やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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何度でも言おう。文才を私にくれぇッ!!!!
てな訳でどうぞ


八十一話

魔人との完全敗北から時間が経ち、生徒達に下った緊急待機令で、不安と混乱が漂う夜にて、生徒達は学院に待機している。

そんな中、二組の面々は全員教室に集まっており、その視線の先には、グレン、ルミア、ウィリアム、リィエル、システィーナがいる。

 

 

「……話して……くれるよな?」

 

「……わたくし達も知るべき頃だと思うんですの」

 

「先生達は……何者なんです?」

 

 

全員が真相を聞くまで引かない……そんな頑な雰囲気を滲みだしている。

 

 

「……これ以上は隠せねぇか……」

 

「流石に誤魔化しきれねえし……わかったよ」

 

 

その雰囲気に観念したかのように、話し始める。

 

 

「まず……俺は、元・帝国軍の魔導士、軍人だ……退役した後、セリカの横暴でこの魔術学院の講師をすることになった……」

 

「次に俺だが……二年前まで、個人であの外道連中にケンカを売っていた……わかりやすく言えば犯罪者だ。だからその関係で先公の事は顔見知り程度で知っていた……ここで再会したのは全くの偶然だけどな」

 

 

グレンとウィリアムが明かした事実に周りは……

 

 

「まぁ、先生がそっち関係の人だって、何となくわかってたけど……」

 

「ウィリアムの方は予想の斜め上だったね……」

 

 

そんな言葉を呟く。

そして、リィエルはルミアの護衛とウィリアムの監視の為に派遣された現役の軍人。システィーナの家はルミアの預かり先だと明かしていき……

 

 

「肝心なことが抜けてませんか?」

 

 

ギイブルが少々苛立ちを露に抗議する。自分達が知りたいのはそこではないと。

 

 

「私から話します。それが義務だと思うから」

 

 

ルミアはそう言い、ゆっくりと語り始めた。

自分が元・王家の人間であり『異能者』であること。

その自身の『異能』を、天の智慧研究会が狙っていること。

自分という存在が周りを巻き込んでしまっているということ。

その全てを包み隠さず話した。

その事実を聞いたクラスの第一声は―――

 

 

「どうして、もっと早く教えてくれなかったんですの!?」

 

「えっ?」

 

 

自分達を信用してくれなかった事に対する憤りだった。

その後から上がる声もルミアそのものを責める言葉ではなく、信じてくれなかった事への呆れだったり、ルミアに同情したりと、皆がルミアを受け入れている言葉だった。

そんな彼らに、ルミアは本当にここに居てもいいのかと聞き、それに対しても当たり前だと、あっけからんと皆は笑って返す。

その光景を見たウィリアムは……

 

 

(……守りたい……)

 

 

自然と、そう強く思った。

 

 

(この暖かい、優しい世界を……あのクソ野郎の手から守りたい……ッ!)

 

 

その思いを現すように、拳を強く握り締める。

 

 

(絶対に、この世界を壊させやしねぇ……ッ!その為なら、使える手は全部使ってやる……ッ!!)

 

 

強い誓いを胸に、ウィリアムは皆と一緒に食堂へと向かっていった。

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

日付が変わった真夜中。

学院の大会議室にて、対《炎の船》緊急対策会議が行われていた。

現在、フェジテは解呪(ディスペル)不可能の断絶結界に、地中深くまで囲まれ孤立状態であり、自分達だけで魔人を打倒するしかないこと。

《炎の船》はあの魔人によって『同位相異次元空間にある船を、マナでこの空間に物質化(マテリアライズ)したもの』であること。

《炎の船》の内部には、大量の飛行型ゴーレムが配備されており、おまけに解析・解呪(ディスペル)不可能な空間歪曲があるとのこと。

クリストフからもたらされた報告に、周りが絶望に沈む中……

 

 

「……船に乗り込むことは可能だ」

 

 

セリカの口からそんな言葉が呟かれた。

自分なら、それらを突破し、何人か連れていけると。

その為の準備には時間がかかり、【メギドの火】が放たれる時間までかかると。

 

 

「なんとかならないかなぁ?なぁ、ハーレイ?」

 

 

そんなセリカに鬱陶しそうにしながらも、ハーレイは条件付きで【メギドの火】を防げることを明かす。

その方法は、《力天使の盾》のエネルギー還元力場の劣化レプリカ版を、防御結界としてフェジテ上空に張るというものだ。

さらに、ナムルスが突如現れ、ルミアの真の力を使えば、内部の歪曲空間は突破できると一方的に告げる。

そして、肝心にして最大の問題である魔人を倒す方法は……

 

 

「白猫……『メルガリウスの魔法使い』で、アセロ=イエロは、どうやって倒された?」

 

「そ、それは……」

 

 

システィーナから返ってきた答えは、アセロ=イエロは突拍子もなく現れた正義の魔法使いの“弟子”が小さな棒で魔人の胸を突いたら、突然死んだという、意味不明の参考にならないものだった。

あまりにもご都合主義(デウス・エクス・マキナ)過ぎる話の内容に、グレンが頭を抱えていると。

 

 

「その魔人を倒す手段に、一つだけ心当たりがあるんだがな」

 

 

アルベルトはそう言ってグレンに視線を向ける。

周囲からも視線が集まり、グレンは微かに苦々しく表情を歪めるも、意を決し、可能性のある手段を持っていることを告げる。

そして―――

 

 

「……」

 

 

ウィリアムがおもむろに、手を挙げていた。

 

 

「ウィリアム君?」

 

「同じく進言が遅れてすいません。俺も、奴に通用する可能性がある手段を……持っています」

 

「そ、それは本当かね!?」

 

「あくまで可能性で、実際に聞いて判断する必要が当然、ありますが……」

 

 

状況を打破できるピースが揃い、それぞれの手段の妥当性を検討し、具体的なプランが打ち立てられていく。

そんな中―――

 

 

「「…………」」

 

 

グレンとウィリアムの表情は、どこか暗く、陰鬱なものであった……

 

 

 




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