廃棄王女と天才従者   作:藹華

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 アルスの本音だゾ


アルスの本音

 グレンは今校舎の屋上にいた・・・グレン自身分かっている。自分がシスティーナ=フィーベルという少女に対してどれほど酷いことをしているのか・・・

 

「・・・ま、これで良かったんだろ・・・な?セラ・・・」

 

「よくないわよ」

 

 独り言だったはずがいつの間にか横にいたシスティーナに言葉を返される

 

「私に悪いと思いながら、あの騒ぎを起こしたのはなぜ?それにセラって誰?」

 

「・・・・・・・」

 

 システィーナの質問にグレンは苦虫を噛み潰したような表情のまま何も話さない・・・

 

「そろそろ話してくれませんか?・・・どうしてレオスに決闘を仕掛けたのか・・・ふざけたことばかり言ってた理由・・・流石に私は知る権利あると思うんですけど・・・」

 

 システィーナがド正論を言ったところで、グレンは話し始めた・・・自分が『正義の魔法使い』に憧れていたこと・・・宮廷魔導師団に引き抜かれたこと・・・セラが好きだったこと・・・セラを殺してしまったこと・・・そしてシスティーナとセラが似ていることを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃アレスは、見晴らしのいい丘に座っていた・・・

 

「・・・・・・」

 

 ただ無言で夜景を眺めていた・・・すると後ろから足音が聞こえ見てみるとルミアがそこにいた

 

「・・・どうしたの?ティンジェルさんこんな時間にこんな所で・・・」

 

「アレス君に謝りたくて・・・」

 

 そんなことの為に・・・こんな夜遅くまで僕を探していたのか・・・と少し呆れつつ

 

「そっか・・・」

 

「あの時、アレス君を暗殺者と一緒にしてしまってごめんなさい」

 

 いつも以上に真剣な表情で謝ってくれたルミア・・・

 

「謝るのは僕の方だよ・・・」

 

「えっ?」

 

「あの時、デリカシーのない事聞いちゃったから・・・ティンジェルさんだって辛い筈なのに、追い打ちをかけちゃった・・・ごめん」

 

 ルミアは驚いた顔をしていた。恐らく僕が謝るとは思ってなかったんだろう・・・

 

「アレス君・・・私はね、身分を偽ってこの学院に入ったんだ・・・」

 

 ルミアは自分の事を語りだした・・・

 

「私の本当の名前はエルミアナ、エルミアナ=イェル=ケル=アルザーノ・・・表向きは流行り病で死んだことになってるけど、王族で異能を持ってるから追放されたの・・・」

 

「・・・そっか・・・」

 

 ルミアの真実に対して驚かない僕

 

「驚かないんだね・・・」

 

「・・・内心、凄く驚いてるよ・・・でも、ティンジェルさんはティンジェルさんだから」

 

「ッ!・・・ありがとう」

 

 そう言って笑ってくれるルミア・・・そうだ・・・僕はこの為に戦ってるんだ・・・

 

「さ、そろそろ帰ろフィーベルさんたちが待ってるんじゃない?」

 

「あ、でも1つ聞かせて欲しいの!」

 

「なにかな?」

 

「アレス君の信念って何かな?」

 

「ッ!?・・・どうして、そんなことを聞くの?」

 

 正直、ルミアから信念という言葉が出てきた時驚いた・・・そうだ・・・思い返せばルミアはいつもそうだった・・・人が隠していることを察知する・・・

 

「グレン先生が言ってたの・・・アレス君には私と同じくらい強い信念があるって・・・」

 

「・・・僕のは信念・・・というか、願い・・・かな・・・」

 

「願い・・・?」

 

「僕はある人を守りたい・・・その為に魔術を習うし、魔術を人殺しの道具として使うことも厭わない・・・」

 

 これは僕の本質・・・

 

「・・・ある人って?」

 

「・・・それは言えない・・・でも、その人は僕にとって1番大切で・・・絶望してた僕を救ってくれた人なんだ・・・」

 

「そっか・・・」

 

 ルミアの顔は悲しげだ・・・これ以上はマズイ・・・ボロを出してしまいそうだ・・・

 

「さて、帰ろっか・・・送っていくよ」

 

「ありがと、でも大丈夫だよ。ここから近いから・・・」

 

 そう言ってルミアは走って行った・・・

 

「・・・ごめん、エルミアナ・・・」

 

 アレスはそう呟いて家に帰って行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルミアは家に帰り泣いていた・・・アレスの大切な人・・・それが女性であることはニュアンス的に理解した・・・そしてその女性は凄く魅力的な女性なのだろう・・・ルミアはアレスに好意を持っていた・・・アレスから大切な人がいると言われ途端理解できた。ルミアはアレスに消えて欲しくなかった・・・アルスの様に・・・ルミアが好意を抱いた男性は2人だが・・・2人ともどこかへ行ってしまっていた・・・アルスは5年前に失踪し、アレスには大切な人がおり自分が介入する余地はないだろう・・・でも、これでいい。私のせいでアレス君が巻き込まれるのは嫌だから・・・

 

 

 

 それは、システィーナも同様だった・・・システィーナも家に帰って泣いていた・・・レオスにルミアとリィエルの身分をバラされたくなければ自分と結婚しろと・・・メルガリウスの天空城など諦めてレオスの妻として生きろと・・・でも、これでいい・・・システィーナはレドルフですら解けなかったメルガリウスの天空城の謎を諦めることが・・・できるのだから・・・

 

 

 ルミアもシスティーナも自分を納得させる為の建前を考えたのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして翌日・・・クラスが驚愕する事件が3つあった・・・

 

 1つ目は、システィーナのレオスとの結婚

 

 2つ目は、グレンの失踪

 

 3つ目は、アレスの置手紙と謎の置手紙

 

 

 アレスの置手紙には『親の容体が一変したのでイテリアへ戻ります』と書いてあり、差出人不明の置手紙には『《正義》の思惑と《愚者》の怒り・・・《無銘》の本気』という一部の人以外意味の分からないことが書いてあった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方アルスやグレンは

 

 

 

 アルスは図書館で剣や銃・・・ありとあらゆる武器を本で見ていた・・・そう見ることさえできれば複製し貯蔵するから・・・

 

 

 

 

 グレンは闇市に行き《ペネトレイター》を作成する為の部品をなけなしの金を使って買い・・・《ペネトレイター》を作成していた

 

 

 

 

 そうして、3日後・・・結婚式が行われていた・・・




 今回は短めだゾ、理由は単純に課題が多いんや・・・許してください・・・

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