本編は下です
俺は地を蹴って咲夜に近づいた。
真っ先に振り上げた剣を右下へ振り下ろそうとしたとき。
キリト「!?」
俺の前から、即座に姿をパッと消した咲夜。
俺は咄嗟のことに集中が乱れ、振り終わった後に周りを焦って見渡す。
キリト「ど、どこに!」
咲夜「ここよ」
不意に右から声が聞こえ、ハッと振り向くと金属光沢のする何かが俺の体に飛んでくる。
とがったものが、俺の体にぐしゃりと音をたて、2,3本と刺さる。
そしてこの時わかった。
この世界には、ペインアブソーバーのレベルが100だということを。
俺は刺された恐怖と、ペインアブソーバーのレベルに対して胸をなでおろした。
ふっと、刺さったものをみると、色は様々だが、ナイフだった。
投げナイフの達人か、まさかシングルシュートのようなものだろうか。
キリト「・・・」
HP48300/50000
かなり削られるな、3本で。
思い、俺は体からナイフを抜いていく。
刺さっていれば、体力が削られるからだ。
咲夜「あら?痛みを感じていないのかしら」
キリト「・・・いや、痛くなくとも、重いさ」
そう、まるであのゲームの世界のような。
キリト「瞬間移動できるとは羨ましいな」
咲夜「あなたはこの能力がわからない」
キリト「・・・どういうことだ」
咲夜「あなたは、何も理解できないまま、死ぬということ」
こいつ、俺が死ぬとわかっているのか。
痛みを感じない奴でも、迫るのか。
キリト「・・・見極める」
咲夜「できるわけないわよ」
キリト「どうだかな」
俺は、剣を握りしめ、咲夜に向かって走った。
***
無駄よ。
コーン色の長いロングコートを着た男性は、即座に走り向かってきた。
なんとも、無能なものだろうか。
私は常時している特別な懐中時計に手を伸ばす。
常に服のポッケに入れているため、右手を入れ時計に触れるのだ。
触れたとたん、私の見ている世界は一変する。
色はゆがみ、そして、最大の特徴。
時が止まる。
あの男性、キリトのすがたは、向かったままの姿で止まっている。
私はその隙に後ろに周り飛び、後ろからナイフを投げる。
複数本。
10本ほど、シャキンとキリトに向ける。
咲夜「時よ戻れ!」
懐中時計に揺られて、時も揺られ戻ってくる。
***
キリト「!」
俺は即座に後ろに振りむく。
どうせ瞬間移動しているのならば、後だろ!
俺の予想は的中していて、後ろから鈍い動きから始まる投げナイフが俺に飛んできた。
その数、12本。
俺は横に飛び、回避行動をとり、咲夜を見やる。
まるで見下した顔だ。
しかし、なにかおかしい。
鈍く始まる動きのナイフ。
不可解な瞬間移動。
そしてナイフは空中から突如始まる。
これらは、なにか共通点があるはずだ。
キリト「・・・」
俺は、もう一度、咲夜に向かって飛び向かう。
そして、また瞬間移動するだろうが、咲夜の動きを俺は凝視していた。
キリト「!!!」
咲夜の右手。あの動きはなんだ!?
ポッケに手を入れて、なにかいじっている。
その刹那。
俺の考えていた思考は一瞬で解消され、後ろのナイフを避けた。
しかし、頬をかすめる。
瞬間移動とナイフの位置。
あのポッケがなにもかもが原点が気がしたのだ。
なにかいじっている。なんだろうか、あのポッケの中にある何かが・・・この戦闘のカギを握るはずだ。
***
何か目がおかしい。
なにか考えているの?
なにもわからないくせに。
私は時をとめ、あの男を終わらせる。
そして、主様をまもる。
それが私の仕事。
妹様のことも、けど私には妹様の精神は直せそうにない。
けれど、私は主様に仕えるメイド。
それが私。
***
キリト「・・・見抜いたぜ」
咲夜「なにを?」
俺はにやりとし、咲夜を見る。
俺は足先を咲夜に向け、向かう体制をとる。
そして、咲夜の右手の指がぴくと動く。
やはり、あのポッケになにかある!
キリト「ふ!」
足先を思い切り右にかえ、右に走り咲夜のポッケを狙う。
咲夜も驚いた顔をして、俺をみる。
そして俺は剣を左手に持ち、空いた右手で、投擲武器を3本指にはめる。
キリト「・・・」
集中力を高め、スキルの溜まる音をよく聞いて。
アインクラッドでラグー・ラビットをとらえた技。
アインクラッド流 シングルシュート
投げたものは、咲夜のポッケをかすめ、びりびりとポッケの中をあらわにさせた。
落ちてきたものは、なんと懐中時計だったのだ。
俺はそれに向かって思い切り2本の投擲武器をぐさりと突き刺した。
たちまち、咲夜の懐中時計は、使い物にならなくなり、針が止まった。
キリト「・・・懐中時計、咲夜、あんたは時を止めていたんだな」
咲夜「・・・よくわかったわね」
***
なんとも、動体視力のいいやつだろう。
なんだろうか、あのものは。
私はナイフを指に挟み、本気で立ち向かう。
咲夜「・・・本気で行くわ」
***
そう言われたら、言うしかない。
キリト「俺も本気で行くぜ」
右手に剣を戻して、全身全霊で立ち向かう。
俺の力を信じて。
長い間、投稿できなくて、すみませんでした・・・。
がんばります!本当に!ヤンデレの方もがんばるよ!
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