ハイスクールD×D ~タイコの戦士、異世界に現る~ 作:アゲイン
本当に久々の投稿となりますが、内容は以前から練っていたものをある程度形にできたためとりあえず短編形式としてお送りする所存です。
リアルで色々ありまして、景気つけの意味も込めての作品ですのでどうか応援していただけると嬉しいです。
それでは、今作の素材。
ハイスクールD×Dとパタポンのごった煮。
全六話、原作が始まる前のほんの序章でございます。
自分の人生というものにおいて、まさかの出来事が起こる確率というのはどれくらいだろうか。
事故?
宝くじ?
運命の出会い?
まあ、どれもがあり得る、というくらいには普通なんだと自分を評価している。
0パーセント、ということはないだろうと、そう思っている。
―――それでも、それでもだ。
どんなことでも起きるまでは0パーセントじゃないと、俺の父親は言っていたが、それでも絶対にそれはあり得ないということが存在しているはずである。
例えば俺が神様になる、そんなことは想像の世界でしかあり得ないわけである。
例えばドラゴンが目の前に現れる、とか。これもまた、現実に起こり得るはずがない。
つまりは0パーセント、コンマ1以下よりも少なくむしろ不可能というような可能性の果てに存在している。
普通な自分を自覚している俺にとって、こういう常識的な範囲で不可能とされるものに対してだけは、あり得るかもなんて微塵も考えていなかったのである。
だからだろうか、
―――ゲームの途中に意識がなくなって、目が覚めたら全く見に覚えのないところに横たわっていたのに、ああ夢なんだなと納得してしまったのは。
△ △
結論から言おう。
俺は何故か、子供になっていた。
特に何らかの兆候があったわけでもないので、首を捻るばかりであったのだが周りを見渡す中で徐々にだが記憶のようなものが浮かんでくるのを感じた。
その記憶によるならば、俺は今五歳の男の子であるらしい。
どうにもそれまではぼんやりとした感じの子供だったようで、恐らく自我の芽生えによってようやく「俺」としての意識が甦ったようなのだ。
それからベッドの上でうんうん唸る俺を見つけた両親と思われる二人の大人に心配されつつも、この世界での自分としての振る舞いを見せることで安心させるのだった。
△ △
何の因果か転生を果たした俺こと、現在「旗本 奏平」を名乗っている五歳児。
保育園での生活は中々精神を削られたが、目立つことは避けようと努力した結果大人しい子としてそれなりの認識をされるようになった。
それを利用して、現在色々と考えを巡らしている最中である。
本を読むふりをしながら、どうしてこうなったのか、何様のせいなのかを考える。
以前読んだことのある神様転生という奴だろうか、しかしそれだとその時の記憶があるはずである。しかしそんなことはなく、意味不明なまま至って普通の毎日を送っている。
では別の誰かの思惑があるのか、何様のつもりだろうか、善意であるならお世話様である。
益体もないことを考えつつ、できれば平和なままの人生を送っていきたいなぁと願うばかりであった。
△ △
無難に生きようとしたのだが、どうやらそれは無理らしい。
保育園を卒園し、小学生となった俺なのだがどうやらここらへんから結構無理な感じなのをひしひしと理解していた。
精神年齢が高くなり、幼稚な悪意が芽吹きだす年頃である。それまで大人しい奴として通してきた弊害か、たびたびクラスの奴等にちょっかいを掛けられるようになってきたのである。
バカなことしかしないこいつらと付き合うのは個人的な感情が許さず距離を置いていたのだが、奴等はそれが気に入らないのか俺に何か反応をさせようとチャチな悪戯を仕掛けてくるのである。
それに反応せずにいたら、今度は直接的な手段できたので困ってしまい、そこでまた対応を間違えてしまったものだから大変なことになってしまった。
というのも、よせばよかったのだが、担任に対してどうにかしてくれないかと訴えてしまったのだ。
数の違いもあったからそうしてしまったのだが、チクリ野郎だとか卑怯者とかいう、この時期にありがちな逆恨みのような感情を買ってしまいクラスからハブられることとなってしまった。
まあ、だがこれはこれで丁度よかったかもしれない。
元々反りが合わなかったのだ、無視をしてくれるというならそれなりの行動をさせてもらおう。
こうして俺は前世の知識を使い、それなりの成績を維持しつつ一人の時間を満喫するようになった。
……だがこれも、判断としてはあまりいいものではなかったらしい。調子に載った俺は、この後取り返しの着かないことを仕出かしてしまうのだった。
△ △
しくじった。俺はそう素直に思った。
小学校での出来事から、一人の時間が増えた俺は探検と称して街を見回ることを繰り返していた。
一通り範囲内を見終わった俺は、次の目標として学校の裏手に位置する山へと足を運ぶことにしたのである。
色々と噂のあるところらしく、地元でも恐れられている場所であったのだが全く人の手が入っていないわけではないので俺はあまり気にしていなかった。
今日はそこにある寺に行ってみたのだが、これがまあ、悪かった。
年期の入った石階段を登り、辿り着いた寺の雰囲気にしばし飲まれていたところ、不意に何かが飛ぶような音が聞こえてきたのである。
鳥か何かかと思い周囲を見回し、その不気味な様子に何か不味いことが起こっていると感じた俺は一刻も早くこの場所から逃げなければならない。そう判断し猛然と来た道を走れば―――
「―――勘のいい、だが未熟に過ぎる」
逃げ道を断ち切るようにして、それまでどこにもいなかったはずの誰かがそこに立っていた。
声から男であることは分かったが、それが人かと問われれば否と答えるしかなく。
僅かな知識によるならば、その存在が着ているのは修道者や山伏といった者が着ているそれで。
しかし―――
「―――俺の姿は見慣れぬか、であれば素質のあるだけの童であったか」
―――しかし、その相貌はどうみても烏のそれであり。
「―――では名乗ろう。我が名は蒼天、鞍馬山よりこの地へ来た烏天狗なり。小僧、お前には我らをして無視できん力が眠っておる。制御できねば災いがお前を襲うであろう。
どうだ、戯れだが身を守る術を教えてやろう。お前が思っているほど、この世界は安全でもなければ優しくないのだからな」
―――その背中からは、黒々とした漆黒のような翼が生えていた。
まさかが起こるのはいつだってわからない。起こるまで0パーセント以下であったはずのそれが、目の前で百になってしまった。
幻想が実体を持ち、意思ある者として俺に問う。
認めよう、そうであってほしくなくて考えていなかった可能性。足を踏み外したのはこれで二回目だというのなら、もうこれは逃れられない運命なのだ。
―――この世界は、どうやら人じゃないヒトたちがいるらしい。そして自分はその世界へ一歩、足を踏み入れてしまったようだ。
ああ、どうしてこうなった。
読了ありがとうございました。
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