試合開始から45分、地に足をつけ一夏は滞空している私を見上げ、私は彼を見下ろしている
「ファーストシフトから約10分、私の予想より粘りますわね?」
私は純粋に思った事を口にすると
「まだかすり傷もつけてないからな、せめて一太刀は決めて見せるぜ」
1週間前より今、間違いなくイキイキとしている彼が私に雪片を向け言う
彼には息が詰まる座学より身体を動かす実技の方が、やはり向いている様だ
もう少し白式の動きと彼の行動パターンを収集しておきたい所だが、多くを望み過ぎては足元を掬われかねないので、そろそろ試合を終わらせる事にしよう
「ふふ、では試合を終わらせましょう。そろそろアリーナの使用時間も残っていないでしょうから」
アルナイルの銃口を向け引き金を引く、この試合で彼は銃口から弾道を予測する事を覚え、ファーストシフト後には私の射撃の半数を躱せる様になった
無論、フレキシブルは使っていない
彼には悪いがフレキシブルは、私にとって切り札であり奥の手なのだ。先の事を考えると少しでも長くフレキシブルをマスターしている事を隠していたい
だがら私は この試合ではフレキシブルを使わないし、
これは手加減では無く、先の事を考えた戦術の様な物だ、所謂 鈴への対策
そんな訳でジリジリとシールドエネルギーを削られる一夏は何かを決意した表情をして突っ込んでくる
「はぁぁあああっ!!」
「今までで1番速い!?」
少し驚いて対応が遅れた振りをして、突っ込んでくる彼が振り下ろす零落白夜を発動した雪片に斬られてみようと思ったが嫌な気配を感じ身体を捻って躱そうとしたが、シェルツェンに零落白夜が当たり まるで豆腐を切る様に滑らかにスパッと切り取られてしまった
「危なかったですわ、ソレに当たらなくてよかった」
「え?ぐっっっ」
零落白夜の威力と私に一太刀当てた事に気が抜けたのかポカンとしている彼の顔面に銃身を握りバットの様にスイングし、怯んだところで彼の腹を蹴りミサイルを放つ
「・・・零落白夜、危ないですわね」
爆煙に包まれて墜落した一夏を見下ろしつつ考える
確か零落白夜はエネルギー無効化を肝とするアビリティだった筈で、シールドエネルギーを無効化しダイレクトにダメージを入れる事で、零落白夜を使用中に己のシールドエネルギーを消費するデメリットを帳消しにする事ができる
そしてシールドエネルギーを無効化できる、という事はISを駆動させているエネルギー全てを無効化できるという事、つまりシールドエネルギーによって大なり小なり防御力を強化されているISの防御力を無視して攻撃出来るという事だ
装甲部なら斬れて破損するだけだが、生身の部分なら身が斬れる
使い方を誤れば彼は人殺しの烙印を押される事になりかねない
「・・・彼の為にもISに関わらない方が幸せ、なのかも知れませんわね」
私が呟いた瞬間、試合終了が告げられる
神様、願わくば彼に幸をお恵みください
私は私で自分の事は出来るだけ努力しますので
グダッてしまって申し訳ない