てな訳でどうぞ
「ぉおおおおお―――ッ!」
グレンは雄叫びを上げながら【フィジカル・ブースト】全開で地面を駆け、ウィリアムは青白い大鷲―――移動用の
【
グレンは肉体の限界を超えた速度で、レイクの左方へと回り込み、魔術火薬―――
「――遅い」
レイクはその銃弾を、一瞬の動作で右手でつかみとる。
レイクの肌は『
ウィリアムはそんなレイクに向かって、
不安定な足場により、ウィリアムはその背中から落ちてしまうも、弾丸はレイクに向かっている。
絶対的硬度を誇る
「――甘い」
フォウルの身体から顕れた黒い異形の半幽体の腕がレイクに迫っていた弾丸を弾き飛ばす。
フォウルの身体から顕れたのは―――悪魔の腕だ。
概念存在には現世の理に依る、物理的な攻撃や魔術はほぼ通じない。
「チィ―――ッ!!」
ウィリアムは舌打ちし、【
空想存在である
だが―――
「《―――■■■》!」
レイクが獣の底吠えにしか聞こえない呪文――――
荒れ狂う雷嵐が【
「―――うげぇッ!?」
「マジで洒落になってねえぞ、これぇえええええ―――ッ!?」
グレンは【フォース・シールド】と守りの
「《――来たれ》」
フォウルが呪文を唱えると、フォウルの周囲からゴブリンや一つ目の蝙蝠の群れ―――下級悪魔が顕れ、ゴブリンと蝙蝠の大群は雷嵐の中、一斉に彼らへと向かっていく。
「今度は悪魔の団体様かよッ!?」
「あの野郎が憑依させたのは、上級悪魔の概念かよ!?ドチクショウッ!!」
【帳の道標】は憑依させた概念存在の力を自由に使えるだけではない。その存在に連なる下位の概念存在を、代償無しで召喚出来るようになるのだ。
そんな下級悪魔の大群に、ウィリアムは一対の幾何学的な羽を有する、鶏冠がついたフルフェイスの兜―――
空想存在の爆破攻撃で悪魔の大群は次々と吹き飛ばされていくも―――
「《―――■■■■》」
レイクが再び
「お次は山火事って……冗談にも程があるぞッ!?」
「もう泣きたい!!」
マグマのように濃厚な炎が竜の尻尾のようにうねって、襲いかかり―――
「《
ウィリアムが堪らず、既に解凍、封印解除し、左手に持っていた《詐欺師の盾》による魔力障壁を展開し、その炎嵐を防ぐ。
その間にグレンが防御の
「―――《
準備が終わると、ウィリアムは《盾》の障壁を解除する。
炎嵐は、グレンが張った防御を悉く破壊していくも、二人は大鷲の背中に乗ってその場から離れている。
「~~~」
フォウルが口笛を吹くと、地面が血のように真っ赤な液体のようなものが広がっていき、そこから血の杭ともいえる真っ赤な杭が伸び、あるいは打ち上げられた後、上空から降り注ぎ、容赦なく襲いかかる。
「何でもありかぁああああああ―――ッ!?」
「マジでふざけんなよ!?チクショォオオオオオオ―――ッ!?」
襲いかかる血の杭を【
咄嗟にバレルノールさせてかわすも、そのまま地面へと叩きつけられたレイクの剣は地面を裂き、文字通り倉庫街が真っ二つに割れる。
「あんなん食らったら粉微塵じゃねぇか!!」
「あいつら倒せたの、マジで運がよかっただけなんだな、チクショウッ!!」
片や、竜の力を宿した者。片や、概念存在をその身に宿した者。
どちらも災厄そのものと呼ぶに相応しい。
「《―――■■■■■》!!」
そんな二人を他所に、レイクが再び
今度は辺り一面の空気が氷点下を優に振り切り、氷結地獄が形成される。
さらに巨大な氷塊が次々と上空に作り出され―――
「逝ねッ!!」
レイクが腕を振るうと同時に氷塊が次々と襲いかかってくる。
その上、フォウルが新たに召喚したゴブリン達が目や口から血らしきものを溢しながら、狂ったように迫ってくる。
「ホント、やになるッ!!」
ウィリアムは文句を言いながらも【
そのままフォウルへと向かって行くも、氷塊や本人から伸びる悪魔の手によって砕かれ、霧散していく。
グレンも【ブレイズ・バースト】と鋼糸を駆使して氷塊をバラバラに切り裂いて防ぐ。
二人はそのまま、倉庫の陰に隠れてこの状況を打破する為の作戦会議をする。
「あいつらは旧き竜と大悪魔と考えるべきだな……」
「それに連なる弱点は……」
そのまま二人は情報を照らし合わせていく。
作戦会議を終え、二人は倉庫の陰から一気に身を乗り出す。
ウィリアムが正面から《盾》に取りつけられた
その悪魔の腕に、ウィリアムは右手に錬成したクロスボウを使って、十字の黒剣を射ち出す。
その黒剣を、割って入ったレイクが竜麟の剣で叩き落とした。
そんなレイクに、グレンが反射跳弾による銃撃でレイクの背後を狙う。
そのレイクの背後から迫った跳弾はフォウルの悪魔の腕が弾き飛ばして防ぐ。
「へっ……防いだな……?」
「やっぱ、ドラゴンの弱点である逆鱗を狙われたり、ナルキスの主君たるメイヴェスを連想させる黒剣は流石にまずいってか……?」
そんなグレンとウィリアムの言葉に、レイクとフォウルはほんの一瞬、顔を鋭くする。
その反応を見てグレンとウィリアムはほくそ笑み、勝ちを拾える可能性を確信した。
グレンは予備シリンダーを握りながらある呪文を唱え、ウィリアムは悪魔の腕で払うしかないように銃撃を放ち、フォウルの右側の腰から伸びている悪魔の腕に黒剣を射ち込もうとする。
「嫌になる戦力差だが……」
「だが……諦めて……たまるかよぉおおおおおおおおおおおおおお―――ッ!!!」
《愚者》と《詐欺師》は勝利を掴み取るため、目の前の脅威に立ち向かう―――
······いいのかな·····?
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