お気に入りも四百超えたなぁ······
てな訳でどうぞ
六十九話(改)
「本日の『黒魔術』の授業は『ドッジボール』とする!」
中庭に集められた生徒達に、ボールを抱えたグレンがそう宣言する。
前期末試がすぐそばに控えているため、生徒の殆どが乗り気ではなかったのだが、ルミアのフォローによりそれなりに納得してドッジボールへと興じる。
一度始めると、勉強漬けの鬱憤を晴らすように皆はドッジボールへと熱中していく。
「おらぁッ!!」
リィエルの勉強を見ていて気疲れ気味だったウィリアムも、ノリノリで参加している。
「あ、リィエルにボールが……」
「えい」
リィエルがボールを投げ、投げたボールはウィリアムへと迫るも―――
「甘ェッ!!」
ウィリアムはその殺人アタックをかわすも―――
「どぎゃあああああああああああああああ―――ッ!?」
「……あ」
ちょうど後ろにいたグレンに殺人アタックは直撃し、派手に吹き飛ばされていった……
―――――――――――――――
―――その日の夜。
「―――ごちそうさんっと」
ウィリアムは自宅で適当に料理を作り、食べ終わっていた。
この家に住み始めてから、そろそろ二年くらいになる我が家。
ウィリアムは近頃、一人による寂しさを感じていた。
「……一人だと寂しいもんだな……」
使った食器を片付けながら、独り言を呟く。
そんな独り言にウィリアム自身、思わず苦笑してしまう。
(随分と贅沢になってきているなぁ)
あの時の自分からは想像もしていなかった今の自分。そんな今の自分は、この世界で満たされている。
(出来れば、この平穏な世界が続いてくれたらいいな……)
そんな穏やかな気持ちのまま、食器を洗い終え、お茶を淹れて飲もうと―――
ガッシャアアアアアアアンッ!!
した矢先、それを破るかのように窓ガラスの割れる音が鳴り響いた。
「―――ッ!?」
その突然の音にウィリアムは驚きつつも、意識を戦闘のものに切り替え、右手に拳銃を錬成しながら、周囲を警戒する。
「キシャアアアアアアアアア―――ッ!!」
扉から、黒い外套と顔を白い仮面で隠した年齢も性別も不明な人物が、獣のような奇声をあげながら両手の鉤爪を構えて、ウィリアムへと肉薄する。
ウィリアムはその外見から、すぐに敵の正体を割り出し、すぐさま拳銃をその襲撃者に向けて発砲する。
襲撃者は弾丸を流れるような動作でかわすも、突如、身体が上半身と下半身に両断されて地面へと転がっていく。
それを区切りに同様の格好をした人物が次々と現れ、その手にある双剣や鎌、短剣等多種多様な武器を構えていく。
「『
ウィリアムは苦い顔をしながら、そう呟く。
この襲撃者達は天の智慧研究会の暗殺部隊―――イルシアが無理矢理所属させられていた部隊の連中だ。
その多くは本来の【
そんな苦い顔のウィリアムに―――
「「「シャアアアアアアア―――ッ!!」」」
彼らは獲物を構え、容赦なくウィリアムにへと迫る。
しかし、誰もがその途中で見えない何かに斬り裂かれるかのように斬り傷を負い、さらに放たれる銃弾により劣勢となる。
ウィリアムは自身を中心に、
彼らは次々と不可視の刃と銃弾の餌食となり、全員、血の海に沈んだ。
「なんで急にこいつらが……?」
ウィリアムは苦い顔のまま【
「―――やべぇッ!?」
ウィリアムがその札の正体に気付いた、その瞬間―――
―――ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!!
その日、ウィリアムの家は跡形もなく吹き飛ばされた。
――――――――――――――
「あの程度でよかったのか?」
フェジテの西地区。住宅街から少し離れた場所から上がる煙を眺めながら、フードの男が聖騎士装束を纏った壮年に問いかける。
「別に生き延びていようと問題はない。最低でも奴はすぐには動けないだろうからな……では、この計画の最大の障害の排除に行くとしよう」
壮年はそういって、計画の最大障害たるセリカ=アルフォネアがいるアルフォネア邸へと向かって行った。
その後、アルフォネア邸は光の塔によってこの日、消滅した。
······派手に吹き飛ばしてもいいだろう?
感想お待ちしてます