廃棄王女と天才従者   作:藹華

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 お気に入り120人いぇーーーーーーい!・・・はい誠にありがとうございます。何も考えず始めたこの作品ですが色々な人に見てもらて本当にうれしい限りでございます。


投影魔術の真髄

今、魔術競技祭の閉会式が行われようとしていた・・・一部の人にとっては今後の命運を左右する事態があるとも知らずに。

 

「それでは、見事優勝した2組の教師と代表選手は前へ!」

 

 司会進行役の人間が言うと女王陛下の前に出てきたのはアルベルトとリィエルであった。他クラスの教師や生徒も困惑し、アリシアは2人を知ってるだけに戸惑いを隠せなかった。

 

 

 教師と代表選手ではなく全くの部外者がきたことに妙な空気が流れるが、すぐにアルベルトとリィエルの姿が歪む。そしてそこに立っていたのはニヤニヤしてるグレンと真剣な顔でアリシアを見ているルミアだった。

 

「なっ!? どういうことだ、ルミア殿は今、魔術講師と町中にいるはずでは!?」

 

 王室親衛隊の報告ではグレンとルミアは未だに逃走中であるはずなのだが、事実目の前にグレンとルミアがいるのでゼーロスも驚きを隠せない。唯一セリカだけがその事態を把握していたのか不敵に笑っている。

 

「どういうことも何もねーよ、おっさん。いい加減、この胸糞悪い茶番に終止符を打とうぜ。っと、その前にだ。セリカ、頼む!」

 

 グレンがそういうとセリカが魔術を起動し結界ができるのだが、そこに1人猛スピードで突っ込む者がいた・・・無銘である。

 

 衛士を阻む結界を作ったセリカを睨み吠える。

 

「此の期に及んで裏切るのか、貴様!?」

 

「・・・・・・・・」

 

 セリカは無言を貫く。無銘がゼーロスの前に立ち、グレンはアリシアの前に立つとアリシアは

 

「私はこの国にはなくてはならない存在であり、王女である私がそのような娘を産んでしまった・・・その過ち悔やむに悔やみきれません。ゼーロスその娘をルミア=ティンジェルを討ち果たしなさい!」

 

 ルミアは固まりグレンは真剣な表情になり、アリシアを観察した・・・するといつもの陛下とは違う部分を見つけたのである。

 

「僭越ながら陛下、その首飾りよくお似合いですね。」

 

 グレンがそう言うと、ゼーロスとセリカが反応しアリシアは

 

「ええ、そうでしょう?私の『一番のお気に入り』です。」

 

 『一番のお気に入り』という部分だけ強調して言ったアリシアにグレンは確信を得た。そして次に言葉を発したのはぎりぎりで断絶結界に入った無銘であった。

 

「グレン、お前は陛下の元へ走って行け」

 

 それを聞いたグレンは驚きながら

 

「は?流石にゼーロスのおっさんの攻撃を掻い潜りながらは無理だぞ」

 

 そう言うが、無銘は

 

「大丈夫、ゼーロスは僕が抑える」

 

 グレンは一瞬驚くが実際これしか選択肢がないので仕方なく了承した

 

「そんな趣味の悪いネックレスはさっさと外しましょう。お手伝いしますよ」

 

 

 

「貴様……! 何を巫山戯たことを!? 余計な真似はするな、魔術講師!」

 

 

 

「うっせえよ。黙って見とけ、おっさん。今、全部まるっと解決してやるからよ……」

 

 

 

 グレンが懐に忍ばせた魔導器であるタロットカードに手を伸ばす。固有魔術オリジナル【愚者の世界】さえ発動させてしまえばこちらの勝ちだ。

 

 

 

 だが頭が固く女王陛下を守らんと躍起になっているゼーロスの目には、グレンが女王陛下を害そうとする敵にしか見えていなかった。

 

 妙な動きをするグレンを制さんと両手に一振りずつの細剣レイピアを握り、神速の踏み込みで斬り掛かる。常人には残像すら捉えられない速度だ。

 

 

 しかし、無銘がゼーロスとグレンの間に入りゼーロスの剣を陰陽二振りの双剣である『干将・莫耶』で真っ向から受け止める。2つの意味でゼーロスは驚く。1つ目は自分の剣がこんなにあっさりと止められるとは思ってなかったから、もう1つは無銘が『干将・莫耶』を持っていることにある・・・これは幼い頃アルス愛読書の主人公にしてアルスが初めて憧れた英雄が持っていたとされる武器をイメージして作ったものなのでアルス以外の人間には作れないのである。

 

「その剣・・・貴様まさか!?」

 

 そう言った瞬間ゼーロスは断絶結界の端まで押し返される。その理由は予想外の剣に驚かされたことによって一瞬力が緩み均衡が崩れ力負けしたからである。だが今は無銘の正体などよりアリシアの命の方が大切という事と無銘の相手をしていたらグレンのところに間に合わない気づいたのだろう・・・出てきた言葉は懇願だった。

 

「頼むッ! ことが終われば、わしが全ての責任を負って自害する! わしが陛下に仇をなした反逆者としての汚名の下に果てよう! だが、陛下は! 陛下だけは我々がお守りしなければならぬのだ! その為にもルミア殿をッ!」

 

「・・・ゼーロスさん、僕がそれを聞かない・・・いや聞けないと分かっている筈だ・・・それに・・・もう解決したしね」

 

「何を言って・・・陛下!なにを!」

 

 慌てるゼーロスに対して呪殺具を取ったアリシアは

 

「大丈夫ですよゼーロス、もう全て解決しました。」

 

「な・・・・・・」

 

 言葉を失うゼーロスだが冷静になったのかグレンに質問した。

 

「なぜ、呪いが発動しなかった?」

 

 その言葉を待っていたとばかりにドヤ顔で愚者のタロットカードを取り出す。それを見てゼーロスは

 

「愚者のアルカナ!?そうか貴殿があの魔術師殺しの・・・」

 

「さてね・・・」

 

 ゼーロスの言葉にグレンは誤魔化す。だが興味を失ったのかすぐに無銘を見る。

 

「貴殿のその剣、どこで手に入れた?」

 

 ゼーロスは無銘を見据え無銘は

 

「あなたに答える義理はない・・・それと今回本来の依頼にはない王女救出までやったんだ。なにか褒美が出てもいいんじゃないですか?」

 

 ゼーロスは納得がいった

 

「陛下を守った代わりに正体をバラすな・・・ということか」

 

「まあ、そんなところさ。さて女王陛下そろそろ本音をだしてみては?」

 

「ッ!・・・私にそんなことをする資格があるのでしょうか・・・」

 

 無銘は意気地のないアリシアに追い打ちをかける。

 

「契約の内容覚えてますか?女王陛下?」

 

「え?」

 

 そう疑問を持つのも不思議ではないだろう・・・なぜここで契約の話がでてくるなんて普通ではありえないからだ。

 

「僕はあなたの娘であるエルミアナ王女を守り、あなたはエルミアナ王女を愛し続ける・・・そういう契約でしょ?」

 

 その言葉を言った途端アリシアさんはルミアの方へ走り抱きしめ

 

「ごめんなさい・・・エルミアナ・・・またあなたを傷つけてしまって・・・」

 

「おかあ・・・さん・・・」

 

 こうして魔術競技祭と閉会式も無事終わったのであった。




 ルミアちゃん可愛いよね嫁にしたい

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