てな訳でどうぞ
―――ついに決戦の日が訪れる。
アルザーノ帝国魔術学院では、今日のフェジテ防衛戦のため、防衛組の生徒達にはマントコート状の『魔導士のローブ』と、
学院校舎北館―――
「私も、このスーパー魔導人形『グレンロボ』で諸君らの力になろうッッッ!!」
『俺ノ生徒ニ、手ェ出シテンジャネーヨ』
「すごく不安だ……」
変態マスターの異名を持つ、魔導工学教授のオーウェルが用意した魔導人形に、生徒達は不安しか感じず……
学院校舎東館―――
『彼の妻のセルフィです♪』
「「「「「「「「犯罪だぁああああああああああああ―――ッ!!!!?」」」」」」」」
「見損なったぞ学院長ッ!?羨ましす――じゃない、許されんぞ!?このロリコンめぇええええええッ―――ッ!!?」
「彼女は水の精霊じゃぞ!?だから合法だ、合法!!」
リックが召喚した水の精霊の少女に、場は阿鼻叫喚となり……
学院校舎西館―――
「まったく、緊張感が足りん!!」
「まぁまぁ、おかげで、向こうは程好く緊張が解れているかと」
「惰弱なッ!!」
「ふん……」
相変わらずの神経質のハーレイを、リゼが宥め、不良生徒のジャイルはその様子を流し見……
学院校舎南館―――
「……」
「本当にあの方が、特務分室の室長なんですの?」
(どうせ、私なんて……)
ウェンディの陰口を、覇気の無くなったイヴは、学院の法医師セシリアによって繋ぎ治された、精神的な問題で魔力が通らなくなった左手をぼんやりと眺めながら、聞き……
学院中庭―――
「総大将は、相変わらず面倒臭いのう……はぁ~」
「バーナードさん、そう言わずに」
溜め息を吐くバーナードを、中庭に敷設された魔術法陣の中央に手をついているクリストフは宥めるが……
「……ところで、バーナードさん。それ、どうしたんです?」
クリストフは堪らず、バーナードが背負っている魔導器らしきものを指摘する。バーナードが後ろに背負っているものは―――《魔導砲ファランクス》だ。
「おお、これか!ウィル坊に頼んで貸してもらったんじゃわい!!正直、このままお持ち帰りしたいのう」
「···それ、金属薬莢の弾じゃないと、使えませんよね?」
「そうなんじゃよなあ。一応、弾は大量に持たせてもろうとるが…………。クリ坊、こいつの弾丸作れんかの?」
「無茶言わないで下さい」
バーナードの要望をクリストフは珍しくばっさりと切り捨て……
魔術学院の北、迷いの森―――
「…………」
全身をなんらかの血液で紋様を描いたセリカは、山の斜面に描いた魔術法陣の中で印を結んで座禅し、静かに瞑想していた。
すぐそばには上空を見上げるグレン、ウィリアム、システィーナ、ルミア、リィエル、ナムルスがいる。
グレンとウィリアムのそれぞれの拳銃には既に、魔人への切り札たる魔術火薬が装填済みである。
誰もが緊張するなか、ついに正午となる。
フェジテの遥か上空に浮かぶ《炎の船》の船底に真紅の光の球体が形成され、どんどん成長していき―――
真紅の光の球体―――【メギドの火】が光の速度でフェジテに落とされ―――
白 熱。
【メギドの火】が炸裂した。
しかし、その【メギドの火】はフェジテ全体を覆っている蒼く輝く魔力場が、完全に防ぎきった。
【ルシエルの聖域】―――ハーレイとクリストフ、大勢の者達によって構築された《力天使の盾》の術式を劣化レプリカで再現したエネルギー還元力場の結界が、【メギドの火】に抗する最後の切り札。
その為、この結界が維持できる間に魔人を倒さねばならない。
フェジテが無事と知るや否や、《炎の船》から無数のゴーレムが投下されていき、それらが学院へと向かっていく。
ナムルス曰く、《炎の船》に配備されているゴーレムは然程質は高くないとのこと。
そして―――
「……待たせたな、ようやくいける」
セリカは薄ら目を開けてそう告げ、静かに、何事かの呪文を唱える。
キン、という甲高い音と共に、魔術法陣と紋様が真紅に輝いき、その光がセリカを包み込む。
セリカの身体音を立てて変わっていき……
『ォオオオオオオオオオオオオオオ―――ッ!』
一体の金色のドラゴンへと、その姿を変えた。セリカは竜の血を触媒に、【セルフ・ポリモルフ】でドラゴンに変身したのである。
セリカドラゴンの背中にナムルスを除く面々は次々と背中に飛び乗り……
『―――しっかり掴まっていろよ!』
五人を乗せたセリカが圧倒的なパワーをもって、空へと翔ていった。
『……頼んだわよ……』
ナムルスはそう呟き、彼らを見送るのであった。
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