アルスはルミアに説教をしたことと失踪したことに対して少し後悔しながら、宿に向かっていたのである。
「・・・・・・・・なんか音が聞こえる。」
生まれつきアルスの五感はいい、だからこそ爆発音が聞こえる方に遠見の魔術を使ったのだが驚くべきことに、そこには、ルミアはがいたのである。
「ッ!?・・・・」
何故・・・という疑問は湧かない、天の智慧研究会ならばルミアがエルミアナ王女であることくらい調べるのは容易いだろう。
「・・・・ルミアが危険なら行くしかないよな」
そして彼は赤いマントにフードを被り認識阻害の魔術をかけ、宿の窓から民家の屋根へと飛び移る。森に着いたと同時に魔眼を使いルミアの居場所を探るとすぐ近くにいたので、すぐに、捕まえここから離脱しようとした時に
「ッ!?あなたも私を殺しに来たの!?」
いきなり大声を出してきたので口を抑え、自分もなるべく小さい声で喋る。
「大丈夫だ、僕は君の味方だ。」
「嘘だ!誰もッ!?」
ルミアは声を遮らざるおえなかった。なぜなら、誰かが目の前にいる赤マントの男を撃ったのだ
「ッ!?いや、イヤァァァ」
「今のは牽制だ、次は殺す。」
撃ったのは帝国軍の特務分室執行官ナンバー0<愚者>のグレン=レーダスだったのである。
「いきなり、撃つなよ。危ないだろ。」
「赤マントに顔の見えない男・・・・お前が<無銘>だな。」
<無銘>と言った瞬間驚いた気配が伝わった。
「僕はそんな名前で呼ばれていたのか・・・」
「・・・知らなかったのかよ。」
これには流石のグレンも呆れる。自分がどんな風に呼ばれるか暗殺者な知っていて当然だからだ。だが一転して無銘の雰囲気ががらっと変わる。
「その恰好、帝国軍の特務分室だな?」
「・・・そうだと言ったら?」
「・・・この娘を頼む・・・」
そう言ってルミアを抱きかかえながら無銘はグレンに渡す。だがグレンはわからないのだ、暗殺者であるはずの無銘はなぜこの娘を自分に託すのか。
「・・・どうして、この娘を助ける?」
これには少し驚いた、どう答えようか迷ったのだ。真実を伝えてしまえば、ルミアに自分がアルスであるとバレるので却下。なので、ここは適当に
「人を助けるのに理由が必要か?」
「・・・暗殺者がいうセリフじゃねえな・・・」
そう言われればそうだとアルスは遅まきながら知った。
「まあ、あんたより僕のほうがこいつらに対して有利だからその娘を預けるんだ。」
「・・・・お前、暗殺者向いてねえよ。」
グレンはそう言うとすぐさま回れ右して去っていった。
「行ったか・・・これで、思う存分戦える!」
そう言った途端何十人、もしかしたら何百人といるかもしれない外道魔術師達が出てきた。
「アア?なんでこんなところに人がいんだァ?」
「お頭、こいつも殺ってしまいましょうぜ」
「そうだな、てめえらこいつを殺せ」
そう言った途端外道魔術師達をとてつもない殺気が襲った。
「黙れよ、外道どもが・・・お前ら全員生きて帰れると思うなよ?」
「「「「「ッ!?」」」」」
下っ端はビビッている中大将らしき奴が出てきて無銘に言った。
「これだけの人数相手に、何ができるっていうんだ?アアン?」
無銘はため息をついた後、両手握りしめを詠唱した。
「投影開始」
そこに出てきたの1つの黄金に輝く剣、そして、それは聖剣と呼ぶに相応しい形と色をしていた。外道魔術師全員が同じ感想を抱いた瞬間無銘は動いた。
「ハッ」
1歩踏み込んだと同時に、まさに神速と呼ぶべき速さで大将の男を一瞬にして殺してみせたのである。
「「「「なっ!?」」」」
そのことに動揺した外道魔術師達は気付かない、自分たちの上に無数の剣が投影されていることに・・・
「お前ら全員、ここで屍を晒していけ・・・」
そう言って、無銘は左手を上にあげ振り下ろす、それと連動するかのよう無数の剣たちは外道魔術師達に刺さり殺していった。たった1つの詠唱、1節にも満たないかもしれない詠唱だがそれでも外道魔術師達を一掃するには十分すぎたのである。
「さて、これで終わりだな・・・」
と言い、彼は宿に帰って行った。
一方その頃、グレンの方はルミアを抱えながら森から抜け出す為に別の外道魔術師達に追われていたのだがルミアの泣き声によって位置がバレバレなのである、これではいづれ追いつかれるので仕方なくグレンはルミアに対してこう言った。
「頼む、敵の大半は無銘が引き受けてくれたが、まだ敵は残ってる。お前がそんな調子じゃとても切り抜けられない。俺のことをいくら怖がっても構わない。だがもし、泣き止んでくれるなら・・・俺はお前に味方してやる。世界中が敵に回っても、お前を嫌っても俺だけは絶対お前に味方してやる。だから頼む・・・泣くな」
そう言った途端ルミアは泣き止み無事救出されたのだった。
救出された翌日、グレンはイヴに呼び出されていた。
「グレン、率直に聞くわ。昨日エルミアナ王女救出の時無銘と会ったの?」
「・・・・ああ。」
イヴの質問にグレンはぶっきらぼうに答える。
「・・・・・そう。」
グレンはこのことをアリシア七世にも報告しており、イグナイト家の人間なら知ってて当然とわかっていたので別に驚きはしない。
「彼を特務分室に引き込むわ。」
「はあ!?」
さすがに予想外だった。
「彼は貴重な戦力になるわ、彼が殺した天の智慧研究会のほぼ全てが第2団<地位>の外道魔術師よ。」
これにも絶句した。天の智慧研究会の第二団<地位>とは外道ではあるが、結構な強者揃いなのだ。だが、グレンはふと疑問に思った。
「どうやって、無銘の場所を特定する気だ?」
「王女殿下に呼んでもらうのよ。」
「なっ・・・」
これには、誰もが驚くだろう。なにしろ1国の女王が暗殺者を呼び出すのだから。無謀だとも思ったが、グレンはイヴを止める術を持っていないので、しぶしぶ従ったのである。
そして翌日、アルスが宿を出ようと思ったら出王室親衛隊と宮廷魔導師団が出口で待ち伏せしていたのである。どうやって足がついたのかは、知らなくてもいいことだ。なぜなら、国が調べようと思えば簡単に場所くらいバレる。
「・・・・・・・・・・・なにこれ。」
アルスは絶句していた。場所がわかっているなら手紙を置いていくなり方法はあるはずなのだ。
「場所がバレてるなら、仕方ないし。出るか・・・・・ッ!」
いやいやながら出た瞬間、屋上から<ライトニング・ピアス>が放たれてきたのだ。
「っととと、あぶねえ・・・」
その<ライトニング・ピアス>を軽々と避け彼の前にいたのは、王室親衛隊であった。
「貴様、無銘だな?・・・王宮までご同行願う。」
「・・・・・・・・・・・えっ?」
都市伝説レベルの暗殺者だと昨日分かったので、バレたら即刻処刑だと思っていたので素っ頓狂な声を上げてしまうアルス。しかし、ここで暴れたら処刑になりかねないので大人しく王宮の馬車に乗った。
そして、王宮についたイヴが見たのは、赤いマントにフードを深く被り顔が分からない無銘とその無銘に頭を下げているアリシア七世王女殿下であった。
この作品ばっかりで課題やってない!不味いですよ!