「ついに見つけたわよ!学園のノミ!」
彼女の名は『
「出会って早々にノミはねぇだろ」
いきなりノミ呼ばわりされ男は素っ頓狂な顔をしている
「あんたがこの学園で好き勝手しているせいで生徒会の信用はガタ落ち、あまつさえ会長も頭を抱えるほど!」
「知らんがな・・・」
「あんたには無期停学、いや・・・退学させてやるのよ!」
「勝手にしろよ・・・俺ぁ、構わんよ?」
男はため息を吐きながらそう言うが楓は全くもって腑に落ちないと言う顔をしている
「ただそうしただけじゃ生徒会の信用は戻ってこない、だからここであなたに生徒会執行部としての仕事をさせてもらうわ!」
「何言ってんだ?」
男が疑問を投げかけると
「こうするのよ!」
楓はいきなり跳び蹴りを放った
「危ねっ!」
男はするりと避けた
「何すんだよいきなり」
「執行するって言ってんでしょ!」
そこからとんでもない速さで攻撃を繰り出す
「これぞ!元海兵隊員が生み出した格闘技通称『バッコム』!」
バッコムとは
元海兵隊員であるロバート・プッチ・ベザダによって発見された柔術とバーリトゥードが組み合わさった危険な武術
その技は柔術のような絞め技、関節技から。相手の臓器を狙った攻撃などを駆使し相手を一瞬にして行動不能にさせる武術である
「おい!危ないっつってんだろ!」
男がそう言うと、槍のようなパンチを受け流すと
「二天流、鬼門『殺』!」
ガラ空きになった腹部に拳を付けそう言うと、まるで爆発でもしたのかと言うくらいの衝撃で楓は吹き飛んだ
「ゲホッ!」
そして、地面に倒れた瞬間、楓は首を押さえてもがき苦しみ始めた
「カハッ!ハッ!」
「その技は肺に振動を加えて一時的に呼吸が出来なくなる技だ。安心しなじきに治る」
そう言うと、段々と呼吸がしやすくなってきた
「ゲホッ・・・ゲホッ・・・」
「わかったろ?俺には構うな、生徒会長ともそういう約束になってんだ」
「な、何を・・・言って・・・」
楓は苦しそうにそう言うと
「じゃっ、今度はもっと穏便に話そうぜ」
男はそう言うと手をヒラヒラと振り去って行った
所変わって生徒会室
「会長、例の男が会長と一切関わらない約束をしたと聞きました、どういうことですか?」
「ん~、それはねぇ、僕と彼がやり合って彼が勝ったから条件付きで彼とは関わらないことになってるんだぁ」
喋り方がおっとりしていて平和ボケしたかのような顔の彼が生徒会会長『
ふくよかなお腹に地味な眼鏡を掛け、誰にでも優しく何をされても激昂することのない性格であるが
その見た目とは裏腹に逮捕術を使いこなし、多くの不良生徒を更正してきた自他共に認める学園の長とされている
「会長が負けた?まさか、冗談でしょう」
「いやぁ、彼は強いよぉ。元々彼は不良に絡まれてその火の粉を払っていただけらしいし」
「しかし、あの男・・・『
楓がそう言うと、生徒会室の机の上にある無数の書類の山を指差した
「あぁ~、確かにねぇ」
「で、今思ったんですけど、その条件とは?」
「ん~、条件はこの学園の生徒、職員に対して一切危害を加えないこと。だったかな」
帝がそう言うと、楓は生徒会会長の机をドンッと叩き
「つまり、二道は会長との約束を破りあまつさえしらを切ったと!!」
「いやぁ、彼はそんなことはしないと思うけどねぇ」
楓のその発言を否定しなだめようとするが
「こうなったら、生徒会の人間を総動員して奴を拘束して・・・」
「あれ?楓ちゃん?聞いてるのかい?」
楓は聞く耳を持たずそのまま生徒会室を出て行った
「あぁ~、困ったなぁ」
楓は生徒会で腕力のある委員を招集し秋雨がいるであろう屋上に向かった
「二道!」
勢いよく扉を開くとそこには秋雨とフードを被った学生?が倒れていた
「あぁ?まだ懲りてなかったのか」
「そこの生徒は・・・まさか、超えてはいけない一線を越えてしまったようねぇ」
「ん?あぁ、こいつはO「問答無用!執行する!」
楓を筆頭に委員達も一斉に秋雨に攻撃を仕掛けた
「はぁ、二天流、天門『崩』」
大勢でかかってくる相手に対し秋雨は片腕だけで構えると、まるですり抜けるかのように通り抜けた
「なっ!どうやって・・・!」
楓が驚いていると急に足に力が入らずその場に座り込んでしまった
「な、何!足に力が・・・皆!」
周りを見てみると他の生徒会メンバーもその場に座り込んでいた
「天門『崩』は筋肉を振動させて力が入りづらくなる技だ。立てても生まれたての子鹿みたいになるぜ」
そう言って、秋雨がフードの男に顔を向けると
「あれ!?さっきのどこに行きやがった!」
秋雨は大きな声でそう言うと、屋上の扉の方から男の悲鳴が聞こえた
「君が探しているのはこの人かな?」
そこには帝がフードの男を片手で関節技で動けなくしていた
「おぉ!帝!久しぶりだなぁ」
「君はもう少し年長者に対して礼儀を知った方がいいともうけどねぇ」
帝は男の腕を締め上げて
「さて、この生徒は君に化けて悪さをしているようだねぇ」
「あぁ、流石に迷惑だからご退場願おうと思ってボコしたんだが・・・こいつらが急に来るから」
「おや?生徒に危害を加えない約束を破ったと言うことかい?」
「生徒会の仕事を手伝ってやったんだよ、少しは勘弁しろよ」
やれやれといった感じで秋雨がそう言うと、帝は少し笑い
「冗談だよ、しかし、それ以外の理由で危害を加えた場合は僕が出てくる事は忘れないで欲しいね」
一瞬、周りの空気がピリついたが
「お前とやり合うのは一回で十分だ」
秋雨は軽く笑い飛ばした
「じゃあ、この生徒は僕が預かるよ」
「そうしてくれ。後、飼い犬の躾くらいはしっかりしておいて欲しいねぇ」
秋雨はそう言って、その場を去って行った
「まぁ、君たちも正義感が強いのは結構だけど、人の話くらいはきちんと聞かないと、大怪我する羽目になるよ」
帝はニコニコと笑いながらフードの男を連れてどこかへ行った
「あ、あれが会長とやり合った相手・・・二道 秋雨」
楓は改めて自分が戦った相手の強さを実感した、そして
自分の足がいつになったら治るのかと思い待っていた
後日、楓は風邪を引いた