ハリー・ポッターと楽園の素敵な巫女〚リメイク版〛   作:桃聖

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二話

買い物を終え、紫と共に幻想郷へ帰った後、入学式まで時間がある為、紫やパチュリーに魔法界での常識、マグルでの常識、ホグワーツに関する事を教わることになった為、現在紅魔館の地下図書館に居る。

 

「良い?霊夢。マグルでも魔法界でも共通している事は、『人間は生身では空を飛べない』事よ。つまり、貴女は外の世界で、空を飛んではいけない。これを念頭にいれておきなさい」

 

え?なにそれ面倒くさ。

 

「パチュリーが言ったように、絶対空を飛んじゃ駄目よ。もし貴女が向こうで非常識な行動をしてしまったら、揉み消すのは私なんだから。ある程度の事までは対処できるとはいえ、できるだけ負担はかけさせないようにして」

 

仕方ない。

 

「解ったわ。空を飛ばない」

 

「わかってくれたようでなによりよ。次に、魔法界では杖を使った魔法しかない。つまり、貴女の巫術は魔法界では未知の力。人前で使う事は避けなさい。でも、決して使うなという訳ではない」

 

空を飛ぶ事は禁じられているのに巫術は良いの?

 

「魔法界はイギリスだけじゃないわ。様々な国に存在する。日本にも存在するのよ。巫術は日本の魔法界でも使われる事はあるから問題無いわ。でも、貴女が行く場所はイギリス。日本の魔法は馴染みが無いから、何が起こるかわからないから、人目は避けなさい」

 

まるで私の考えを読んでいたかのように答える紫。無駄に年食っている分、ヒトの思考を予測する事に秀でているのだろう。

 

「ん?誰がババアだって?」

 

⋯やっぱり思考読んでるじゃない。さとりなの?

 

「いいえ、紫がヒトの思考を読んでいるのは魔法よ。貴女には、絶対にこれを習得して貰わなければならない魔法の対になる魔法。その名も『開心術』」

 

普段から人の心ん中覗いてたって訳ね⋯

 

「それは違うわよ。普段は私の経験から予測して行動していたわ。だけど、貴女は『開心術』の対になる魔法、『閉心術』を習得しなければなりません。その理由は、幻想郷を覆う結界、『博麗大結界』の仕組みを知られてはならない。簡単に言えば、幻想郷に関する情報が漏れるのを防ぐ為の術」

 

「分かったわ」

 

「それじゃ早速練習しましょうか。こあ、霊夢の杖を持ってきて」

 

「畏まりました。パチュリー様」

 

パチュリーに命令された小悪魔は、図書館の奥に行き、しばらくすると、手に細長い、長方形の茶色い箱を抱えて戻ってきた。

 

「こちらでよろしいでしょうか?パチュリー様」

 

「ええ、それよ」

 

パチュリーは小悪魔から箱を受け取ると、その箱を開けた。

箱の中には杖が入っていた。杖はこぢんまりとしていて、蛇の鱗のような模様が入っていた。持ち手にはグリップがはめられていて、そのグリップには目に優しい緑の装飾が施されていた。

 

「はい、霊夢。その杖を軽く振ってみなさい」

 

そう言ってパチュリーは私に杖を渡してきた。

 

「えっと、こ、こう?」

 

私はぎこちない動きで杖を軽く振った。

すると、杖から花が出てきた。私は花には詳しくないからどの種類かはわからない。

 

「振ってみてどうだった?」

 

えらく抽象的な質問をされた。だが、なんとなく、その質問の内容が理解できた。

 

「なんか、硬い」

 

「そう。分かったわ。杖を貸して」

 

「はい」

 

パチュリーは杖を受け取ると、杖に魔法をかけた。なんの魔法かはわからない。きっと、生身では空も飛べない魔法界に行ってもパチュリーの使う魔法は何一つわからないだろう。

 

「はい、もう一度振ってみて」

 

パチュリーはそう言って私に杖を渡した。私はもう一度杖を振ると、なんとなくしっくりきたような感覚がした。

 

「どう?」

 

「振りやすくなったわ。でも、この杖あまり力を流せないわね。なんというか、眠っているみたい」

 

「使っていけば自然と貴女の力を十分に引き出してくれるわ」

 

今までずっと黙っていた紫がそう言った。まるでこの杖の仕組みを知っているような口ぶりだ。

 

「それじゃ、その杖に慣れる為に簡単な魔法を使って見ましょう。霊夢、このスプーンを針に変えてみなさい。縫い針でもまち針でも構わないわ」

 

「分かった」

 

パチュリーの指示に従い、私はティースプーンを杖でなぞり、普通の縫い針に変化させた。

 

「ふむ、完璧ね。霊夢、これはホグワーツに入学したら、変身術の授業で一番最初にやる内容よ。この様子だと、他の教科も心配なさそうね」

 

「変身術?」

 

「そう、変身術。魔法にも色々と種類があるのよ」

 

「ふーん」

 

私は変身させた針をティースプーンに戻しながら相槌をうった。

 

「変身術、呪文学、魔法薬、闇魔法、その他にも色々とあるけれど、ホグワーツで習う、主な教科だけ教えていくわ。

 

まず、変身術。名前のとおりモノを他のモノに変える魔法よ。最初のうちは物質を他の物質に変える事しか習わないだろうけど、しばらくしたら生物を物質に変えたりする事も習うわ。

 

次に魔法薬。向こうでは魔法薬学と言われているわね。呼称はどっちでも良いわ。魔法薬学の方が向こうで馴染みがある呼び方だから、魔法薬学と呼んだほうが良いわ。⋯話が逸れたわ。魔法薬学では、薬草を調合させる魔法よ。調合させるだけならマグルでもできるとでも思われがちだけど、魔法薬を調合する上で、最も重要なのが薬に魔法的効果をもたせること。魔法的効果をもたせることができるのは魔力を持つ魔法使いだけ。回りくどい言い方したけれど、簡単に言えば作っている工程で魔力を込める事が重要って事よ。

 

次に呪文学。この教科はマグルが一番イメージしている魔法使いみたいな魔法を習うわ。例を挙げるなら⋯そうね。物を浮かす呪文とかよ。

次に闇の魔術に対する防衛術ね。これは攻撃魔法や防御魔法、危険な魔法生物に有効な魔法を習うわ。

 

次に魔法生物学魔法生物に関する事を習うわ。友好的な生物、危険な生物、珍しい生物とかもね。

 

最後に薬草学。魔法薬学に使う材料を育てたりするわ。危険な薬草もあるから気をつけなさい。

 

さて、主な教科はこんなところかしら。三年生になると、選択授業とかで、習う授業が増えるわ」

 

多すぎじゃない?これで宿題とか出るんでしょ?ゆっくりしている時間がないじゃない。

 

「貴女なら大丈夫よ。宿題は適当にやってもそれなりの評価が取れるでしょう」

 

「えぇ⋯」

 

「それじゃ、次にホグワーツの説明をするわよ。

 

ホグワーツは、千年程前に建てられた古代魔法の牙城。それをゴドリック・グリフィンドール、サラザール・スリザリン、ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクローの四人が魔法学校として改造したのがホグワーツ魔法魔術学校。沢山の特殊な魔法がかけられていて、防衛機能が豊富だから、魔法界で最も安全な場所と言われているわ。そしてホグワーツは創設者の苗字を冠した4つの寮にわかれていて、それぞれ特徴がある。

 

グリフィンドール寮はシンボルがライオン。シンボルカラーが真紅と黄金。寮旗は真紅の地に金のライオン。勇敢な者が集まる寮。騎士道を重んじる。勇敢な者が多いけど、傲慢な者も多いわ。関わるときは気をつけなさい。

 

スリザリン寮はシンボルが蛇。シンボルカラーが緑と銀。寮旗は緑の地に銀の蛇。優れた才知を持つ者と狡猾な者が集まる寮。古い血を重んじる。悪い噂が多いから他の寮からかなり嫌われているわ。でも、その分寮内での結束は他の寮よりも強いわ。

 

レイブンクロー寮はシンボルが鷲。シンボルカラーが青と銅。寮旗が青の地にブロンズの鷲。機知と叡智に優れた者が集まる寮。知力を重んじる。知識を重んじるばかり、他の者に対し狭量である。陰険な者が多い。四寮の中で一番品性が悪く、悪質な寮。

 

ハッフルパフ寮はシンボルがアナグマ。シンボルカラーはカナリアイエローと黒。寮旗はカナリアイエローの地に黒いアナグマ。心優しく勤勉で真っ直ぐな者が集まる寮。誠実さを重んじる。あまり目立たない寮だから他の寮生から劣等生の集まりと言われるけど、有名人や偉人の多くがハッフルパフ寮から輩出されているわ。

 

寮はこんなとこね。次はホグワーツの隠し部屋とか、知っていると便利な隠し通路を教えるわ。喉が乾いたわね。少し休みましょうか。こあ、新しい紅茶を持ってきて頂戴」

 

パチュリーはとても喘息を患っているとは思えない量の説明をした。しかも、まだまだ説明する事があるというのだ。いったいいつになったら神社に帰れるのやら。⋯紫に至っては寝ているし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十分程一休みし、パチュリーはホグワーツの説明を再開した。

 

「さて、ホグワーツの隠し部屋と隠し通路を教えるわ。

 

ホグワーツには沢山の魔法がかけられているとーさっき説明したわよね。その魔法のせいで、動く階段や、ワープする扉とか色々あるわ。しかも、校長ですら把握していない部屋まで存在するわ。傍迷惑な仕掛けだけど、中には便利な仕掛けがある。知っていると便利な仕掛けや隠し通路、隠し部屋を教えるわ。

 

必要の部屋。別名あったりなかったり部屋。8階に存在するわ。利用する目的にあったモノが揃っている。普段はただの壁画なんだけど、望むモノを願いながら三回程壁画の前を往復すると、扉が現れるわ。

 

厨房。地下にある絵画の梨をくすぐると梨がドアノブに変化して中に入れるわ。中にはしもべ妖精と言われる召使がいるわ。彼らはほとんどのお願いを聞いてくれるわ。お腹が空いたときとか、日本食が恋しくなったときにでも行ってみるといいわ。とても歓迎されるから。

 

隠し通路。これは沢山存在して、⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にもあるわ。活用してみなさい。

 

あら?もうこんなに時間が経っていたのね。

 

じゃあ次はイギリス魔法界の情勢を⋯⋯⋯

 

 

 

 

 

 

と、言うことよ。

 

取り敢えず、ヴォルデモートはまだ死んでない。貴女が向こうにいるうちに復活するでしょう。用心しなさい」

 

やっと終わった⋯。ホグワーツの説明だけかと思っていたのにイギリスの情勢まで説明されるとは思わなかった。

 

 

「なんで死んでないのよ⋯」

 

素直に死んでおけばいいのに。面倒臭い。

 

「ヴォルデモートは闇の魔術を使っている。それも、外の世界ではとびきり禁忌とされていると言われている《分霊箱(ホークラックス)》という魔術をね」

 

名前からして面倒臭い雰囲気しか感じないんだが。

 

「どんな魔法なの?」

 

「《分霊箱(ホークラックス)》というのは、殺人をする事によって自分の魂を裂き、他の物質に込めるという魔術よ。

ヴォルデモートはプライドが高い。そこいらにあるゴミに自分の魂を入れるとは思えないわ。恐らく、ホグワーツ縁の物に込めたでしょう。しかも、何度も人を殺しているから、複数あると思うわ。でも、魂を切り裂く事にも限度がある。恐らく十回以上も切り裂いてはないと思うわ。魔法界では七が幸運数字とされているから、恐らくは七つ程分霊箱があるわ。分霊箱は邪悪な気配があるから、貴女の御札を貼れば分霊箱は分霊箱としての効力を無くすわ」

 

なんか遠回しに分霊箱を破壊しろと言われてる気もするが、私がやらずとも、さっき説明していた《生き残った男の子》とやらがやるでしょう。

 

「さて、外の世界に行く上で必要最低限の事は説明したし、閉心術を習得するわよ。ほら、紫。起きなさい!」

 

パチュリーは近くに置いてあった魔導書の角で紫の頭を叩いた。紫の頭から鈍い音がした。紫は頭を叩かれた衝撃で床に転がり、うずくまっている。どうやら目は覚めたようだ。

 

「イタタ⋯もっと他にも起こし方があったんじゃないの?」

 

「貴女にはこの起こし方が最適だと思ったの。ほら、そんなことより、閉心術の練習よ」

 

「そんなことよりって⋯。はあ、わかったわよ」

 

紫は寝起きであることも相成って、少々不機嫌なようだ。不機嫌気味な紫は立ち上がり、服についた埃を払って、私に向きなおった。

 

「霊夢、閉心術を習得するのに最も効率的な方法をするわ。私が霊夢に開心術をかけるわ。そしたら、体の中にナニカが入ってくるような感じがするから、そのナニカが入ってくるのを防ぎなさい」

 

紫がそう言った途端、身体のなかにナニカが入ってきた。私はナニカが入ってくるのを気持ちが悪いと感じてしまい、防ぐというよりも、拒絶してしまった。

紫の顔を見ると、普段の胡散臭い顔からは想像も出来ない、驚いた顔をしていた。だが、その顔はすぐにいつもどおりの胡散臭い顔に戻った。

 

「まさか一発でクリアしてしまうとはね。驚いたわ。せっかくだから、開心術も覚えましょうか」

 

「あら、さしもの霊夢でも時間がかかると思っていたんだけど。これは予想外ね」

 

その後は開心術の練習をしたが、またもや一発でクリアしてしまったので、紫に神社送ってもらい、夕食を食べて、お風呂入って寝た。





分量が多いのは前回と今回だけだと思います。次回からは千文字台だと思います。知らんけど。



『解説』

【空を飛んじゃいけない】

空を飛んで生活してきたと言っても過言じゃない霊夢さんにとっては死活問題⋯というわけじゃない。霊夢さんは歩くのも好き。まあ物語後半だと死喰い人生身で飛んでるけど。

【巫術】

空を飛ぶのは霊夢さんにデフォルトでついている能力だが、巫術は修行して得た能力なので、定期的に使わないと力が弱まる事を懸念して許可を出した。

【説明が長いパッチェさん】

あれぇ?喘息持ちじゃなかった?

【開心術と閉心術を一発クリアする霊夢さん】

これは天性の才能。流石天才。


次回は組分け。霊夢さんはどこの寮に入るんでしょうか。

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