一日に一本は出すから許して下せえ・・・あとお気に入り196名様ありがとうございます。
あと、イルシアはアレスの姿では会ったことが無いのでリィエルがアレスと「会ったことがある」と言ったのは直感です。
それではどうぞ。
今日は白金魔導研究所へ行くこととなっており、みんなで向かっているのだが結構な山奥に研究所があるので結構辛くほぼ全員息が上がっている。例外はグレンとリィエルに僕、意外なことにシスティーナは他の面々に比べて結構マシである。
「システィは強いね・・・私はもうクタクタだよ・・・」
「やっぱり連日のアレのお陰かしら・・・」
「?・・・アレ?」
「ううん、なんでもない。」
システィーナはボロを出すが隠しているご様子・・・そんな風にクラスを後ろから見ていたらいつの間にかルミアが隣に来て
「アレス君も全然息が上がってないね・・・私は結構きつくて・・・」
ルミアは言葉を発することすら辛い筈なのだが、それでも気遣ってくれる辺り・・・やはり天使であった。
「まあ、それなりに身体は鍛えてるし・・・それより荷物持とうか?」
「え!?いや、アレス君に迷惑じゃ・・・」
ルミアはやはり天使である・・・そんな御方の疲労を少しでも和らげたいと思うのは男の性である
「僕はまだ余裕があるし、魔術競技祭の時のバスケットのお礼もしたいしね」
そう言った途端ルミアは微笑みながら
「ありがとう」
と言って僕に荷物を渡してきたので受け取る。ルミアは少し身軽になったのかシスティーナの所へ向かった。
「はぁ・・・はぁ・・・あっ!」
リンが躓きコケそうになるのをなんとか受け止める
「ご、ごめんね?」
「いいけど・・・大丈夫?荷物持とうか?」
「あ・・・あり・・・がとう・・・アレス君は平気なの?」
リンは少しマシになったのかそう聞いてくる
「まあね、身体は鍛えてるから」
その後、会話をしていたのだが目を見張る光景を目にしたのだ・・・
リィエルが石に躓き転倒はしなかったが態勢を崩し、ルミアが心配して差し伸べた手をはたいていた。
「触らないで」
冷たくそう言い放つリィエル、そこにシスティーナが
「何があったか知らないけど、今のは酷くない?ルミアはあなたの事を心配して・・・」
その続きが言われることはなかった。僕が右手で制してたからである。
「ちょっと!アレス!何すんのよ!」
システィーナは騒ぐが僕は無視しながらリィエルに近づいていった・・・その光景は流石のグレンも予想外だったようで目を見開いている。
「・・・一緒に行こうか」
そう言って手を握る。リィエルは手を放そうとするが身体強化もしていないリィエルが男である僕の手を振り解けるはずがなく・・・手を握りながら走って行った。
「・・・なんだ今の?」
「・・・さあ?」
生徒たちは困惑気味である・・・システィーナは追いかけようとしたのだがルミアに止められた。
「ルミア?」
「なにがあったか分からないけど、今はアレス君に任せようよ」
「貴女がそう言うなら・・・」
システィーナは納得してない表情で渋々従う・・・
「やっぱり嫌だったかな・・・?」
「・・・・・・・」
「リィエルは・・・私たちと住んでる世界が違うのに・・・私は勝手にあの子を振り回して・・・本当は嫌だったのに、今まで無理して付き合ってくれてただけなのかな?私・・・お節介だったかな?」
悲しげにそう言うルミアだが、そこにやってきたのはグレンだ
「そんなことねーよ」
「先生・・・」
「礼を言わせてくれ、社交性・協調性皆無のリィエルに付き合ってくれたな。・・・ありがとな」
ルミアは何か言いたげだがグレンは続ける
「同時に謝らせてくれ。実は昨晩、俺が余計なことを言ったせいであいつを不安定にさせちまった・・・スマン。」
途端システィーナが怒るが、グレンのいつものような屁理屈が来ず困惑する。そして間を空けグレンが話始める
「あいつはさ、子供なんだよ・・・見た目はお前たちと同じくらいだが、心は子供なんだ。そうならざる特殊な生い立ちなんだ・・・」
グレンはそう言いシスティーナが何かを言おうとするがそれに先んじてルミアが
「詳しいことは聞かない方が良いんですよね?」
「察しが良くて助かる。あいつに良くしてくれたお前たちに嘘はつきたくないからな」
そして、グレンは
「あいつに愛想を尽かさないで欲しい・・・難しいかもしれんが・・・」
その言葉に対しルミアもシスティーナも大丈夫ですと言い・・・グレンは
「それにしても、アレスの野郎いつの間にリィエルと仲良くなったんだ?さっきも手繋いでどっか行ったし・・・」
そう呟きながらリィエルが編入した時の頃を思い出していた・・・リィエルは気合と直感に関しては、特務分室でもトップクラスだった。そんなリィエルがアレスに『会ったことがある』と言ったのだ・・・(アレスには何かがある)と思うグレンであった。
一方、アルスとリィエルはクラスから大分離れたところで足を止めた。
「離してッ!」
リィエルがそう言った途端、手が離される。
「あなたは一体なんなの!」
リィエルは叫ぶ、この叫びはリィエルが編入した頃からあったモヤモヤだ・・・何故かアレスを見るとモヤモヤして涙が出そうになる。
「・・・リィエルさんは、フィーベルさんやティンジェルさんと一緒に生活してどう思った?」
「・・・なに・・・言って・・・」
リィエルは僕の質問の意味を理解できない・・・理解したくないという雰囲気なのだが僕は続ける
「グレン先生がバカやって、フィーベルさんがそれを怒ってティンジェルさんは苦笑いしてる・・・この生活をどう思う?」
「・・・・・・・・」
「僕はね、今の生活が楽しいんだよ・・・・君も楽しいんじゃない?」
「・・・わかん・・・ない・・・私にはわかんない!」
そう叫ぶリィエルの手をそっと握り
「・・・もし、楽しいと感じたなら・・・それは、君の・・・だよ」
「私の・・・」
(これくらい教えてあげれば大丈夫かな・・・)
「・・・そろそろ行こっか」
そう言って手を握りリィエルと2組に合流した。
だが、たったこれだけの事でリィエルがすぐに謝るとは思っていない・・・ただ、もしリィエルが罪を犯しそうになった時・・・あるいは犯してしまった時この言葉はリィエルの心を苛むだろう・・・だが、こうでもしなければリィエルは一生自分の考え方に疑問を持たない。それはつまりグレンが生き甲斐であるという事だ・・・だが、それはイルシアが望んだ生活とは違う・・・例えリィエル自身がそうしたいと望んでもグレンだけに依存するのはダメなのだ、だからあの言葉はグレン以外の道・・・グレン以外にも頼れる人はいる・・・依存せず自分の意思で決める道を示すこと・・・それがイルシアとの約束であり僕のなすべき事だ。
そして僕たちが着いた少し後にグレン達はやってきた。荷物を返した直後バークスさんという方が出てきた。そして白金魔導研究所へ案内してくれたのだが、こちらをちらちらと窺ってきてはルミアを見て邪悪な笑みを浮かべるのだ。それを気づいてるのだろうルミアの顔色は優れているようには見えない。
「ティンジェルさん大丈夫?顔色が悪いよ?」
そう聞くとティンジェルさんは笑顔で
「大丈夫だよ?」
と言っているが無理をしている感が隠せていない・・・どうしたものか・・・ここは先生に任せるとしよう。
「グレン先生、ティンジェルさんの顔色が余り優れてないようなんですけど・・・」
そう言うとグレンは
「サンキュー」
とだけ言ってルミアの方へと向かって行った。
それからしばらく経ちルミア達の方へ戻ると、なにやらバークスさんと話しているようだ・・・だがそれを聞いて驚いた。内容は『Project:Revive Life』それは死者蘇生の魔術・・・それは稀代の錬金術師であるシオンによって完成された・・・だが実際はシオンの固有魔術であり他の者には使えない魔術でもある。その後はグレンが不自然なタイミングで話に入って行ったりと多々あったが・・・・白金魔導研究所での見学は無事幕を閉じた。
そして、見学も終わりグレンはそろそろいつものリィエルに戻らなければ任務に支障がでると思い踏み込む。
「おい!リィエルいい加減にしろよ!いつまでそうやって拗ねて・・・」
グレンが言い続けられなかったのはリィエルが泣いていたからだ。
リィエルが泣いていたのは理由がある。リィエルは2組と合流してからずっとアレスの言葉をずっと考えていた・・・自分でもなぜこんなにアレスを特別視するのか分からない。でも、なぜか放っておけない・・・これだけは考えないといけないという使命感に駆られて考えていると涙が出てきたのである・・・だがその思考もグレンの怒声で消え去ってしまった。
「・・・うるさいッ!」
そう言って走り去ったリィエルをグレンは追いかけようとするがルミアの護衛がいない以上動きたくても動けない。だが、ルミアは
「先生、行ってあげてください・・・私たちが行っても逆効果でしょうから・・・」
「・・・すまんな」
と言ってグレンはリィエルを追いかけて行った・・・
これから起こる悲劇も知らずに・・・
僕はね、リィエルはそこそこだけどイルシアはルミアの次に好きだからリィエルも救うゾ