狼さんと妖狐が問題児と共に異世界から来るそうですよ? 作:天崎
とある宿。
レベル0の勇者、小桃・サクライと元魔王、昴・ハーネストは食事をとっていた。
「それで小桃、これからどうするの?」
「今のところは勇者の仕事は入ってないし………しばらくはバイトだな」
「別に金は俺が持ってるんだけどな~」
「いつも思うけどそれは何処から入ってくる金なんだソレは……」
そこまで言って、小桃は顔をそらして言う。
「とにかくお前を頼りにしてばっかじゃいけない!!」
「小桃は何時もそれだね~」
二人がそんなことを話していると、梅がちょこんと座り、封書をくわえていた。
「その封書、どうしたんだ?」
小桃が聞くと、近くに落ちていたというかんじの仕草をする。
とりあえずどういう物か確かめる為に小桃が封書を手にした瞬間、封書が強い光を放ち始めた。
「へ?」
「ん?」
その光は小桃、昴、梅を包み込むのだった。
◆◆◆◆◆
鬼の先祖帰り、白鬼院凛々蝶と妖狐の先祖帰り御狐神双熾は、双熾の部屋にいた。
デートの帰りと言ったところである。
「それで、凛々蝶さま。明日はどういたしますか?」
「み、御狐神くんは何処か行きたい場所とかはないのか?」
「僕は凛々蝶さまと一緒ならば……」
二人がそんなことを話していると、机の上にいつの間にか封書が出現する。
途端に二人は警戒する。
先祖帰りと言うものは妖怪に狙われやすい。
例え妖館のセキュリティでも完全ではない。
警戒しながら封書へと手を伸ばす。
と次の瞬間、封書が輝き出した。
「うわっ!?」
「凛々蝶さま!!」
輝きは二人を包むのだった。
◆◆◆◆◆
何処か別世界の川辺にて、逆廻十六夜は封書を開いていた。
◆◆◆◆◆
封書にはこう書かれていた。
{悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの“箱庭”に来たられし}
しかし逆廻十六夜以外は何かの手違いか、誤作動により、これを読まずに輝きに包まれた。
事情を知らぬ四人と自らの意思で来る一人が招待されるのだった。
◆◆◆◆◆
「うわっ!?」
「うわぁぁぁ!?」
「へぇ?」
「む………」
五人の視界は間を置かずに開けた。
彼らは急転直下、彼らは上空4000mほどの位置に投げ出されたのだ。
九割は何が何だかも分からず。
落下に伴う圧力に苦しみながらも、彼らは同様の感想を抱くのだった。
そして数人は、同じ言葉を口にした。
「ど………何処だここ!?」
眼前には見た事もない風景が広がっていた。
視線の先に広がる地平線は、世界の果てを彷彿させる断崖絶壁。
眼下に見えるのは、縮尺を見間違えるほど巨大な天幕に覆われた未知の都市。
彼らの前に広がる世界は___完全無欠に異世界だった。
プロローグでした。
新作開始というかんじです。
優先順位としてはもう一つ書いてる方が優先です。
とりあえずこのメンバーでの物語は一巻までを構想しています。
口調に関しては不馴れなキャラ達なので多少崩れているかもしれません。
それでは質問、感想待っています。