艦隊これくしょん VERDICT DAY   作:水崎涼

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Mechanized Memories

 

 

 

 姉妹艦の帰還に沸く睦月達は、しばしして再び警戒態勢に入った。一度下がった深海棲艦達が、戻ってきたからだ。

 しかし、今だけは敵意の色はない。

 

「我々ハ」

 

 沈黙を破るのは、戦艦水鬼と呼ばれる深海棲艦。 

 

「我々ハ、オ前達ト戦イタイ」

 

 艦娘は、ある条件を満たさないと水底に堕ちない。全力の思いをぶつけられる、ある意味において最高の敵である。

 意思なき鉄屑とよりは、矜持ある彼女達とのほうが面白かろう。両者は、表裏一体の存在なのだろうから。

 

「大侵攻では、財団と深海棲艦が手を組んだと聞いたが」

 

 ジャックの言葉で、困惑の感情が戦艦水鬼の表情に混じる。彼女らも、ただの木偶ではないようだった。

 意思があるのだ。唆されたかで本気の圧殺をやってみたが、深海棲艦が望んだはずの結果に満たされないものがあったか。あるいは海の支配権を巡って衝突でもあったか。どうあれ、現在では明確に砲弾を投げるほど、財団に対して思うところがあるのは事実のようであった。

 

「そこの水無月のように、こちらに戻りたがっている者がいると解釈してよいか」

「‥‥‥オ前達ト戦イタイ」

「では、戦おう。そうだな」

 

 何が為に戦い生き残るのかわからなくなっていたオリジナルである睦月らが、ジャックという扇動者に煽られてではあるが、混乱に立ち向かおうとしている。戦おうとしている。深海棲艦としては、少しばかりでも思う所がでてくる意思があるだろう。

 諦めたオリジナル達を、今の艦娘が引き上げる。

 艦娘戦力として変換提供してくれるというのなら、戦力不足が深刻な鎮守府としては歓迎である。

 

「皆が、戻って来たいと思うような鎮守府にしていきましょう。ですがジャックさん。戦力拡充という利益の為に戦うのではないことはご承知ください」

「君達にとって副次的なものであると、理解はしているつもりだ」

「ありがとうございます」

 

 大淀は傭兵に頭を下げた。

 今日彼女がここに来た理由は満たされただろうが、ジャックとしてはさらに利益を引き出したい。海の覇者、深海棲艦。艦娘以外の手段では、沈んでもまた再浮上発現してくる半無限の戦力とは、実に魅力的である。

 

「敵の敵は、敵とも限らん。財団が君達の敵と言うのであれば、まずは共に片付けるのも悪くなかろう。いかがか」

「奴ラヲ壊セバイイノダナ」

「無人機相手に手心を加える理由もないだろう、好きなだけ戦ってくれ」

 

 あまり複雑な会話はできないようであるし、このあたりが手の打ちどころか。

 話し合いは終わった。ジャックは引き上げを提案し、大淀もまた承知して先に第六水雷戦隊の撤収を命じた。

 しかし、彼女はその場に留まった。

 

「今、私達は理解者をを得ています」

 

 留まって、深海棲艦側へと向いている。

 

「大淀さん?」

「今なら、何かが変わるのかもしれません。今変われなければ、私達にこの先はないのでしょう。だから、この時に賭けたいと思い、今日ここに来たのです」

 

 意図を測りかねて、睦月達も疑問の声を投げる。大淀の言葉は、ここにいる誰でもない誰かに向けられているのは明らかだった。

 その誰かに向けて、彼女は続ける。

 

「我々の戦いは、まだ終わってはいません。私は、戦います‥‥‥あなたは、どうですか」

 

 彼女は言い放ち、答えを待つ。

 答えは。

 

『報告。高速飛行体1、方位221より2000km/hで接近中』

 

 答えではなく、アンジェリカが機械的に情報を通達した。

 ヘリのけたたましいローター音とは別の、ジェット推進のような轟音が近づいてくる。

 

『アンノウン、N-WGIX/vの同型と推測、敵性勢力と認定。敵情報を更新』

 

 水無月を除く第六水雷戦隊と第31部隊の面々が表情を固くする。

 直後、警告なしに第六水雷戦隊所属のF21CがVTFミサイルを発射、飛翔体に向かう。が、常識を超えた速度で飛ぶ敵性兵器は、信管が作動するよりも早くジャック達一団の上空を飛び去り、ミサイルは空中で空しく炸裂した。

 飛翔体は、反転。

 

「リベンジマッチかね」

「しつこいのは嫌われるぞ、財団」

 

 陽炎と長月の苦言への返答は、キャノンの連射によってなされた。アンジーは味方ヘリの操縦権限を強制的に、かつ素早く奪うと、人間業では不可能な機動で回避機動をとらせた。五月雨が軽く頭を打ち付けたりの事故は起きたが、全員無事。

 キャノンの掃射と敵本体が過ぎ去ったのを見計らい、再度第六水雷戦隊は降り立つ。夕張と第31部隊を面々に加えて、艦列を整えていく。

 

「強い敵なんでしょうか」

「わ、私達も行きましょう!」

「えぇ」

 

 第11部隊の3人も奮い立たせて出撃する。主力足りえる第六水雷戦隊との実力差もそうであるし、敵に対する勝手がわからない彼女達は、第31部隊長の陽炎に随行することにした。

 由良達と大淀以外の面々はどうにも知識があるようだと察し、ジャックは通信に乗せて問う。

 

「何だあれは」

「私の方が知りたいよ。だが敵だ。敵なら、戦うまでだ」

 

 ただの敵ではないだろう。もっとも、彼女達が生きてここにいるということは、前回とやらも勝利できたに違いなかった。問題はないと判断したジャックは、あまり押されるようならフォックスアイで支援はするつもりで、とりあえず静観を決め込むことにする。

 

「アンジーさん、僕にもデータを頂戴!」

『水無月の申請を了承。凍結データを解凍、再登録します。FCS高速飛翔体対応化アップデート生成完了、第六水雷戦隊、データリンク。攻撃開始』

 

 急降下し、放たれる爆撃から全員が退避。そして接近してきた極短い射撃機会で全員が主砲を放つ。第六水雷戦隊のAPHE弾と第31部隊のエネルギー弾が着弾するが、中々戦果は出ない。命中弾はあるのだが、駆逐艦の火力が通常兵器に対しどれほど効果があるものか。とりわけ、陽炎達が放つエネルギー弾は表面で炸裂し熱量を加えるだけに留まっている。

 アンジーからの敵機体解析情報がもたらされる。どうやら敵機体の半分以上は推進装置であり、前部と中核以外は防弾などは考慮されていない可能性があることを示す。ならば、側面を狙って撃ち込めば。

 面々は、粘り強く射撃戦を行った。敵の降下突撃一回につき二発だけの射撃機会。艦娘に防護障壁があるといっても、あれほどの質量にぶち当たればどうなるかもわからない。だが彼女達は諦めなかった。的確に、粘り強く。未改造状態の艤装を背負う水無月も、仲間達の動きに合わせて行く。

 やがて、敵機が黒煙を吹き始めた。

 まだ終わりではないようだ。敵は使い物にならなくなったロケットブースターをパージして。

 そして、降り立つ。

 黒塗りの。

 

「AC、か」

 

 知らぬ造形だが、どうあがいても人型兵器はそれ以外のモノには見えない。

 数瞬、これがここのパルヴァライザーなのかと考えた。だが、どこまでも黒いACに特徴的な蒼い発色物はない。

 ブースターには何とかダメージを通した彼女達の砲撃だが、AC本体には通用していないようだ。そもそも、ほどんどの射撃が4型AC素体の敵にクイックブーストで避けられている。逆に、エネルギーの塊を射出されて陣形を放棄せざるを得なくなっていた。

 しかし、相手は海へ降りてきた。

 避けれる技量と白兵兵装を持つ彼女にとって、これは好機だ。

 長月は背中の翼を広げた。駆逐艦の小さな火力ではなく、すべてをなぎ倒す暴力。

 

『グラインドブレードが接続されました。システム停止まで、後70秒』

「いかん、そいつには手を出すな。後退しろ!」

 

 パルヴァライザーだから止めたのではない。だがジャックの警告は、遅い。既に彼女は駆け出している。

 彼女の背負った暴力は、チェーンソーのような近接武器。当てれば大型機動兵器すら一撃で粉砕するのだ、懐に入ってしまえば射撃型ACでは対応は厳しいだろう。

 射撃型ならば。

 彼女は、先に敵が放ったのは腕部マウント型のハイレーザー火器と判断していた。それは、経験した前回の敵が実弾ダブルトリガーであったからだったが、そうではないことをジャックは見咎めていた。

 中々有用に利用するレイヴンも少ない。

 レーザーブレードの光波。

 わざと放って射撃機にみせかけ、彼女を誘ったのだとしたら。

 有り余るエネルギーを推進力に変えて、彼女は突撃する。敵は回避機動を取らない。ブレーダーが接近戦を拒む理由はない。

 敵機体が射撃兵装をしていないことに彼女が気づいたのは、既に敵の間合いに入った時だった。クイックブースト一回分の距離。動揺と、その対応を考えることに思考を取られグラインドブレードを構えることをしなかった彼女の目の前へと、まさにワープとも呼べる超加速で、黒い敵機は詰め寄り。

 青いエネルギーブレード。腕は既に、振り抜くだけの体制。

 

「しまっ‥‥‥!」

 

 彼女と言う存在を消す為に、黒い機体の腕は振るわれた。

 

 

 

 □

 

 

 

 黒い鳥を切り裂くはずだったその斬撃は、空を切った。

 エネルギーブレードの熱量で、小女が跡形なく蒸発した。という意味ではない。斬撃の瞬間、彼女はそこにはいなかった。

 そしてそれは、本人の意志でそうであったわけでもなかった。

 

「っ‥‥‥何が」

 

 海上で転んだ状態の彼女は、慌てて身を起こす。そして、自分に寄り添うようにいた「それ」に、目を向ける。

 身を包む黒いセーラー服。

 覆う布から覗く、引き立つ薄いピンクの髪。

 背負う煙突型の駆逐艦艤装。

 駆逐棲姫新型と判別されていた彼女が、斬撃の瞬間に飛び出して自分に体当たりし、そうして救った相手だというのは理解していた。だからこそ、彼女はいぶかしんだ。

 

「お前」

 

 問いただそうとして、やめる。黒いACが、向き直ってレーザーブレードを振るうべく突出してきたからだ。

 規格外の敵に対して艦娘の防護機能がどこまで役に立つかを、命を掛けて試す気もない。だから今度は避ける。無理矢理引き出されたエネルギーがグラインドブレードの背部ブースターを噴射させ、次の斬撃は回避することが出来た。

 そして、彼女も。大仰な推力で避けた長月とは対照的に、最小限度のステップで。頭部を包んでいた布が熱で焼け、さらにその髪を露出させる。

 

『警告。グラインドブレード使用限界まで、後10秒』

「だめか」

 

 癖を読んで隙を突くには、10秒では難しい。艤装が悲鳴を上げてシステムダウンしてしまう前に、推力で急速に戦域を離れる。彼女をカバーする為に、第六水雷戦隊と第31部隊、第11部隊の仲間が前面に出た。

 敵は彼女を追撃することはなかった。黒いACは、黒い彼女と戦っている。

 彼女は軽やかな動きで手に連装砲を放ち、射撃戦を展開していく。黒いACの、圧倒的瞬発力から繰り出される暴力的な斬撃や光波を物ともしない。ブレーダーとして射撃性能を落としているので、砲戦のほうがかえってやりやすいらしい。その様子を、グラインドブレードの反動で動けなくなった長月はじっと見つめた。第六水雷戦隊の面々がその戦列に入ることを躊躇うほどの、圧倒的な実力差を。

 他方、彼女の火力は砲サイズ相応でしかないようで、お世辞にも打撃になっているとはいえない。雷撃も敢行していたが、海中を鈍足で走る魚雷では一つ宙に舞われるだけで無為となる。そうして彼女は、持ちえる火力をすべて消費してしまった。

 

「支援砲撃開始! 時間を稼いでください」

「り、了解なのです!」

 

 大淀からの指示で、彼女達は艦列を整え一斉に攻撃を始めた。

 艦娘との明確な共同戦線を躊躇っていた深海棲艦も、仲間が戦い始めたとあっては傍観もできず、防空棲姫を中核とした対空集団が火力支援に入る。ここは、彼女達が支配する海。全方位から増援が集まり始め、砲火は苛烈さを増していく。

 弾を撃ちつくした一人よりも大量投射してくる多数を脅威と判断したのか、黒いACは目標を変えて、海上にいる戦力へと手当たり次第に襲い掛かる。対して睦月達は再度陣形を放棄して広域に分散。タゲを取ってくれる友軍がいる中で回避に専念すれば、多少はなんとかなる。

 その間に後退した黒い彼女は、駆けつけた、お揃いの黒セーラーを着付けた別の娘、深海雨雲姫新型と合流。主砲を交換し合い、カセット式の次発装填装置で脚部の魚雷を補充。作業を手早く済ませて、再び戦場へと戻る。退避行動を取る第六水雷戦隊から再びタゲを貰うべく、突撃していく。そしてまた、ただ一人前衛として黒いACと渡り合った。

 彼女らの砲撃では致命には至らないが、数にものを言わせた攻撃で装甲板をいくらか破壊することが出来ていた。その剥げ落ちた部分へと、彼女は精確に砲撃を叩き込んでいく。ACの内部は複雑で繊細だ。汎用兵器としての冗長性を使いきれば、作動の多くに問題が発生する。姿勢制御、推力、出力が低下していき。

 隊列を整えた睦月達からの一斉砲撃。

 動きが鈍り着水した所へと、彼女の雷撃の一撃。

 さしものACもここまで撃たれては弾き飛ばせないようだった。あからさまに鈍い動作になったACを、彼女は慢心なく。抵抗に振るわれた斬撃を苦もなく避けて懐に飛び込み、背後に回り、ブースターを狙って次々連射。

 ACは膝を折り。

 そしてゆっくりと、水没していった。

 

『敵性勢力の沈黙を確認。探知範囲内に敵影なし。システム、通常モードへ移行』

 

 圧倒的だ。

 尋常ならざる立ち回りを披露した黒い彼女。最小限度の回避で、最大の攻撃時間を引き出し続ける。相手の能力と自身の能力を極短時間で把握し、数手先まで動きを読み当て続ける。

 戦闘で、いくらか焼け焦げた彼女を包む布。そこから覗くのは深海棲艦に侵食された様子のない艤装。人の生気を感じられる肌と表情。異形の中にあって、明らかに人型を取るもの。

 だが、解析では艦娘と判定されない。アンジーが駆逐棲姫新型と推定した、データになかった何者か。

 

「何者だ、彼女は」

「あなたならご存知では」

「‥‥‥ふむ」

 

 この場に居る全員が驚嘆できる実力者となれば、最早該当者は。

 大侵攻の後行方不明とされている、最初の伝説。

 最初の黒い鳥。

 

「当時の君達が、最初の黒い鳥を隠したのだな。英雄に仕立てたくはなかった、か。しかし、放逐した理由は何だ」

「ジャックさん。もしも、水無月さんのアレが『半端に終わった』ら、どうなると思いますか」

 

 あれとはもちろん、深海棲艦の艦娘化のことだ。

 

「心体どちらかに、問題が起きるかもしれんな。彼女が、そうなのか」

 

 どちらの記憶も有していて、どちらの感情も有していて、そしてどちらの特性も有している。混在した存在。

 彼女は、半端に艦娘になってしまった深海棲艦。

 あまつさえ伝説となるまで活躍してしまったのでは、居なかった事にして鎮守府を離れてもらうしかなかった。

 そして半分は深海棲艦であるので、大侵攻で艦娘を沈めていったことに思うところができた彼女達からも受け入れられた。オリジナルは歳を取らない。睦月達のようにずっと、ただ生きるしかなかった。

 そんな彼女の元へと、機関が再始動した長月が近寄る。特に逃げるそぶりもなく、他者から黒い鳥と呼ばれる二人は邂逅した。

 

「礼を言わせてくれ。ありがとう」

 

 言葉の割には、眼光鋭く彼女を見る。

 

「鎮守府司令は、お前を迎えに来たんじゃないのか」

「‥‥‥」

「何時までもここにいるつもりか」

「わ、わた、し、は」

 

 ピンク色の髪をした黒い少女の声は、頼りなげに震えている。

 そんな彼女に、長月は言葉を選ぶ為に少しだけ考えて。

 

「私は艤装適合の艦娘だ。お前が、どんな風に考えて生きてきたか。わからないが。一緒に戦って、一緒に過ごすことはできる」

「‥‥‥」

「誇りだ何だよりはわかりやすいだろ。あんな敵をみんなでぶっ飛ばすんだ。不服でないなら、一緒に来ないか」

「不服なんてないです!」

 

 深海棲艦の片言ではなく、はっきりとした人の言葉で彼女は顔を上げた。

 

「私、また皆と一緒に居たいです。帰りたい‥‥‥」

「なら、来い」

 

 黒い彼女は、ひとつ頷いて。

 そして、深海棲艦に向くと深く頭を下げた。

 

「ごめんなさい皆さん。私、行きたい所があるんです」

「帰ル所、カ」

「はい」

「‥‥‥次ハ、敵ダ」

「はい。今までよくしてくださって、ありがとうございました!」

 

 顔を上げる彼女。

 そんな彼女の元へと、戦艦水鬼はもう一人の、深海雨雲姫を押し出した。二人は手を繋いで、表情を和らげる。

 二人の姿を再確認して、大淀はアンジェリカに、基地データベースのファイルを指定して解凍を頼んだ。除籍として抹消されていたはずのデータが復帰し、彼女達の艤装と再度繋がり、その表示が改めて修正された。

 深海雨雲姫新型は、白露型駆逐艦三番艦村雨へ。

 駆逐棲姫新型は、白露型駆逐艦五番艦春雨へ。

 

「これが君達の名か」

「あなたが、今の提督ですか?」

「私はアドバイザーだ」

「ほうほう、なるほど」

 

 男の物言いに苦笑しながら、オッドアイの娘は姿を包んでいた布類を取り払っていく。こちらもきちんと人型である。

 半端になってしまい、鎮守府から姿を消さざるを得なかった妹と、それでも共に居る事を選んだ姉。睦月達もそうだが、艦娘達の同型姉妹というのは特別に絆があるようだった。

 

「姉妹、か」

 

 血の繋がりがなくても、姉妹の誓いを立てられる艦娘。

 妹がなりそこないの異形でも、海の果てまで付き添う姉。

 睦月達が、村雨の所へ駆け寄る。別の場所、別の境遇でそれでも生き続けた者達が、諦めていた再会を祝っていた。

 

「一人は、寂しいですから」

 

 そう、大淀は彼女達には聞こえないように呟いた。

 

 

 


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