええ、わかったわ!」
それからしばらくしないうちに港に到着し、全員が車から降りると目の前には巨大な客船が停泊していた。
「相変わらず大きいなぁ」
「想太くんも乗ったことあるの?」
「まぁ1、2回ですけどありますよ。こころの付き添いとかで」
皆が客船の入り口に乗り込んだあと、最後に薫さんが入ろうとすると、黒服がそれを止めた。
「おや?どうしたんだい?」
「実は・・で、・・・をしていただきたくて」
「なるほど。余興ということか…。実に儚いね。わかった、華麗に演じきってみせよう」
☺︎ ☺︎ ☺︎ ☺︎ ☺︎
船内に入ると外装よりも数倍煌びやかな装飾が数多くあり、特にシャンデリアは家にあるものよりも大きい。
エントランスではこころとはぐみちゃんがそわそわとしており、奥沢さんと想太がそれを止める。
「あ…あはは」
花音さんが苦笑いしていると、黒服さんが花音さんの元へやってきた。
「松原様にぴったりのお召し物を用意いたしました。是非着ていただきたいのですが…」
「ふぇ?」
黒服さんがそう言うと花音さんをどこかへと連れて行ってしまう。
「あれ、そういや薫さんもいないし…って、あれ、花音さんもどっか行った?」
「さっきまでいませんでした?」
「ねぇこころん!はぐみ、甲板行きたい!」
「えぇ!行きましょう!行くわよー!はぐみ!」
「おぉー!!」
こころとはぐみちゃんが走ろうとした時だった。
想太たちがいたエントランスの電気が消え、なにも見えなくなってしまったのである。
何度か船に乗ってきたがもちろんこんなことは初めてである。
「えええぇ!?急に暗くなっちゃったよ!」
「停電、ですかね」
「だと思いますよ…。大きい船だから予備電源くらいあると思いますし、すぐ直るんじゃないですかね」
奥沢さんの言う通り、停電はすぐ直り、エントランスの電気がついた、のだが………
「豪華客船『スマイル号』へようこそ!素敵な夜だね!可愛いお嬢さん達と素敵な王子様!」
「んんっ?誰だこの人」
「私の知り合いではないわ!」
「もちろん俺の知り合いでもないぞ」
「私の名は怪盗ハロハッピー!今夜はステキなお姫様をさらわせてもらうよ!」
怪盗ハロハッピーと名乗る人は高らかに笑い、脇に1人の女性を抱えている。
「ふぇぇ…」
「花音さん!?」
「何する気だよ怪盗さん」
「なに、彼女に乱暴なことはしないさ。そうだな…まずはカジノで待つ。さらば!」
怪盗は煙玉を使って視界を悪くしたあと、姿を消した。
花音さんがさらわれてしまったのだが、どうもしっくり来ない。
「つい本気で焦りかけたが、これってもしかして」
「もしかしなくても…だと思いますよ」
「奥沢さん…」
2人は既に気づいていた。怪盗ハロハッピーが誰なのかを。
ただ、それをここで言うのは野暮だと思い、こころたちの後を追うことにした。
☺︎ ☺︎ ☺︎ ☺︎ ☺︎
「…大丈夫ですか?」
「はぁ…はぁ…はぐみもこころも速すぎる…。ぜー、ぜぇ…」
「とりあえず水です。ゆっくり飲んでください」
「ありがとうございます…はー、生き返る」
相当全力で走ったのか、奥沢さんは息を荒げて座り込んでいる。
「相変わらず広いなぁここのカジノは」
「カジノって、あたし達みたいな人たちがいていいんですか?確かダメだったような」
「大丈夫ですよ。ここで使われるコインはすべておもちゃのコインです。だから自分たちでも遊べます」
「そうだったんですか…。けど、怪盗は来てないですね」
「ですね。なんかあったんですかね」
想太がこころとはぐみちゃんの方を見ていると、2人は息を合わせて「怪盗さん!花音を返しなさい!」とビシッと指をさして言う。
すると怪盗は華麗にやってくると思いきや普通に歩いてきた。
「待たせたね」
「あ、きた」
怪盗がポーズを構え、話を続ける。
「悪いが君たちの想いに応えることはできないよ。このまま返すのはつまらない。だからここで勝負をしようと思う」
「カジノで勝負ですか…こりゃまた洒落た感じですね」
「勝負!?いいよ!ソフトボールでいい!?」
「………」
まるで話を聞いていないはぐみちゃんに、流石の怪盗も返す言葉が見つからなかったのか、少し沈黙が続く。
「…そうだね。せっかくのカジノだ。ルーレットでもやろうか」
「ルーレット?どうすれば勝ちなの?」
「なに、難しいことはない。赤か黒のどちらかを選んで、ボールが落ちた方が勝ちさ」
「ふーん、なら簡単だね!」
はぐみちゃんは一切の迷いなく、言葉を続ける。
「勝利の炎は赤だから、赤!」
ビシッ!とルーレットの台を指差し、はぐみちゃんは真剣な表情を見せる。
あまりに単純だが、それもはぐみちゃんの意思なのだから、後から言うのも野暮だ。
想太ははぐみちゃんの想いに反対することなくそのまま続けようとする。
「待ってはぐみ、はぐみの選んだ色で花音さんが戻ってくるか来ないかが決まるんだよ?もっと慎重に考えた方がいいんじゃない?」
「まぁまぁ…いいじゃないですか…」
「…むう」
想太の介入でようやく諦めた奥沢さんを見た怪盗は、またしてもポーズを決める。
「決まったかね。なら私は黒にしよう。ディーラー、ルーレットを回してくれ」
「はい」
いつのまにかディーラーになっていた黒服さんはルーレットを回した。
「ふふ……」
「どっちだ…?」
ようやくルーレットの台が止まった。
ボールが入っていた色は……。
「……黒、だね」
「え、嘘…」
「私の勝ちだ。と、言うわけでまだお姫様は返せないね」
「ちょっと待った怪盗さん」
「おや…?」
去ろうとする怪盗を想太は止める。
「カジノって広いんですよ。ここにあるのはルーレットだけじゃない。わかります?」
「はははっ、面白い事を言うじゃないか王子様!」
「んなぁっ!?」
「そうだな……ポーカーで勝負だ。俺が勝ったら花音さんは返してもらおうか」
「ふふふ…わかった。じゃあ始めようか」
想太はタキシードの上着を脱ぎ、ワイシャツの腕をまくったあと、体を動かす。
「よっしゃー、やったるぜ」
果たして、想太は花音さんを取り戻すことはできるのか……。
「そういえば、想太はポーカーはすーっごく強かったわ!」
「そうなの!?はぐみポーカーは難しいからわかんないや」
「ハロハピ唯一の良心的存在の想太くんが負ければ勝てる気がしない…」
今回のイベントのこころが10連で出てきてくれたおかげで30連分の余裕ができたけど、ペルソナコラボで溶けそうな気がしてきた…。ハロハピ2章まで貯めたい…!