廃棄王女と天才従者   作:藹華

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 では、どうぞ


アレスの告白と死闘

アレス達が着いたのはアルザーノ帝国魔術学院地下にある古代遺跡の89階だが

 

「憎イ!憎イ!憎イィィィィィィィィィ──────ッ!?」

 

 そう叫びながら現れたのは、左腕が無く昔に死んでいる筈の女性だった。

 

 その女性の髪にグレンは首を絞められ、リィエルは壁から生えた無数の手によって押さえ付けられていた。

 

「先生ッ!?リィエルッ!?《光在れ・穢れを祓い──》」

 

 システィーナは祓魔の浄化呪文を唱えようとするが、システィーナの足元には無数のミイラの手がありシスティーナは捕まれる

 

「キャアアアアアアアアアアア──────ッ!?」

 

 死者に捕まれるという生理的嫌悪感がシスティーナの呪文を中断してしまった。だが

 

「《光在れ・穢れを祓い給え・清め給え》」

 

 ルミアが白魔【ピュアリファイ・ライト】を唱えると

 

「《送り火よ・彼等を黄泉に導け・その旅路を照らし賜え》」

 

 今度はアレスが剣でミイラ達を倒しながら白魔【セイント・ファイア】を完成させ、グレン達に巻き付いてるミイラ達を浄化させた。

 

「白魔【セイント・ファイア】…アレス、お前高位司祭が使えるような高等浄化魔術使えたのか」

 

「……」

 

 アレスは答えず歩き始める

 

 その後、何度かミイラ達と戦っているとグレン達はセリカを見つけた。

 

 グレンとセリカが話していると、セリカはグレン達の予想の付かないことを言った

 

「ここはな、アルザーノ帝国魔術学院の地下迷宮なんだよ!」

 

「「「は?」」」

 

 アレスとリィエル以外が驚きの声をあげる。それはそうだろう、何故なら先ほどまでグレン達がいたのはタウムの天文神殿だったはずだ。それが、アルザーノ帝国魔術学院の地下迷宮に繋がっているのだから。因みにアレスは魔眼でこの未来を予知できており、リィエルは首をかしげている。

 

 その後、セリカはこのまま進み続けると言って聞かずグレン達を置いて走りながら次の階層に続くであろう門に【イクスティンクション・レイ】を放つが、迷宮には霊素皮膜処理(エテリオ・コーティング)という古代魔術(エインシャント)が施されているため魔術的にも物理的にも破壊は不可能である。正確に言うのならアルスは霊素皮膜処理(エテリオ・コーティング)を消し去ることができるのだがしない。何故ならこの門から異常な雰囲気が出ているからだ。

 

 アレスが冷や汗を流していると、ルミアが

 

「アレス君大丈夫?顔色が悪いよ?」

 

 心配してくれている、アレスは

 

「なにか、来る」

 

 そう呟くと全員が門を見る。すると

 

『愚者や門番がこの門、潜る事、能わず。地の民と天人のみが能う──────汝等に資格なし』

 

 と言って現れたのは緋色のローブに全身を包んでいる謎の存在であった。

 

「ひ……ッ!?」

 

「先生ッ!あの人ッ!……」

 

 システィーナや胆力のあるルミアでさえ青ざめた顔をしていた。リィエルは警戒心むき出しで剣を構えているが、剣先が僅かに震えている。

 

 だが、この状況でセリカは

 

「やっと、話が分かりそうなやつが来たな。おい、そこのお前。この門の開け方を知ってるか?知ってるなら教えろ。じゃないと消し飛ばすぞ」

 

 セリカの冗談にも取れない発言を聞き魔人はセリカを認識する。認識した瞬間雰囲気が緩まり

 

『おお!ついに戻られたか(セリカ)よ!我が主に相応しき御方よ』

 

「は?」

 

 予想外の発言に呆気にとられるセリカ

 

『だが、かつての貴女からは想像もつかない程のその凋落ぶり……今の貴女に、この門を潜る資格なし……故に、お引き取り願おう……」

 

 まるで、セリカという人物を全て知ってるかのようなその口ぶりにセリカは

 

「お前!私の事を知ってるのか!?」

 

 期待するが、魔人は興味を失ったかのように

 

『去れ。今の汝に、用無し』

 

 言葉を返すとアレス達に向かって剣を突き出し

 

『愚者の民よ。この聖域に足を踏み入れて、生きて帰れるとは思わぬ事だ……汝等は只、我が双刀の錆と為れ。亡者と化し、この《嘆きの塔》を永久に彷徨うがいい』

 

 明確なる敵意と殺気がアレス達に襲い掛かるが、セリカは無視されたことに苛立ち

 

「《くたばれ》」

 

 即興改変された黒魔【プロミネンス・ピラー】だが、魔人は左手に持つ魔刀がセリカの魔術を切り裂き、かき消したのだ。

 

『まるで、児戯』

 

『そのような愚者の牙に頼むとは────なんという惰弱。汝が誇る王者の剣はどうした?かつての汝は既に死んだか?』

 

 魔術を知らない人から見れば、ただ魔術を打ち消した。それだけだ、だが魔術師の場合は全然違う。セリカが扱った黒魔【プロミネンス・ピラー】だが、この魔術はB級の軍用魔術であり【トライバニッシュ】で打ち消せる魔術とはC級までなのである。つまり、この魔人は近代魔術(モダン)では理解不能なことをやってのけたのだ。

 

 セリカは遠距離での戦いをやめ、真銀(ミスリル)の剣を抜く、すると魔人は

 

『借り物の技と剣で粋がるか……恥を知れ』

 

 だが、セリカは怒りで頭がいっぱいなのか真銀(ミスリル)の剣を使い魔人を倒そうとするが魔人は左手に持つ魔刀受け止めた。一見すると何の変化もない、だがセリカだけは感じ取っていた

 

「な……んで、私の術が解呪されて……お前!なにをした!」

 

『我が左の赤き魔刀・魔術師殺し(ウィ・ザイヤ)……そのような小賢しい児戯は我に通じぬ……」

 

 魔人は続けて

 

『我は、その剣の真なる主に敬意を表する。今の一合で理解した。その剣の主は……今は亡き、見知らぬ愚者の子よ……人の身で、よくぞその領域まで練り上げた……』

 

 セリカ達が絶句している中魔人は更に続ける

 

『天位の御座にある我といえど、その剣に宿る技には畏敬を抱かずには居られぬ…其が故に、その冒涜が許せぬ、(セリカ)よ……ッ!汝はどこまで堕ちた?我は汝に対する失望と憤怒を押さえきれぬ……ッ!」

 

 怒りの雰囲気を出す魔人にセリカは【プラズマ・カノン】を唱えるが

 

『やはり、児戯』

 

 そう言って魔人はセリカの後ろへ回り右手の魔刀を掠る。次の瞬間セリカの全身から魂が抜け落ちるような感覚が襲った

 

『……我が右の魔刀・魂喰らい(ソ・ルート)……我が刃に触れた貴様はもう終わりだ……今の汝に我が主たる資格なし……神妙に逝ね』

 

「……いや……だ……死にたく……ない……ッ!?」

 

 セリカは力を込めて言うが、魔人は右手に持つ魔刀でセリカの首を斬ろうとするが・・・

 

『ぬ───ッ!?」

 

 魔人の持つ魔刀とセリカの首の間に黄金の剣があり、斬ろうにも斬れないのだ。

 

『次は汝────ッ!?」

 

 魔人が何かを言おうとしたタイミングで魔人の首から上が斬られたのだ。アレスは魔人の首を斬った後、すぐにセリカを抱えグレンに渡す。帰ろうとするグレンだったが、先ほどの敵意と殺意がグレン達を襲った。

 

『見事なりッ!我を殺した汝の剣……我は畏怖を抱かずにはいられぬ』

 

 自分が一度殺されたというのに歓喜に満ちている魔人にアレスは無表情のまま見据える。

 

「グレン先生、アルフォネア教授を連れて逃げれます?」

 

 アレスは少し笑いながら、グレンに問う。

 

「なッ!?お前1人で残る気かよ!」

 

「それしかないでしょう。この状況で殿を務められるのは僕だけなんですから」

 

 グレンの言葉に『何を当たり前のことを』と言いたげな顔で答えるアレス。

 

「アレス君ッ!?」

 

 そんなアレスに悲鳴に似た声をあげるルミア

 

「……グレン先生、ティンジェルさん達を連れて行ってください」

 

 アレスはルミアを無視して葛藤するグレンに告げる

 

「皆で死ぬか、1人を残して他の皆をを救うか……先生ならどっちがいいか言わずとも分かるでしょう?」

 

 アレスは懇願の目でグレンを見ていた。その目を見てグレンも覚悟を決めた。

 

「───ッ!?分かった……だが、お前も生きて帰って来いよ」

 

 そう言ってグレンは、セリカを抱きかかえシスティーナはルミアがアレスの所へ行かないように身体強化を施し手を握っている。

 

 そうして、グレン達が走ろうとしたタイミングを見計らったアレスはルミアに

 

「……好きだよ……エルミアナ……」

 

 と、告白したのであった。




 アレス君、告白しちゃいましたね~甘々すぎてブラックコーヒーが進む進む。因みに最後のセリフは、リゼロの最終回のセリフをパk・・・ゲフンゲフン、リスペクトさせていただきました。
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