てな訳でどうぞ
あの後、辛うじて誤解を解く事が出来たが凄まじく疲れた。
ちなみに、リィエルにあの侵入方法を実行した理由を問い質すと―――
『最初は扉を斬って入ろうと思ったけど、起きて追い返される気がして、どうしようかと悩んでいたら思いついた』
との事。素直に喜べない成長である。
そんなこんなでウィリアムは現在、それらの気疲れから教室の机の上に突っ伏していた。
「……ウィル、元気ないけどどうしたの?」
「誰のせいだと思ってるんだ……」
「?」
ウィリアムの呟きに、
「そういやあウィリアム。お前ん家、確か吹き飛ばされただろ?昨日は何処に泊まったんだ?」
カッシュの質問に対し、ウィリアムは―――
「…………」
無言。
馬鹿正直にフィーベル邸に居候する事になったと言えるわけがない。
「?なんでシスティーナの家に泊まっている事を言わないの?」
「……おい、ウィリアム……。どういうことだ……?」
そんなウィリアムの心情を知らずリィエルが喋ったことで、それを聞いたカッシュの目が一気に据わったものに変わる。
「勘違いすんな。俺から頼んだんじゃねえ。なし崩し的に居候する事になってしまったんだよ」
「……そうかそうか……一緒に寝るなんていうラッキーな事もなかったんだな?」
「ん?一緒に寝たけど?」
ピンポイントで当てたカッシュに、リィエルがあっさりと肯定した。その瞬間―――
「「「「きゃあああああああああ―――ッ!!!」」」」
「「「「ウィリアムてめぇえええええええええええええ―――ッ!!!!!!」」」」
女子達から黄色い叫びが、男子達からは怨嗟の叫び声が上がる。
「大胆ッ!大胆ですわッ!!」
「そ、そこまで進んでいるの·····ッ!?」
「女の子と一つベッドの上で寝るとか……このリア充の極みめぇええええええ―――ッ!!!」
「許すまじッ!!絶対に許すまじッ!!!!!」
「違うッ!!!このバカが、俺が寝てる間に部屋の錠を壊して、勝手に潜り込んだだけだッ!!!」
ウィリアムがそう弁明した瞬間……
「リィエルさん、なんて積極的なッ!!!?」
「リィエルちゃんから行くとは……羨まし過ぎるぞッッッ!!!!」
「憎い……ッ!!ウィリアムが凄まじく憎いッッッ!!!」
「『夜、集団でリンチすべき男リスト』にウィリアムの名前を新たに載せるぞッ!!!」
「「「「異議なしッッッ!!!!!!!!!!」」」」
「お前らいい加減に落ち着けッ!?」
「お前は黙ってろッ!!このリア充めがッ!!!!」
「リィエルちゃんの貞操を守るために、今ここでウィリアムを抹殺するべきと提案する!!!」
「お待ちなさいッ!!二人の仲を引き裂くべきではありませんわッ!!!!」
「止めるないでくれッ!!!」
「リア充は撲滅すべき俺らの敵なんだッ!!!」
「この前のキスの話に加え、今回はベッドの上で一夜を共にする……これ以上放置してはいけない案件なんだよッ!!!」
「僕達は一致団結して―――」
突如、派手な銃声が教室内に響き渡る。クラス全員、音がした方を向くと、ウィリアムが拳銃を頭上に掲げており、銃口からは硝煙が上がっている。
「これ以上、この話題で騒ぐというなら……」
ウィリアムは据わった目で、隠す必要が無くなった
「容赦なくぶちのめすぞ?」
ウィリアムの放つ雰囲気から、冗談抜きでガチだと悟った一同は、素直にコクコクと頷いた。
ウィリアムは
「お前はどれだけ爆弾を投下したら気が済むんだ?」
「爆弾?わたしは爆弾なんて持ってない」
「……言い方を変えよう。お前は何で場を引っ掻き回すような発言しか言わないんだ?」
「それはウィルの勘違い。わたしはそんなこと言ってない」
「んなわけあるかぁあああああああああああああああ―――ッ!?!?!?」
「痛い、やめてー」
堪忍袋の尾が切れ、リィエルの頭を右手で万力のように締め上げていくウィリアム。対するリィエルは相変わらずの棒読みで痛がっている。
実にいつも通りの光景だった。
――――――――――――――――――
―――その日の夜。
「……何で背中を向けているの?」
「……別にいいだろ」
ウィリアムが色々と諦めた結果、最初からリィエルと同じベッドの上で寝る事が決定してしまった。
システィーナからは「絶対に間違いを起こすんじゃないわよッ!?」と言っていたが、間違いを起こす気は毛頭無い。リィエルは意味がわからず首を傾げていたが。
(本当にどうしてこうなるんだよ……)
下手に恋愛の知識を教えるわけにもいかず、かといってバリケードを作っても突破される可能性が高い状況。
出来る限り、新しい家を早く探そうと心に誓うウィリアムであった。
ちなみにリィエルは……
「……♪」
普段からは想像出来ない程の、幸せそうな顔をしてウィリアムの背中にくっついていた―――
あれ?おかしいなあ?後ろから刃物を持った集団が―――(この後、作者は病院に緊急搬送されました)
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