幻想郷で旅立つ黒の剣士   作:エーン

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キリト対咲夜

本編は下です


12話 キリト対咲夜 後編

いつからだろうか。

 

突然、キリトがログインしなくなっていた。

 

一体何処で何をしているのだろうか。

 

それを考えていたら、ふと今の時間を見やる。

 

13:56

 

今の時間だ。

 

もう4日も経っている。

 

このように考えているとき、声をかけてきてくれた人がいた。

その人が言ったことは思いもしなかったことだった。

 

フィリア「アスナ~!」

 

アスナ「あ、フィリアちゃん・・・」

 

呼びながら走ってくるオレンジ髪の少女。

私はキリトのことで頭がいっぱいだった。

 

フィリア「アスナを探していたんだよ」

 

アスナ「そ、そう。ありがとう」

 

フィリア「・・・アスナ、伝えるべきことがあるの」

 

アスナ「伝えるべきこと?」

 

私はフィリアからの言葉に重みを感じ、少し覚悟しながら聞いた。

 

フィリア「前・・・キリトがアンダーワールドに居た時に、そのアンダーワールドを作った人。菊岡誠二郎のことなんだけど・・・」

 

菊岡・・・アンダーワールドのアリシゼーション計画執行人。

 

フィリア「私、菊岡さんに聞きたいことがあったの。もちろんキリトの居場所のことね。で、菊岡さんが何か知らないかなと思って電話したら・・・」

 

次の言葉は驚く言葉だった。

 

フィリア「・・・菊岡さんが、「オーシャンタートルに来ればわかる」とだけ言ってたの。どう思う?」

 

アスナ「・・・」

 

私は今、安心している。

なぜか、キリトの居場所がオーシャンタートルにいる気がするのだ。

 

というか、そこ以外ありえない。

 

絶対に、キリトは・・・私のキリトは・・・。

 

アスナ「・・・」

 

やっと、見つけた。キリトの場所・・・。

 

アスナ「すぐにオーシャンタートルに行きましょう。皆に連絡して」

 

ついに、キリトにまた会える・・・。

 

もう、いつもいつも・・・私を・・・皆を・・・。

 

会ったら、何を話そうかしら・・・そう考えて行動し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は全身全霊をもって咲夜にもう特攻した。

剣をしっかり構えて、咲夜に向かう。

 

ブラックウィングコートがなびく。

 

アニールブレードをしっかり握り、咲夜に攻撃をしかける。

 

咲夜は装備していた3本のナイフを俺に向かって全部一気に投げる。

 

俺は2本は避け、一本は剣で思い切り防ぐ。

 

俺は咲夜の行動をしっかり見て、次に移る。

 

剣を右上に、ある剣技を構える。

 

水色のライトエフェクトが剣を包み、溜まる音が俺の心を覚ました。

 

咲夜に向かって左下へ思い切り振り下ろそうとする。

 

しかし、それは咲夜の右手に持っている逆手持ちのナイフが受け流したのだ。

 

剣が受け流されても、左下にある剣はまだ光を帯びている。

 

そう、これは1連撃ではない。

 

左下から、右上へ振り上げようとする。

2連撃のこの剣技。

 

咲夜は受け流すことはできなかったが、身は守った。

 

咲夜は逆手ナイフで必死に俺の剣技と交えた。

 

アインクラッド流 2連撃 バーチカル・アーク

 

咲夜は険しい顔をしても、まったく引こうとせず攻撃を仕掛けてきたのだ。

 

さすが、主に仕えるメイドである。

 

俺も負けていられない。

 

剣をまた持ち直し、咲夜が攻撃を仕掛ける。

 

ナイフを右手に逆手持ちで、俺に思い切り横切りする。

まるで忍者の暗殺のようなそんな動き。

 

前傾姿勢で逃すまいという振り方。

 

しかし俺は後ろに下がって、一振り避けられたのだ。

 

そして、2撃目の攻撃に対しリーチの短いナイフを俺は剣で受け流す。

 

咄嗟に咲夜は下がる。

 

咲夜「さすがの反射神経ね」

 

キリト「お前もな!」

 

もう、スピード勝負だ。

 

俺と咲夜は5m離れた場所から、互いに向かい合って・・・。

 

ここは館の一番広いところ。

 

俺は目を見開くと、足でしっかり床を蹴った。

 

剣をしっかり持って。

 

咲夜も一本のナイフを逆手に持ちながら、かなりのスピードで来た。

 

俺は剣技を使う。

 

この世界では誰も使えない、俺だけの技。

 

1連撃 ホリゾンタル・アーク

 

咲夜はしっかり構えていた。

俺の横直線のこの剣技を慌てず、受け流すとその隙を逃さず俺に向かって振り下ろす。

 

俺も右上に剣を持ってきて、ナイフを受け流す。

 

ギギギと金属がぶつかる音が館内に響く。

 

俺は半時計周りに回ると、剣技もない横降りを咲夜に向かって振る。

 

しかし、それも咲夜はナイフで受け止める。

 

今、俺と咲夜の間は片手剣とナイフのつばせりあいで止めている。

 

キリト「や、やるな・・・」

 

咲夜「あなたもです・・・。あなたの強さなら・・・」

 

キンッ!

 

互いにはじけあうと、そこからの連撃を互いに行った。

 

キンッ!

 

キンッ!

 

キンッ!

 

ナイフと片手剣がすごい速度でぶつかっている。

 

キンッ!

 

しかし、先は見えない。

 

だから俺は、力を強める。

 

咲夜が上から振り下ろす攻撃をついにしてきたのだ。

 

この攻撃法が、俺の待っていたものだ。

 

俺は下から剣を振り上げ、思い切りナイフにぶち当たる。

 

キィイン!!!

 

ナイフが宙を舞った。

 

咲夜の手からナイフが消えた。

 

俺が弾き飛ばしたのだ。

 

咲夜「な、なにっ!」

 

キリト「終わりだぁ!!!!!」

 

俺は肩から入れる剣を振ろうと肩まで剣が届きそうな時。

 

ぴたっ。

 

俺は動きを止める。

 

別に時間を止めているわけではない。

 

俺が自分でうごきを止めた。

 

咲夜「どうしたんですか、早く私を」

 

キリト「俺は女性を傷つけはしないよ」

 

だが、俺は肩から剣を動かさない。

 

キリト「負けたって言ってくれれば・・・」

 

咲夜「・・・」

 

咲夜はしばらくうつむくと、決心がついたように口が開いた。

 

咲夜「負けました。キリト、あなたは強い・・・強いですね」

 

キリト「ありがとう」

 

俺は剣を鞘にしまうと、咲夜を見る。

 

咲夜「なぜ私を・・・殺さないのですか?」

 

キリト「咲夜はこの館のメイドだろ?だから聞きたいことがあったんだ。ほら、さっき言ってたろ?」

 

咲夜「あ・・・そうでしたね・・・。妹様・・・のことですか」

 

キリト「あぁ、君たちのいう妹様っていうのは主様の妹なんだろ?」

 

咲夜「はい・・・」

 

もう敵意はないようだ。

 

咲夜はしばらくの沈黙の後、話し始めた。

 

咲夜「妹様は、もう長い間地下に閉じ込められています」

 

キリト「危険な能力なんだろ」

 

咲夜「はい、その暴走が怖くなって、主様・・・レミリア様は、地下に閉じ込めました」

 

キリト「・・・そうか」

 

咲夜「レミリア様はずっと頭を悩ましています。妹様のことをどうしようか、ずっと」

 

キリト「・・・」

 

咲夜「・・・もう妹様は止められません・・・。ずっと怖がっています。いつ暴れるかも・・・」

 

キリト「俺は、それを止めるためにこの世界に来たんだ」

 

咲夜「え?」

 

キリト「俺はこの世界の創設者に連れてこられたんだが・・・こういうのも俺の範囲に入っているんだろうな」

 

咲夜「・・・」

 

キリト「任せろ。妹様は、俺が絶対に止める。それに、主様とも和解させる。大丈夫、暴走なんて俺が止めてやるからさ」

 

咲夜「そんな・・・どうなるか・・・」

 

キリト「君たちだけが背負わなくてもいいんだ。俺とかにも頼ってくれ。妹様を、救って見せるから」

 

咲夜「本当・・・ですか?」

 

まるで、ずっと我慢していたのがもう限界を超えたかのように、頬に涙が伝った。

 

キリト「・・・大丈夫」

 

俺は咄嗟に咲夜を抱きとめた。

 

キリト「必ず、俺は妹様を止める。必ずこの紅魔館に平和を取り戻して見せる。だから・・・その・・・」

 

俺はすこし詰まって、言った。

 

キリト「この剣士キリトに、任して」

 

咲夜「・・・はい!」

 

咲夜が初めて笑顔を見せた。

 

俺は、必ず止めようと、何度も決心した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は長い地下へ続く階段に向かった。

 

咲夜「この扉です」

 

ついに、地下奥深くのこの部屋。妹様の部屋の前まで来たのだ。

 

キリト「・・・」

 

咲夜「・・・どうか、お願いします」

 

深くお辞儀する。

 

キリト「あ、頭上げて」

 

咲夜「・・・」

 

ゆっくり顔を上げた咲夜は祈るように言った。

 

咲夜「では、お入り・・・ください」

 

キリト「うん」

 

ぎぃぃと扉が開かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「お兄ちゃん、誰?」




久しぶりダナー投稿久しぶりだな~。

キリトもこれからいろんな人と出会い、成長していくお話です!

どうか、これからもこのお話をご期待ください・・・( ;∀;)

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