てな訳でどうぞ
「……クソッ!切りがねぇッ!!」
「いいいいいいいやぁああああああ―――ッ!!」
グレンと拳打と、リィエルの剛閃が、津波のように押し寄せるゴーレム達を蹴散らし―――
「いけッ!!」
「《集え暴風・戦槌となりて・撃ち据えよ》―――ッ!」
ウィリアムの【
「くそったれッ!!完全な消耗戦じゃねぇかッ!」
「まったくだッ!!どこまで行けばいいんだッ!?ド畜生ッ!」
グレンとウィリアムは苛立ちげに、果てしなく続く単調な直線通路を睨み付ける。
ゴーレム自体は大した強さではないが、ゴールが見えずずっと戦い続ければ、長くは保たない。
「飽きた」
「おそらく空間が歪んでいるんです……もうどこにも……」
「くそっ!」
苛立ちをぶつけるようにゴーレム達を吹き飛ばしていくも、状況の改善には全く繋がらない。
そんな状況がしばらく続き……
『……って……ない……!あの子を……ッ!?』
『お……を……ようと……あ……悲しそう…顔でッッッ!!』
不意に、誰かの声が聞こえ、一同は動きを止める。
そのまま、耳を澄ませると……
『ルミアァアアアアアアアアア―――ッ!!!負けるなぁああああああああ―――ッ!!!』
『また、皆で一緒に、学院に通いましょうッ!!』
『絶対、生きて帰ってこぉおおおおおおおおおい―――ッ!!!!』
聞こえない筈の、地上にいる生徒達の、ルミアを応援し、帰りを待っている叫びが聞こえてきた。
そして―――
『嫌だッ!自分を失いたくないッッッ!!!帰りたい……大好きな皆がいるあの学院に帰りたいよッッッ!!!!!!』
ルミアの、本心からの、強烈な思いの声も、届いてきた。
『……“皆と一緒に生きたい……私が大好きな、優しいこの世界で”―――』
その願いが聞こえてきた直後、目の前に巨大な『門』が現れ、開いていく。
グレン達は直感的に、あの『門』の向こうの先にルミアがいると感じ、躊躇いなく『門』を潜り、光の道を駆け抜け―――
「ルミアぁああああああああああ―――ッ!!!」
「悪い、遅くなったッ!!!」
「遅れてごめんッ!!」
「後は任せてッ!!」
グレン、ウィリアム、システィーナ、リィエルの順に光の道を抜け、ルミアと魔人がいる大広間に躍り出て、ルミアを守るように魔人と対峙する。
『馬鹿な……ッ!?貴様らは次元の狭間に追放したはず……そんな不完全な状態で連れ戻せるはずが……ッ!?』
『だから、言ってるでしょう?……人間、舐めすぎだって』
何故かこの場にいるナムルスが、狼狽える魔人にそう告げる。
「行くぞッ!システィーナッ!ウィリアムッ!リィエルッ!」
「はいッ!」
「おうッ!」
「んッ!」
グレンを先頭に彼らは勇ましく身構える。
そんな彼らに、ルミアも、一緒に戦うと言い、両手から黄金の光が溢れ出し、その光が、降り注ぎ―――宿っていく。
「今の私なら、《
『なん……だとぉ……ッ!?なぜ……その領域に至れ……ッ!?』
相変わらず狼狽える魔人に、グレンが火蓋を切るように、壮絶な魔力を宿した拳を振り上げ―――突進していく。
魔人は嘲りながら、正面から拳をぶつけ合うも―――
『な……ッ!?』
拳同士は拮抗し―――砕けない。その現実に驚愕する魔人に、同じように突進していたリィエルが、錬成した大剣を剛閃し、魔人を吹き飛ばす。
魔人を吹き飛ばしたリィエルの剣もグレンの拳同様、全く砕けず、曲がってすらいない。
『一体何がどうなって―――』
「これでも喰らっとけッ!!」
「《集え暴風・戦槌となりて・撃ち据えよ》―――《
吹き飛んでいく魔人に、ウィリアムとシスティーナが、雷加速弾の連射と【ブラスト・ブロウ】の三連撃で容赦なく打ちのめしていき、滑稽な人形のように踊り狂わせる。
さらにグレンとリィエルがそんな魔人に追撃し、一方的に押さえ込んでいく。
そして、頭上に展開されている地上の映像も、地上制圧の切り札である巨人ゴーレムが、まだ動ける学院の教師と生徒、特務分室メンバー達の反撃によって同様に動きを押さえ込まれている。
『オノレェエエエエエエエエエエエ―――ッ!!!』
魔人は苛立ちげに黒い斬撃を放つが、既に開放、浮遊状態に起動していた《詐欺師の盾》によって容易く防がれる。その隙をつき、魔人は後ろへと跳び下がり、グレン達と距離を取る。
『何故だッ!?私は人間共など歯牙にもかけぬ至高の存在になった筈だ!!なのに何故、ここまで食い下がられる!?私には
「テメェのいうそれが何なんかはさっぱりだけどよ……」
「馬鹿騒ぎは……これで終いだ」
グレンとウィリアムは、肩を並べるように、狂乱する魔人の正面に向き直り、互いに拳銃を抜く。
そして、グレンは両手で握って頭上に掲げ、ウィリアムは右手でぶら下げたまま、とある呪文を同時に唱えながら、親指で撃鉄を引いた。
「《
「《
それぞれの拳銃に、何ともいえない魔力が胎動する。
『……なんだ、それは?』
「あんたをぶっ倒す、切り札だ」
『……私を倒す、だと?……くくくく……通用すると思うのか?この
「……どうだか」
「やってみなけりゃ、わかんねぇだろ」
グレンとウィリアムのその言葉を、魔人は虚勢と受け取り、全員この手で皆殺しにしてから、【メギドの火】でフェジテを焼き払うと宣言し、闇の力を高めていく。
だが……
「なぁんか、相当頭にきてるようだけどよぉ……」
「ふざけんなよ?俺の生徒に手を出されて、怒ってるのはこっちの方なんだぜ?」
『……ッ!?』
グレンとウィリアムは不思議な威圧感を放ちながら、銃口を魔人へと向ける。
魔人は、一瞬言葉を失うも、見下したように笑い、闇の闘気を高めていき―――
『死ねッ!人間んんんんんんん―――ッ!!!』
神速の動作で、グレンとウィリアムに目掛けて、突進を開始する。
ルミアの《
互いの魔術火薬によって発射された弾丸は、魔人の胸部へと突き進み……
カカンッ!
「「――ッ!?」」
あっさりと、弾かれる。
『奢ったな、人間ッッッ!!』
その結果に、魔人は勝利を確信し、さらに距離を詰めて行く。
距離を詰めていく魔人に、リィエルが大剣を振りかざして飛びかかり、システィーナが【ライトニング・ピアス】を放つも、魔人はあっさりと手刀で弾き返していく。
魔人はそのまま、距離を詰めようとし―――
「《
ウィリアムが再び呪文を唱えて撃鉄を引き、前に踊り出ている事に気付く。
『愚かなッ!!』
魔人はやけくそと判断し、右の手刀を振るおうとして―――気づいた。
ウィリアムの持つ拳銃の銃口から伸びるように、一本の刃があることに。
「食らっとけ――
そのまま、魔人の右腕と突き出された拳銃の刃の先がぶつかった瞬間―――
「――
ウィリアムは引き金を引いた。
すると、信じられない事が起きた。
『ダストの玉薬』に着火した瞬間、拳銃の刃が魔人の右腕に、絶対不滅の
『―――ッ!?!?』
あり得なざぬその現実に、魔人は驚愕し、その動きを止めてしまう。
硬直する魔人に、いつの間にか魔人に近づいてたグレンは、拳銃を胸部にへと突き立てる。
『ッ!?』
「終わりだ――
その時、システィーナは気づいてしまった。
グレンが拳銃で―――
彼らはまるで―――
「――
裂帛の気迫と共に、グレンは引き金を引く。
『イヴ・カイズルの玉薬』によって発射された弾丸は―――
魔人の身体を、まるで幽霊のようにすり抜けていった―――
貫通した理由については次話で
だけど、納得できるかなぁ······?
感想お待ちしてます