セシリア・オルコットは転生者である   作:銭湯妖精 島風

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第10話

 

 

鈴と対話した日から約1週間程経ち、クラス代表戦の日がやってきた

 

 

私はピットの中で試合前の最終確認をしている。アレから色々と有ったが今は目の前の試合と、その後に起こる可能性が有るトラブルに集中する事にした

 

「願わくば無事に事が済みます様に」

 

神に願いながらブルーティアーズの最終確認を終え、対戦相手の鈴が居るであろう方向を見つめる

 

私の知る原作の鈴ならば衝撃砲による射撃はメインではなくサブでメインは双天牙月(せいりゅうとう)による近接戦だろう

 

そして事前の情報収集によれば、この鈴も近接戦を好み衝撃砲は牽制などに使っている様だ

 

なので、試合開始から数分は事前情報の確認を行い更なる情報を得る事を念頭に置いて戦い、出来るだけ此方の手の内を明かさない様にしたい

 

とはいえ先の一夏との試合と違い鈴は経験者であり数多くの代表候補生 候補から代表候補生の座を手に入れた実力者、試合中に事前情報に無い行動や戦略をする可能性が高い、それこそ私の様に武装を隠していたり、原作には出て来ていない未知の武装があるかも知れない

 

「まぁ、普通に試合が終わるならば些細な問題かも知れませんが・・・」

 

来ては欲しく無いが侵入者(ゴーレム)との戦闘が有るならば出来るだけ消耗したくないのが本音では有る

 

 

そんなこんな色々と考えていると、試合時間になり発進の指示が出たので一先ず考えるのを止め目の前の試合に集中する事にした

 

「セシリア・オルコット、ブルーティアーズ出撃(いき)ます

 

カタパルトに乗り一気に電磁加速してアリーナに吐き出され、勢いを殺しつつ停止位置で止まりアルナイルを展開してセーフティを解除しておく

 

数秒も経たずに私が出てきたピットと反対のピットから事前情報と同じマゼンタ色のISが出てきた

 

出てきたのだが

 

「・・・え?」

 

事前情報と異なり全身装甲(フルスキン)であり、胴体と不釣り合いな太く長い腕、私の知っている甲龍と同じなのは色だけと言う現実を目の当たりにして少し心が挫けそうになったが、投げ出せないので一先ず相手(ゴーレムI)を見据え

 

「・・・織斑先生、私の目の前にいる方は 凰 鈴音さんで間違いありませんか?」

 

「ん?少し待て・・・登録コードは間違いなく凰だが、どうかしたか?」

 

織斑先生に秘匿通信を繋ぎ確認すると、直ぐに答えてくれた

 

「すみません、自分で調べた情報と あまりに乖離していたもので、ありがとうございます織斑先生」

 

「そうか、分かった」

 

秘匿通信を終え目の前のゴーレムIを見据え腹をくくり、思う

 

もうすぐ大型連休なので一旦実家に帰ろう、そして可愛い私の妹と戯れて癒して貰おう、そうしよう そう決める

 

 

そして試合開始のブザーが鳴り響き私は口を開き

 

「私とブルーティアーズの奏でる輪舞曲(ロンド)を篤と味わってくださいませ」

 

芝居掛かった仕草で頭を下げ、直ぐにゴーレムIから距離を取る

 

 

正直 今の私はゴーレムIについて情報を殆ど持っていない。知っているのは無人機と言う事と製作者が篠ノ之 束と言う事、やたら強いビーム兵器を持っている事ぐらいだ

 

とはいえ私のやる事は変わらない、情報を得て解析し分析し対処して勝つ、そういつもと変わらない

 

「では、先ずは・・・」

 

扱い辛そうな腕を狙い引き金を引くが避ける様子も無くレーザーが直撃する

 

 

「・・・避けない?ふむ」

 

ゴーレムIの様子を見た感じ避けれなかった訳では無く避けなかった様なので、避ける必要が無い程 頑丈な装甲なのか、又はシールドバリアの出力が高いのか・・・機能制限(リミッター)が外されている可能性もある

 

仮にリミッター解除されていたなら私は圧倒的に不利になる、例えるなら、実弾の銃相手にBB弾のトイガンで戦いを挑む様な物だ、正直 考え過ぎだと思いたい

 

そんなこんな色々と考えつつゴーレムIへ上空を旋回しながら射撃しているとゴーレムIがおもむろに右手を此方へ向けビームを放ってくる

 

咄嗟に横へ加速すると、辛うじて観客席に当たらずにビームはアリーナの防護シールドを突き破り空へ消える

 

「・・・死にたくないですわ、本当に」

 

概ね私の予想通りの状況に軽く呆れつつ対策を考えていると、警報が鳴り響き観客席の防御壁が降りて行き秘匿通信繋がる

 

「オルコット、まだ無事だな?知っての通り緊急事態だ、奴の使用武装の威力は桁違いだ。更に悪い事に奴は凰ではない事が判明した、先程 凰が更衣室のロッカーに詰め込まれているのが発見された、幸い無傷だが、犯人は見ていないらしい。済まないが鎮圧部隊が突入するまで時間を稼いでくれ、お前とブルーティアーズなら出来る筈だ」

 

織斑先生の言葉を聞き、犯人は十中八九 篠ノ之 束だろうと思ったが口に出さずに織斑先生の期待に応える事にしよう

 

原作の彼女なら撤退を指示する筈だが、私を信じてくれているのだろう。そうじゃ無くても、信じてくれていると信じよう、うん

 

「分かりました織斑先生、別にアレを倒してしまっても構わないのですよね?」

 

「無理はしなくていいが、倒してしまって構わない」

 

織斑先生の許可を得る事が出来たので、時間稼ぎではなくゴーレムIを倒してしまう事にしよう、幸い行動パターンは把握出来たと思うし

 

 

「本当なら鈴さんへ使うつもりだったのですが、まぁ良いでしょう。幸い防御壁が降りていますから人目も少ない筈ですし・・・行きなさいアークツルス」

 

レーザービット四機を放ち其々を操りゴーレムIへ多方向からの同時射撃を行うとゴーレムIは人体では不可能な動きでレーザーを回避するが、回避不能なタイミングで私がアルナイルで撃ち抜く

 

「・・・やはり一撃ではダメですか、ならば」

 

ミサイルビットを起動し、誘導弾を放ちゴーレムIから距離を取りゴーレムIに破壊される前に誘導弾を起爆させチャフとスモークを撒き、アルナイルで牽制した上でレーザービットを操り右肘に射撃を集中させ偏差射撃(フレキシブル)でレーザー自体を操ってゴーレムIの右腕を切り落とす

 

「まずは1つですわね?次は・・・足にしましょう」

 

それから確実にゴーレムIの攻撃は躱し、此方の攻撃は確実に当てて行きゴーレムIの解体が済んだ頃、鎮圧部隊がアリーナへ突入してきたので

 

「先生方、あとはお任せしても?」

 

「え?あぁ、うん」

 

その言葉に軽く会釈だけして私はアルナイルを格納しピットへ戻る

 

 

「・・・流石に疲れましたわ」

 

連休は絶対に帰省する事を心に決め、私はピットに入りブルーティアーズを解除して更衣室へ移動した

 

 

 

 

 






お待たせしました、体調不良と終わらない仕事などで気力体力共に無かったので遅くなってしまいました、すみません




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