やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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さあ!出来上がったぞッ!!
てな訳でどうぞ


アルベルトの落とし穴:詐欺師編・2

ウィリアムとリィエルが最初に訪れたのはフェジテ南地区にある有名な衣服のお店だ。

 

 

「ヒラヒラの服、いっぱいある」

 

「この中で着てみたいのはあるか?」

 

「今あるのだけでいい」

 

「……その服はシスティーナから借りた服で、お前自身の服じゃないし手持ちの服も殆ど無いだろ」

 

 

ウィリアムは呆れとジト目でツッコミを入れる。

 

 

「そうだけど、わたしには然程必要ない」

 

「……システィーナ達からずっと借りっぱなしという訳にもいかないだろ」

 

「……一理ある」

 

「それじゃあ、興味のある服はあるか?」

 

「じゃあ、これ」

 

「即答かよ……」

 

 

取り敢えずウィリアムはリィエルを試着室へと行かせ、女性店員に頼んでリィエルの試着を手伝ってもらう。

しばらくして……

 

 

「ん。似合う?」

 

 

試着室のカーテンが開き、ノースリーブの白いシャツに青いスカートを試着したリィエルが感想を聞いてくる。

 

 

「お。いいんじゃね?」

 

「お似合いですよお客様」

 

「ん」

 

 

ウィリアムと試着を手伝った店員の感想に、リィエルはいつもの眠たげな表情ながらも、どこか微笑んでいるように見える。

 

 

「他に着てみたいのはあるか?」

 

「じゃあ、あれ」

 

「すぐにお持ちしますね」

 

 

店員がにこやかな笑顔を浮かべてリィエルが指さした服を取りに行く。そんな彼らの様子を臨時のアルバイトの男性店員―――に変装したアルベルトが鋭い眼光で注視していた。

 

 

(ふむ……ここまでで特に目立った動きはないが……それよりも……)

 

 

衣服を両手で抱えたアルベルトがチラリとある方向に目を向けると―――

 

 

「この服とかどうかしら?」

 

「うん。凄く似合うと思うよ」

 

「まあ、見てくれだけはいいからなお前も」

 

「ちょっとそれ、どういう意味です!?」

 

 

ウィリアムとリィエルを尾行していたグレン達もショッピングを楽しんでいた。

 

 

(……あれで大丈夫なのか?いや、周囲に自然に溶け込んでいるという視点から見れば大丈夫なのだろうが……)

 

「ちょっと店員さん。早く服を持ってきてもらえないかしら?いつまで待たせるつもり?」

 

「申し訳ありませんお客様!ただいまお持ち致します―――ッ!!」

 

 

少々怒気を含んだご婦人の要望に、アルベルトはせこせこと頼まれた服をご婦人へと持っていった。

 

一方……

 

 

「ちくしょぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお―――ッ!!!あやつらがマジで羨まし過ぎるわいッ!!!!!」

 

 

とある老人は血涙を流して地団駄を踏んでいた。

 

 

「今からあやつらをぶん殴りに行っていいかの!?いいじゃろ!?」

 

「だから駄目だと言っているでしょう……」

 

 

そんな嫉妬に狂う老人を、まんまと悪戯の片棒を担がされた少年は呆れた顔で諌めていた……

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

衣服を買い終えた二人は繁華街を歩いていた。

 

 

「なんでお前はあんま金を持っていないの?仮にも働いてんだからある程度は持っていると思っていたんだが」

 

「……さあ?」

 

「……今度アルベルトに会ったら、こいつの財布について聞いてみるか……」

 

 

買い物袋を片手にそんな会話をしている二人を、貫禄のある紳士に変装したアルベルトが悠然と歩いて尾行していた。

 

 

(衣服の代金を代わりに立て替えるとは……単純だが懐柔するには有効な手だ……クッ……あまり持たせていなかったのが裏目となったか……)

 

 

リィエルの財布はアルベルトが管理している。然程多くはないのだが……

その理由は単純。リィエルは命令違反、作戦行動無視等、ことある事に問題を起こし、繰り返しており、給料は常に天引きされていたからだ。幾ら戦果を上げてもそれを越える問題行動で全部打ち消し、否、マイナスとなっていたのである。

その飛び火はこちらきも飛んできていたが……

 

 

「……なんで俺がお前らの荷物を持ってんの?」

 

「今の私達は兄妹という設定にしたのは先生でしょ!」

 

「……あー、そうだったなー……だりぃ……」

 

「まぁまぁ、お昼は奢って上げますから」

 

「誠心誠意荷物持ちをさせていただきます!」

 

 

後ろの方から聞こえてくる、実に現金な会話を尻目に尾行を続けていると……

 

 

「そこのガキんちょ。随分と可愛い娘と仲良くしてるじゃねぇか」

 

 

ガラの悪いチンピラ達がウィリアムとリィエルに絡んできていた。

 

 

「ちょっと俺らと一緒に、嬢ちゃんと共に向こうへ来てもらおうか?」

 

「……ねぇ、ウィル。こいつら斬っていい?」

 

「……駄目に決まっているだろ。ボコる程度にしとけ。後、乱闘騒ぎは向こうに行ってからだからな?」

 

「ん。わかった」

 

 

ウィリアムとリィエルの二人はそのまま、チンピラ達に路地裏に連れて行かれ……

 

ドカッ!バキッ!バンッ!メキャッ!バゴォオオオオオンッ!

 

派手な音が鳴り響き、少しして二人は何一つ変わらずに路地裏から出てきた。路地裏にはボロボロとなったチンピラ達が転がっている。

 

 

(遠見の魔術で見ていたが、見事な手際だな……)

 

 

リィエルと共にチンピラ達を数分とかからずに叩きのめしたウィリアムの実力を素直に賞賛するが……

 

 

(しかし、何故フライパンを錬成してリィエルに渡していた?リィエルも渡されたフライパンを武器として普通に使っていたし……)

 

 

その珍妙な行動にアルベルトは頭を悩ませるも……

 

 

「うわぁ……」

 

「通報した方がいいのかな……?」

 

「いや、ほっといていいだろ。大した怪我も負ってねぇし」

 

(……あり、なのか……?確かに制圧という観点からすれば、大剣を振り回されるよりは遥かにマシだが……)

 

 

アルベルトが本気でフライパン攻撃の有用性の検討をしていると……

 

 

「とりあえずお昼はどうすっか?」

 

「苺タルトがあればいい」

 

「……苺タルトもある店で食事にするか……ここからだと……」

 

 

先を歩いている二人の会話を魔術で盗み聞きしたアルベルトは、一足先に彼らの目的地へと向かって行った。

 

 

 




まだまだ続くぞ!!
ん?君達は一体―――

『奴らのリア充振りを書く作者に死の鉄槌と血の粛清をッ!!!!!!!!!!!!!!!』

や、やめ―――

“感想お待ちしてます”←血で書いたメッセージ
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