そして、ルーキーランキングで27位になっていて結構びっくりしました。それもこれも、皆さんが応援してくれるお陰です。
では、どうぞ。
今日から5日間、アルザーノ帝国魔術学院は休校となる。理由としては、学院の講師や教授は帝都で開催される魔術学会に参加するためである。
しかし、1ヶ月前に退職した前任のヒューイ先生によって授業に遅れがでている2組はこの5日間も授業がある。そして2組以外が休校にも関わらず、教室は満席であり後ろには立っている生徒さえいる。その理由としてはグレン先生の授業を受けたいためである。だが授業が開始されているにも関わらず、グレン先生が来る気配がなく。フィーベルさんは少し怒っていた。
「遅い!・・・遅すぎるわ!最近真面目にやってると思ったら、すぐこれよ!」
時計をみながらフィーベルさんは怒っている。フィーベルさんもグレン先生の授業を聞いて評価を改めているようだ。
「でも、珍しいよね。ここ最近は遅刻しないように頑張っていたのに・・・」
「まさか、今日が休校だと勘違いしてるんじゃないでしょうね?」
「あはは・・・いくらなんでもそれはない・・・よね?」
フィーベルさんを宥めるティンジェルさんでも断言はできなかったようだ。
「あいつが来たらガツンと言ってやらないと・・・」
フィーベルさんもなんだかんだ、グレン先生に好意らしきものを抱いてることがバレバレなのであるが本人は自覚していない為にティンジェルさんもどう返していいか分からないご様子。そこから少し経った後教室の扉が開き、フィーベルさんは説教しようと席を立つが入ってきたのはチンピラ風の男とダークコートを着ている男でクラス内の全員が硬直しているのを見て、チンピラ風の男が口を開いた。
「おーおー皆さん勉強熱心なことで、応援してるぞ若人諸君!」
開口一番ふざけたことを言うチンピラ風の男に教室内がざわめき・・・それにイライラしたのかチンピラ風の男は
「≪ズドン≫」
と言い魔術が起動した。そしてそれは壁にぶつかり、壁が少し壊れている。魔術学院の壁とは学生用魔術によって壊れないようにする為、それなりに丈夫なはずなのだが・・・その壁が少し欠けているのだ。
「・・・ら、【ライトニング・ピアス】!?」
「お?学生はまだ知らないはずなんだけどねぇ、君勉強熱心だね。そ、今のは軍用魔術の【ライトニング・ピアス】・・・さーて静かになったところで自己紹介しようか、俺らは俗に言うテロリストでーす。そして君たちは人質ね、逆らってもいいけど容赦なくぶち殺すから覚悟してね?」
笑顔で言うテロリストだが、学生がそんなことを言われれば当然パニックになる訳で・・・
「うるせえよ、ガキども。殺すぞ」
そう言って詠唱し天井に向かって放つと天井に穴が開いた。それを見てしまえば恐怖でなにも発せなくなる為、効果は絶大だろう。
「よしよし魔術学院の生徒たちはいい子たちばかりだな~ついでに聞きたいんだけどさ、こん中にルミアちゃんって娘いるかな?いたら返事して?・・・しゃーない、ルミアちゃんって娘が出てくるまで殺すか。」
あっさりと言った男に対し、ティンジェルさんは覚悟を決めて名乗りをあげた。そこからティンジェルさんはダークコートの男に、フィーベルさんはチンピラ風の男に連れ出され生徒たちは全員【スペル・シール】をかけられ教室に閉じ込められてしまった。
「フィーベルさんとティンジェルさんが連れていかれた・・・か。」
そんな中アレスはトイレにいた。この男、昨日徹夜してしまったせいでトイレで吐いていたのである。だが、少し休めたお陰か調子はそれなりによくなった。だが依然、危機的状況に変わりない。
「どうすっかな~ルミアは助けるけど・・・フィーベルさんも一緒にってなると結構つらいな・・・ッ!」
そう呟いて考えていたのだが、いきなりの大爆発が起きたのである。
「悩んでる暇はないよな・・・」
そう言って取り出すのは圧縮された赤い外套である。この外套には条件起動式の魔術がかけられており、ある言葉を言わなければ外套として機能することはない。
「≪我が名は無銘・我は贋作者なり≫」
その2節で外套となり、その外套を身に纏えば認識阻害の魔術も同時にかかる。フィーベルさんには申し訳ないが護衛の任務上ルミアが最優先である。
「よし、行くか!」
そう意気込んで出たのだが・・・なにこれ・・・グレン先生が倒れてフィーベルさんが泣いている絵面であった。近くには男も倒れており、脈が無い為死んでいるのは明らかである。そして今気づいたのだろうフィーベルさんが
「あなたは誰!・・・あなたもテロリストなの?」
左手を構えながらそう言ってくるフィーベルさん・・・だが、生憎とここで時間をくうわけにはいかないので、無視して学院内を探し回っていると・・・ゴーレムが大量に配置されている場所があった。
「・・・それにしても多いな・・・仕方ない
「ふぅ・・・それにしても、ここは・・・転送方陣のある場所・・・だったか。」
ゴーレムを纏めて吹き飛ばし、その転送方陣がある場所へ入るとそこにはすごい光景があった。ヒューイ先生と方陣の中に閉じ込められているルミアがいた。
「おや・・・あなたはどちら様でしょうか?」
真剣な表情で聞いてくるヒューイ先生・・・だが生憎と正体をバラす馬鹿はいない。
「いや、なにしがない暗殺者さ。」
その会話で顔を上にあげたルミアがこちらを見る。
「あ、あなたはあの時の・・・」
「おや?ルミアさんの知り合いでしたか・・・ですが、どうしますか?これは白魔儀【サクリファイス】です。あなたにこれを解くことができますか?」
「・・・いや、これは僕じゃ解呪できないだろうね・・・」
「では、あなただけでも地下の
「・・・何言ってるんだ?解けないなら壊すなりやり方はあるでしょ?」
「それを対策していないと思いますか?」
「なるほど障壁があるのか・・・でも、無意味だよ」
「なにを・・・言って・・・」
「まあ見とけって、≪
そう言って出てきたのは1つの歪な形をした短剣であった。
「それは・・・一体なんでしょう?」
「これは、
そう言って無銘は短剣を【サクリファイス】に刺した・・・と同時に術式は消え去った。
「僕の負け・・・ですか・・・私はなにを間違えたのでしょう・・・」
「人とは間違え傷つく生き物である、この言葉をどう受け止めるかはあなた次第だ。」
そう言ってヒューイ先生を気絶させ、ルミアへ向き直り
「大丈夫かい?」
「え・・・あ、はい大丈夫です。それよりどうしてあなたがここにいるんですか?」
「・・・誰かとは言わないが君の護衛を依頼されていてね。君を助けるのが僕の仕事なのさ。」
「助けていただいてありがとうございます。それと・・・3年前は疑ってしまってごめんなさい。」
恐らく、3年前助けに行ったとき味方だと信じなかったことを言っているのだろう理解した所で気づいた否、気付けてしまった。無銘としてはこのまま別れた方が得策だろう、しかしアルスとしてはルミアのこの辛そうな顔を見ているのが我慢できなかった、例えアルスとバレてでもルミアの泣く姿だけは見たくなかった。だからそっと抱きしめたのだ。
「ッ!・・・なに・・・を」
「君は頑張ったさ。君は確かに同世代の人たちより胆力も精神力も優れているだろう。だがそれでも君は1人の女の子だ・・・辛くない筈がない。」
「・・・うっ・・・」
「ここには、誰にもいないし・・・今ぐらいは胸を貸すよ。」
そしてルミアが泣き止むまで胸を貸していた。
そして泣き止んで転送塔からでようとしたところにグレン先生が来た。
「テメールミアから離れやがれ!」
「グレン先sッ!」
グレン先生と言おうとしたのを止め、話し始める。恐らくグレン先生は無銘がルミアの護衛を女王殿下直々に頼まれたことを忘れているのだろう・・・
「グレン=レーダス、この娘を頼む。」
あの時と同じようにグレン先生にルミアを任せ、去ろうとするとルミアが
「助けてくれて本当にありがとうございました。ずっとあの時のお礼が言いたかったんです・・・あなたが助けてくれたから、私は今も前を向いて生きてい行けます。」
頭を下げお礼をしてくれたのである。
「お礼を言うなら、そっちのグレン=レーダスに言うといい3年前君を救ったのは彼だし・・・今回もグレンがテロリストを2人やってくれなければ僕は間に合わなかったかもしれないからね。」
そう言って無銘は消えた。
こうして事件は終息した。
アルザーノ帝国魔術学院自爆テロ未遂事件。
一人の非常勤講師の活躍により未遂に終わったこの事件は、関わった組織や諸々の事情を考慮して内々に処理された。学院の破壊痕なども魔術実験の暴発として片をつけられ、公式にも事件の存在は隠蔽された。
「今回はグレン先生に感謝しないとな・・・」
学院の屋上にアルスは1人でおり、そう呟いた。事実アルスはテロリストと戦わなかったから力を温存できたし、万全の状態でルミアの元に行くことができたのである。
「グレン先生・・・やっぱりあんたは
破戒すべき全ての符か術式解体かで迷ったんだけど、術式解体を使うってなるとアルス君の魔術特性を『万物の分解・再生』にしないといけなくなるので没にしました・・・
1話で終わらせてしまった・・・本当にすまない。魔術競技際を早く書きたいんだ!