本編は下です
魔理沙「よいしょっ・・・ふぅ。これくらいあればいいか?」
キリト「お、おう・・・ありがとうこんなに持ってきてくれて・・・」
魔理沙「そりゃ異変解決に協力してくれたし、私も礼とかしたいし」
キリト「ありがとう」
魔理沙が持ってきてくれたのは、横幅約50センチ、縦幅約1m80センチの木の薪である。約50本くらい持ってきてくれた。
魔理沙「これで練習するのか?」
キリト「あぁ、紅魔館で美鈴に修行のこと聞かれてさ。俺も練習くらいしないと、と思ってて」
魔理沙「なるほどな・・・じゃ、私は見てようかな」
そういうと魔理沙は縁側に座る。また、ここは博麗神社である。
キリト「さぁ、あとは・・・」
霊夢「連れてきたわよ」
俺が霊夢の声の方に振り向くと、俺が呼んでほしいと頼んだ相手、魂魄妖夢が来てくれたのだ。彼女に剣技が使えないかと思い、連れてきたのだd。
妖夢「あ、キリトさん。呼んでくれてありがとうございます」
キリト「あぁ、ちょっと妖夢の刀でできることないかなって思って」
妖夢「私の刀で?」
キリト「そう。俺のこの片手剣で剣技を見せたと思うが、妖夢の今の練度で俺の剣技が刀でできないかなと思ってさ」
妖夢「なるほど・・・剣技ですか。やってみたいですね」
キリト「じゃあここに木を立てるから、これを切ってみろ」
俺はさっきの薪を少し掘った穴に入れる。
妖夢「こんなに太い木を切れますか?」
キリト「あぁ。あ、じゃあまずは俺からやってみるよ。離れてて」
妖夢は後ろに下がり、霊夢、魔理沙、妖夢が見ている。
俺は鞘からアニールブレードを引き抜き、しっかり構えを取る。
キリト「ふぅ・・・ソードスキル、ホリゾンタル」
思い切り左足を前に踏み出し、剣を後ろに持ってくる。
腰を落とし、手に力を少しずつ入れる。
キュイーン・・・!
刀身が青くまぶしく光り、その光は残像を残しつつ振られる。
剣を思い切り後ろから前へ持ってきて左へ水平に切りさく。
ライトエフェクトも横に光り、そのままゆっくり消えてゆく。
魔理沙「き、切れたのか・・・?」
妖夢「切れたんですか?」
霊夢「・・・」
俺は木に近づき、水平に切られた上の方を握る。
手に持ち上げると、上半分が上がった。
キリト「ほら、切れているだろ?」
木の断面は綺麗に切られていた。
妖夢「す、すごい・・・」
キリト「これくらいは簡単さ」
持っている木をおいて、俺は木の束へ近づく。
木を一本もって俺は妖夢の前に立てる。しっかり立てないと倒れてしまうからだ。妖夢の剣筋はとてもいいものだと思っている。前に白玉楼にお邪魔したとき、俺は妖夢に少し剣を教えていたのだがかなりの手練れだ。
この世界でソードスキルが使えるならば俺以外の剣持っているやつもできるんじゃないかと思ったのだ。妖夢に合図を送る。
妖夢が頷くと手を柄へ伸ばし、鞘から刀をスッと抜いていく。刀身はとてもきれいでなんでも切れそうなものだ。
キリト「俺がやっていたような動きをやってみてくれ」
妖夢「や、やってみます…」
妖夢はしっかり姿勢を低くし、刀を俺と同じように片手で握る。目をしっかり木から離さず集中を保つ。
左足を少し前に勢いよく踏み出し、上半身を前に持っている腕を後ろに、俺が前教えたように切る瞬間に力を入れる。それを意識したように切る時まで力は抜いている。
しかし、刀身は光らずそのまま木へと振られた。妖夢の振った刀は木に少ししか刃が通らず、はじき返されてしまった。
妖夢「うっ…」
妖夢は少しさがり、刀を鞘へと納めた。
キリト「うーん…姿勢とか動きとかはとても良かったと思うんだけど…」
縁側に座ってみている魔理沙が思ったことを発言したのだ。
魔理沙「キリト以外使えないんじゃないのか?」
その発言を聞いた妖夢も頷いた。魔理沙の意見に賛成のようだ。
キリト「やっぱそうなのかな…それとも…刀スキルだといけるのか…」
妖夢「刀スキルっていうのもあるんですか?」
キリト「まぁ、それぞれの武器にスキルがあるから…けど俺は刀は全く使っていないな…。俺の友人なら使えるんだが…」
片手剣以外に扱わなかったことがここで出てしまうとは。
妖夢は少し考える。
妖夢「やっぱり私には使えないのかもしれないんですね…。けど刀特有の技なら可能性はありますよね」
キリト「あぁ、俺もそう思う。もし俺の友人がこの世界に来た時にはそいつに教えてもらってくれ。俺はわからないからな…」
妖夢「わかりました!」
とはいうものの、俺以外この世界に来た奴はいるのか。全く分からないのだ。アスナたちは向こうできっと俺のいる世界を探っているんだと思う。
俺以外に俺のようなスキルを使える奴がいればいいのだが。
妖夢はずっと木を両手で刀を握って切っている。切れ味は十分のようだ。俺のスキルを使わなくてもいいのかもしれないな。
俺は剣を鞘に閉まって縁側の方へ行き、縁側にすわった。
キリト「にしても、こうやって異変がないとなると、俺のいる意味がないな」
霊夢「いいじゃない。異変がないのは平和なことよ」
キリト「まぁそうだよな。じゃあ俺は人里に戻ろうかな」
魔理沙「送っていくぜ?」
キリト「いいよ、一人で帰れるからな」
魔理沙「頼ってくれてもいいんだぜ?」
キリト「大丈夫だって」
その場をたち、博麗神社を後にした。妖夢はずっと木を切っていたようだ。妖夢の力もいずれ必要になるかもしれない。俺だけで解決できるわけないからだ。
人里に戻って食べ物などを俺は買っていた。その都度異変解決に協力したことについてお礼を言われていた。
家に戻ると、やはりSAOの頃とは違ってあまり裕福ではないし、和…である。
靴を脱いで上がり、ごはんを炊かす。家事など自分でやっているからこういうのも慣れていた。
一人で飯を食べていた。すっかり外は日が落ちて、月が顔を出しそうだ。もう月光が里を照らしていた。
真っ白な丸い月。
俺は布団に体を入れ、ゆっくりと目を瞑った。
???「全部任せるわ…永琳」
永琳「はっ…」
ある竹林に囲まれた家。中には4人。一人は着物を着た黒髪。二人目は白髪の弓使い。残りの二人はウサギの耳が生えた者。
月光に照らされた姫は、永琳という人物に命を委ねた。
永琳という人物は体を起こし、家の縁側付近へと弓を持ちながら移動する。
見上げると、大きく見える白く輝く満月。
弓を手前にもってきて矢を装填。しっかりと矢枕に矢を乗せ、羽をつかみ玄の部分にひっかりゆっくりを引いていく。
永琳「…秘術。天文密葬砲!!!」
放たれた矢は、月へと音速に迫る。
月の中心へ飛ばされた矢は、ついに月へと到達し突きを射る。
白く輝く月は、まるで一瞬月食にかかったの如く黒く徐々に染まっていく。そして、月の円周だけが緑色に光りだす。
その後、月は薄緑色となって輝き始めたのだ。全く、朝を許さない月へと替わってしまった。
数時間後…。目を覚ましたある一人の青年。
とある雑貨屋で泊まらせてもらっていたこの青年は、異変に気付いた。
???「…なぜ…ソルスが姿を現さないんだ…」
キリト「ふぁあああ」
のびをして布団から起き上がった。しっかりと服を着て朝ごはんの準備をしようとする。しかし、きづいたことがあった。
キリト「あれ…まだ夜だったのか?」
疑問を持つのも当然であった。外は月がまだ輝いていたのだ。白くではないが。
思わず家を出てみると、人里の人も月を指さして不安に見ていた。やはり、夜がまだ明けていないことに疑問を皆持っていたのだ。
俺も月を見る。月の色が、緑色だということに一つの疑問を持つ。何か怪しい…。俺は剣を手に取り肩にかけ、人里から博麗神社へと足を動かした。
博麗神社に着くと、霊夢も月を見ていた。にらんでいた。霊夢が俺に気づくと、同じ疑問を持っていたというのがわかったようだ。
キリト「霊夢…やっぱり夜が明けないよな…」
霊夢「ええ…なぜ…」
その時、霊夢の後で亀裂は発生すると、その縦の亀裂は横に開く。目玉の形をしていた。
そこから姿を現したのはやはり、創生者である。上から見下す彼女の眼は、何かもう悟っていたようだ。
キリト「紫…」
霊夢「紫、あなたなにか知っているようね?」
紫「ふふふ…」
岩山。奥の森の中。
扇子で風を仰ぐ一人の女性。その近くに立つ月を見つめる緑色の髪で巫女服の女性。
どちらも月の異変には少しばかり気づいているようで、緑色の髪の方は放っておけないようにずっと見つめていた。手にはお祓い棒が握られている。
森の奥から足音が聞える。気づいた扇子を持つ女性は目をゆっくりと開ける。森の中から出てきたのは白髪の刀を持つ女性。なぜか、背中には立体のある四角い大きな箱が背負わられていた。
主に頭を下げ、囁いた。
妖夢「行きましょう」
幽々子「えぇ」
森の道を歩く中。月から目を離せない一番後ろの女性が、興味津々であり呟いた。
早苗「満月の夜ってこんなに明るいんですね。あっちでは全然気づきませんでした」
扇子を煽りながら、早苗の言うことに耳を傾けた刀を持つ者の主は答える。
幽々子「あわてなくていいわよ。まだまだ夜は明けないって言ってたから」
早苗「…本当、全然朝になりませんね。地球の自転はどうなっているのでしょう…。…幻想郷は本当に不思議なことばかりおきますね」
輝きが違う月の下、3人は呟いていた。
空飛ぶ二人の金髪女性。一人は魔法使い。一人は人形使い。
箒に乗っている二人は月をバックに話し合っていた。風がなびくため、少し大き目な声で話していた。
アリス「ねぇ、魔理沙。やっぱり霊夢の帰りを待った方がいいんじゃない?」
魔理沙「なぁに!私だって異変解決の専門家だ!霊夢なしで解決してやるぜ!」
箒は進行方向の方へと高速に飛んでいく。目的地は人里。
無事着いた二人は箒から降り足をつく。しっかり魔法使いは箒を握って人里の門へ向かっていく。
しかし、門には一人、仁王立ちする一人の女性が立っていたのだ。
慧音「異変が起きている以上、魔法使いだろうが妖怪だろうが人形使いだろうが通すわけにはいかない」
魔理沙「堅苦しいぜ先生。私らはこの異変を解決しようとしているんだぜ!」
慧音「ほう?なら、さっきキリトがここから出て、霊夢と一緒にここにまた戻ってきたと思ったら、〈迷いの竹林〉へ向かったぞ」
魔理沙「な、なに!?キリトと!?」
霊夢をよく思わない魔理沙である。
魔理沙「なるほどな。通りで留守ってわけだ。行くぞアリス」
アリス「わかったわ」
魔理沙とアリスは再び箒にまたがり、空高く飛んでいった。
行先はもちろん、噂の迷いの竹林である。魔理沙が上空で竹林を少し探す。迷いということもあってかなりの広さに竹林が広がっているので意外とわかりやすいものだ。
近くの入り口にたどり着くと、ゆっくり下降する。
アリス「入ったら迷って出られないっていうけど…会えるのかしら?」
魔理沙「何、結局会うんだ。私が先に見つけてやるぜ!」
足を踏み入れたアリスと魔理沙。
その先には何も知らない。情報がない。だれと会うのか予想できない。
静かな夜の中、月が輝く中。足音だけを響かせ道を歩む。
魔理沙「さすが迷いの竹林。どこかわからないなぁ…」
アリス「そうねぇ…」
魔理沙「このままじゃ…っ!?」
突然気配を感じたのか、向いた方向に白い薄い長方形型の札が二人に向かって放たれた。
魔理沙とアリスは気づいてその札を後ろの方向にジャンプして避ける。札は爆発した。
とんできた方向をにらみ、箒を握る。
魔理沙「出たな妖怪!」
霊夢「…え?」
魔理沙「げっ、霊夢!?」
霊夢「偶然ね…」
二人は箒とお祓い棒を持ちにらみ合っていた。
安心して霊夢は胸をなでおろしていると、後からふと、ドレスに近い服装の傘を持つ女性が歩いて現れた。
魔理沙は見て疑った。
魔理沙「っ!?紫!」
霊夢「あっ!?」
魔理沙「…どういうことだ…。霊夢!紫は敵だろ!」
霊夢「あぁ…色々こっちも忙しいのよ。あんたには関係ないでしょ」
魔理沙「関係大有りだ!紫!お前の能力は物事の境界の操作だ!お前!昼と夜の境界をいじったろ!」
ドンピシャなことに霊夢は同情を隠しきれず、いやな顔をする。当てられた紫は少し笑みをし、ゆっくり言った。
紫「正解よ魔理沙」
霊夢「ちょ!紫!?何ばらしてんの!」
魔理沙「見損なったぞ霊夢!」
霊夢「こっちも色々とあるのよ!」
笑みをしていた紫から驚愕な依頼を霊夢に託した。
紫「知られたからには仕方ないわ。やっつけちゃいなさい。霊夢」
霊夢「なっ!」
魔理沙「いいぜ!霊夢も紫も倒して異変解決だ!!!」
霊夢と魔理沙は夜空に飛び立ち、互いに空で接近戦を繰り出していた。
地面からは白い線しか見えなく、二本の白い線がぶつかるところに火花が散っていた。空中を浮遊する互いは魔法をぶつけ合っていた。
魔理沙は箒に足を乗せ、手には八角形の物体を持っていた。それを霊夢の方に照準を合わせ、発射する。
魔理沙「マスタースパーク!!!」
八角形から放たれる虹色の光線は、夜空を一本に切り裂き、その先にある竹林を容赦なく燃やし尽くしていた。その光線を霊夢は見定めて華麗に避けていく。
虹色の光線をよけ続けたと知らず、魔理沙は倒したとばかり思って発射具をしまった。
箒で竹林の下の位置へ戻り、燃やされたところを見る。なぜか、燃やされたことによって多少の明かりが竹林の中を照らす。その照らされたものがある一つの屋敷である。
竹林の中、燃やされたことにより照らされた隠れ屋敷。
魔理沙「…なんだこの屋敷」
霊夢「ふぅ、ここに今回の異変の張本人がいるのよ」
霊夢が当たり前のように魔理沙の後から現れたことにがっかりしたのか、肩を落とし涙目の魔理沙。倒せなかったのが相当悔しかったのだろう。
無事霊夢の探していた屋敷が見つかり、霊夢は胸をなでおろす。
霊夢は大声である者の名を叫んだ。
霊夢「キリト!見つかったわよ!こっちに来て!」
そういうと、声の方向がわかったのか。足音が霊夢たちの下へどんどん大きくなる。竹林をかき分け、姿を現したのはブラックウィングコートに身を包んだ一人の青年。
「よっ」という声と共に飛んで戻ってきた剣を持った黒髪。
魔理沙「キリト!やっぱり霊夢と一緒だったんだな!」
キリト「あはは…まぁ今回の異変を霊夢と一緒に聞いたからな。紫にな」
アリス「なるほどね…。そういえばどうしてさっきまでキリト君は姿を現さなかったの?」
霊夢「現さなかったというか、二手に探してもらってたのよ。屋敷をね。無事見つかったから今集合してもらったの」
キリト「あぁ。…にしても、こんなに燃えて…一体何が会ったんだ?びっくりしたんだけどな…」
魔理沙「あぁ…いやぁ…喧嘩だよ喧嘩!なっ!」
霊夢「…えぇそうね…はぁ」
キリト「それで…」
燃えて照らされた屋敷に振りむく。円形の窓に、十字の柵。周りは竹で囲まれて、中は恐らく襖など、紅魔館とは違って和に違いない。
ここに、恐らく異変の張本人がいるはずだ。
キリト「ここにいるんだよな…」
霊夢「えぇ。月を偽物にすり替えた張本人がね」
魔理沙「すり替えた!?」
アリス「…」
その照らされた屋敷の前、ある一人の少女が姿を現した。姿は制服のようで、頭にはウサギの耳。慎重はやや高めの赤い眼光を放つ妖怪のようだ。
あいつが、異変の張本人に仕える部下か何かか。俺は背中にある剣の柄を握る。少女は鋭い赤い目で、こちらをにらみつけていた。
???「ふふふ…」
その少女は、余裕の笑みでこちらを見ていた。
久しぶりの投稿です。ずっと書いていました。この話は東方万華鏡に似ているので見ていたら見やすいし、見てなかったらこんな話になるんだなぁってわかると思います。
これからも頑張ります(^_-)-☆
励ましのコメントが自分の頑張る力の源です!コメントよろしくお願いします!
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