やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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ニヤニヤがやめられない、止まらない
てな訳でどうぞ


九十話

あの後、辛うじて誤解を解く事が出来たが凄まじく疲れた。

ちなみに、リィエルにあの侵入方法を実行した理由を問い質すと―――

 

 

『最初は扉を斬って入ろうと思ったけど、起きて追い返される気がして、どうしようかと悩んでいたら思いついた』

 

 

との事。素直に喜べない成長である。

そんなこんなでウィリアムは現在、それらの気疲れから教室の机の上に突っ伏していた。

 

 

「……ウィル、元気ないけどどうしたの?」

 

「誰のせいだと思ってるんだ……」

 

「?」

 

 

ウィリアムの呟きに、元凶たる張本人(リィエル)は首を傾げるだけで、自分が原因であることに全く気づいていない。そんなウィリアムにカッシュが話しかけてくる。

 

 

「そういやあウィリアム。お前ん家、確か吹き飛ばされただろ?昨日は何処に泊まったんだ?」

 

 

カッシュの質問に対し、ウィリアムは―――

 

 

「…………」

 

 

無言。

馬鹿正直にフィーベル邸に居候する事になったと言えるわけがない。

 

 

「?なんでシスティーナの家に泊まっている事を言わないの?」

 

「……おい、ウィリアム……。どういうことだ……?」

 

 

そんなウィリアムの心情を知らずリィエルが喋ったことで、それを聞いたカッシュの目が一気に据わったものに変わる。

 

 

「勘違いすんな。俺から頼んだんじゃねえ。なし崩し的に居候する事になってしまったんだよ」

 

「……そうかそうか……一緒に寝るなんていうラッキーな事もなかったんだな?」

 

「ん?一緒に寝たけど?」

 

 

ピンポイントで当てたカッシュに、リィエルがあっさりと肯定した。その瞬間―――

 

 

「「「「きゃあああああああああ―――ッ!!!」」」」

 

「「「「ウィリアムてめぇえええええええええええええ―――ッ!!!!!!」」」」

 

 

女子達から黄色い叫びが、男子達からは怨嗟の叫び声が上がる。

 

 

「大胆ッ!大胆ですわッ!!」

 

「そ、そこまで進んでいるの·····ッ!?」

 

「女の子と一つベッドの上で寝るとか……このリア充の極みめぇええええええ―――ッ!!!」

 

「許すまじッ!!絶対に許すまじッ!!!!!」

 

「違うッ!!!このバカが、俺が寝てる間に部屋の錠を壊して、勝手に潜り込んだだけだッ!!!」

 

 

ウィリアムがそう弁明した瞬間……

 

 

「リィエルさん、なんて積極的なッ!!!?」

 

「リィエルちゃんから行くとは……羨まし過ぎるぞッッッ!!!!」

 

「憎い……ッ!!ウィリアムが凄まじく憎いッッッ!!!」

 

「『夜、集団でリンチすべき男リスト』にウィリアムの名前を新たに載せるぞッ!!!」

 

「「「「異議なしッッッ!!!!!!!!!!」」」」

 

「お前らいい加減に落ち着けッ!?」

 

「お前は黙ってろッ!!このリア充めがッ!!!!」

 

「リィエルちゃんの貞操を守るために、今ここでウィリアムを抹殺するべきと提案する!!!」

 

「お待ちなさいッ!!二人の仲を引き裂くべきではありませんわッ!!!!」

 

「止めるないでくれッ!!!」

 

「リア充は撲滅すべき俺らの敵なんだッ!!!」

 

「この前のキスの話に加え、今回はベッドの上で一夜を共にする……これ以上放置してはいけない案件なんだよッ!!!」

 

「僕達は一致団結して―――」

 

 

突如、派手な銃声が教室内に響き渡る。クラス全員、音がした方を向くと、ウィリアムが拳銃を頭上に掲げており、銃口からは硝煙が上がっている。

 

 

「これ以上、この話題で騒ぐというなら……」

 

 

ウィリアムは据わった目で、隠す必要が無くなった人工精霊(タルパ)の騎士を周囲に何体も具現召喚し、凄まじい威圧感を発して周りを睥睨し……

 

 

「容赦なくぶちのめすぞ?」

 

 

ウィリアムの放つ雰囲気から、冗談抜きでガチだと悟った一同は、素直にコクコクと頷いた。

ウィリアムは人工精霊(タルパ)を消し、そのままリィエルの方へと向き直り……

 

 

「お前はどれだけ爆弾を投下したら気が済むんだ?」

 

「爆弾?わたしは爆弾なんて持ってない」

 

「……言い方を変えよう。お前は何で場を引っ掻き回すような発言しか言わないんだ?」

 

「それはウィルの勘違い。わたしはそんなこと言ってない」

 

「んなわけあるかぁあああああああああああああああ―――ッ!?!?!?」

 

「痛い、やめてー」

 

 

堪忍袋の尾が切れ、リィエルの頭を右手で万力のように締め上げていくウィリアム。対するリィエルは相変わらずの棒読みで痛がっている。

実にいつも通りの光景だった。

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

―――その日の夜。

 

 

「……何で背中を向けているの?」

 

「……別にいいだろ」

 

 

ウィリアムが色々と諦めた結果、最初からリィエルと同じベッドの上で寝る事が決定してしまった。

システィーナからは「絶対に間違いを起こすんじゃないわよッ!?」と言っていたが、間違いを起こす気は毛頭無い。リィエルは意味がわからず首を傾げていたが。

 

 

(本当にどうしてこうなるんだよ……)

 

 

下手に恋愛の知識を教えるわけにもいかず、かといってバリケードを作っても突破される可能性が高い状況。

出来る限り、新しい家を早く探そうと心に誓うウィリアムであった。

ちなみにリィエルは……

 

 

「……♪」

 

 

普段からは想像出来ない程の、幸せそうな顔をしてウィリアムの背中にくっついていた―――

 

 

 




あれ?おかしいなあ?後ろから刃物を持った集団が―――(この後、作者は病院に緊急搬送されました)
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