本編は下です
激しく交し合う炎の剣と紫の槍。
吸血鬼同志が、本気の闘いをそこで繰り広げていたのだ。
キリト「・・・」
霊夢「どういうこと・・・」
状況を把握できない霊夢は、ただそこで見ていることしかできなかった。
俺も、彼女の有志を見守ることしかできなかった。
レミリア「なによ、誇り高き吸血鬼が人間ごときにそそのかされるなんて。恥を知りなさい。フラン」
フラン「そそのかすなんて・・・姉様はなにもわかっちゃいない!間違っているのは人間のあのお兄ちゃんじゃなくて、姉様だ!」
レミリア「そう・・・主様に逆らうというのね。これは少し・・・お仕置きが必要なようね」
フラン「くっ・・・!たああああああああああああ!」
剣先と槍先が激しくぶつかり合い、その威力はやがてこの部屋を崩す勢いまで来た。このままでは、俺たちが瓦礫につぶされてしまう。
霊夢「さすがにこの力のぶつかり合いはやばいわね・・・」
キリト「一旦脱出するぞ!」
俺と霊夢は真っ先に出口へと足を向け走り出した。屋敷を駆け抜け、迷路だとも思われる通路を右往左往しながら駆け抜けホールへと出ていく。
魔理沙「・・・ん?おー!霊夢にキリト!すごいんだぜ!私さっき「んなこと言っている場合じゃない!」
魔理沙「うぇえええ!?何々!?」
キリト「屋敷が崩れる!早く脱出しないと!」
魔理沙「まじかよ!?」
キリト「あぁ!」
咲夜「うっ・・・」
キリト「咲夜!?」
咲夜「あ・・・キリトさん・・・」
キリト「魔理沙!出てきた部屋に誰かいるか!?」
魔理沙「私が戦った相手がまだ・・・」
キリト「ならすぐ助けにいけるか!?」
魔理沙「へっ!それくらい任せとけ!すぐ連れて一緒に脱出するぜ!」
そういうと魔理沙は箒にまたがり、逆方向に向かい部屋へ戻った。
キリト「さてと・・・」
がたがた・・・。天井に亀裂が広がっていきシャンデリアが落ちてガラスの様に砕ける。
咲夜「・・・」
キリト「何しているんだ咲夜!脱出するぞ!」
咲夜「私は・・・妖怪と変わりありません・・・。この世界の人を苦しめ、敵に回してしまったのだから・・・、生きる意味がありません」
キリト「・・・何言ってるんだよ、咲夜」
咲夜「え?」
キリト「この世界の人はどう思っているのか知らないけど、少なくとも俺は咲夜に死んでほしくない」
咲夜「・・・どういうことですか・・・」
キリト「だって、俺は咲夜が行った行為が人を傷つけることでも、心は優しくて忠実なメイドって俺は知っている。それに、俺は咲夜を敵だと思ってないぞ。全くな。フランのこと、レミリアのことをずっと気にかけて心配していたじゃないか。悪の心に、人を心配できる人なんていないんだよ。咲夜は優しくて、良い人だ!」
咲夜「・・・良い人・・・」
キリト「あぁ!それに、この戦いでフランとレミリアが死ぬとは思えない。もし咲夜が死んだら、誰がレミリアとフランの世話をするんだ?俺は、咲夜だけにしかできないと思っている。だから、最後まで生きようぜ。生きようとすることをそう簡単にあきらめちゃいけないんだ!咲夜は生きていいんだ!さぁ!」
咲夜「生きていい・・・」
キリト「そうだ!生きていいんだ!ほら!」
魔理沙「キリトー!もうやばそうだぜこの館!早く!」
キリト「限界かっ!」
スッと俺は咲夜の膝裏と背中に腕を回し、咄嗟に咲夜を抱っこする。
咲夜「きゃっ!?」
キリト「とりあえず、ここから脱出するぞ!」
おもいきり地を蹴り出口を目指す。しかし、俺は足を停めてしまう。館はもう限界で、上から天井の部品や瓦礫が落ちてくる。この間を俺は進むことになるのか。
咲夜「が、瓦礫が・・・」
キリト「・・・しっかりつかまってろよ。瓦礫を避けて脱出するぞ!」
咲夜「え、えぇ///」
ぎゅっと俺の肩に手を回しくっつく咲夜。
キリト「行くぞ!」
地面を蹴って出口へ猛ダッシュ。目の前に来たものをしっかりとらえ、瓦礫を避けていく。
魔理沙「急げ!もう陥落するぞ!」
足場さえ危なく、落石を体をひねってよけ、重なってできたスキマをすれすれにスライディングし通り抜けていく。
左右に避けていく中で、魔理沙が見える!
キリト「あそこか!」
風をまとい、SKIPスキルを使用して、一気に出口まで距離を縮める。
霊夢「キリト!落石が!」
キリト「何!?」
上をちらっと見ると、頭上に降りかかる大きな落石。
咄嗟に行動し、咲夜を出口へ投げ飛ばしてしまう。
咲夜「あっ・・・」
キリトはたちまち右足を落石につぶされ、右足を切断されてしまいながらも脱出に成功した。
キリト「はぁ・・・はぁ・・・」
咲夜「キ、キリトさん!」
キリト「咲夜・・・無事だったか・・・よかった・・・」
咲夜「そうじゃなくて!あ・・・足が・・・切断されている・・・」
キリト「あ・・・大丈夫だよ。いずれ回復する・・・」
俺のHPバーの横に、足マークが赤く表示されていた。足が切断された時のマークだ。
確かクラディールに腕を切断された時も、手のマークが表示されていた。
咲夜「切断面が・・・ひし形の模様で埋まっている・・・」
キリト「あぁ・・・これは・・・。ん、俺はそもそもこの世界の人じゃない。君たちの言う、外来人ってやつさ」
咲夜「外来人だったの・・・ですか」
キリト「まぁな、それより・・・」
霊夢「・・・戦ってるわね」
魔理沙「そうだな・・・」
パチュリー「・・・むきゅ~・・・」
こあ「パチュリー様・・・・」
崩れた紅魔館の上でたたかう吸血鬼姉妹。そこで例の「弾幕ごっこ」が行われていたのだ。
怒り狂うフランは、すべてをぶつけて戦っていた。
フラン「いつもいつも私だけ仲間外れにして!はあああああ!」
より強さを増す弾幕を対処するレミリア。
レミリア「聞き分けの無い子ね!わがままはやめなさい!」
すると、レミリアは両手の中心から球体が出現し、それは次第におおきくなり、レーザー光線となってフランを襲う。
ひらりと避けるフランは、戦いながらも口で反抗していた。
フラン「私もう、姉様のいいなりにはならないわ!!!」
レミリアと同じような技を繰り出すフラン。遠くから見ているが、すごい迫力だった。風がここまでくるのだ。
キリト「・・・主犯は確か、レミリアだよな」
霊夢「ええ、そうよ。この霧の主犯」
キリト「主犯も、色々悩みはあるんだな」
霊夢「そりゃあ、そうよ」
その時だった。
レミリアのグングニルが、フランのレーヴァテインを粉砕した。
もう、レミリアの勝利が確信していた。
しかし。
その時、レミリアは優しく。
その手で。
その体で。
ゆっくりと、フランを抱いたのだ。
フラン「・・・!!」
レミリア「フラン・・・いつの間にかこんなに大きくなっていたのね・・・」
フラン「姉様は・・・私のが嫌いじゃなかったの!?」
レミリア「そんなわけないでしょう?たった一人の、私の妹だもの・・・」
フラン「姉様・・・」
レミリア「今まで過保護だったかしら。でも、すべてはあなたのためだったの・・・」
フラン「・・・」
レミリア「あとは巫女を倒せば、幻想郷は私たちのものになるわ。そうしたら、外で思い切りあそべるようになるわよ」
フラン「ごめんなさい・・・。私、今まで姉様のことを誤解してた・・・」
レミリア「いいのよ、フラン」
目つきが変わったフランは言った。
フラン「お姉様、わたしもいっしょにたたかうわ!」
そしてレミリアは、こくりとうなずいた。
フラン「・・・けどね、お姉様。敵は巫女と魔法使いだけじゃないよ」
レミリア「それは・・・あの男かしら?」
フラン「うん、キリトお兄ちゃんも強いよ!」
レミリア「なら、本気でいかないとね」
二人が、俺の方へ視線を送ってくる。
キリト「・・・ふん、そうか。俺も、敵ってわけだな」
どうやら、本当の闘いはこれからのようだ。
熱が下がって一件落着な(つд⊂)エーンです。
そしたら次は足をすりむいちゃって血が!なんと不幸な・・・ね?( *´艸`)
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