やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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リンチなんぞ恐くない。いつでも来い!!
てな訳でどうぞ


九十一話

地下部屋の荷物と大事な写真を回収した居候四日の夜。遂に恐れていたことが現実となった。

 

 

「君がウィリアム=アイゼン君か」

 

「……ハイ」

 

 

フィーベル邸の食堂のテーブルを挟んで、ウィリアムが向かい合っている人物はレナード=フィーベル。システィーナの父親だ。

レナードとその妻であるフィリアナは、娘達を心配して急遽帰省したのだが、居候することになったウィリアムのことは当然ながら知らなかった。

そのため、レナードからは重苦しい空気が流れている。

 

 

「君の事情は娘から聞いている。家が吹き飛んで災難だったね」

 

「……お気遣いどうも」

 

「その上で、君には聞かねばならない事があるのだよ」

 

 

レナードの纏っている雰囲気がより一層重くなる。

 

 

「娘達の事をどう思っているのかな?」

 

「……唯のクラスメイトの友人です」

 

 

無難な回答を返すウィリアム。だが……

 

 

「…………」

 

 

対するレナードは……無言。雰囲気をさらに一層重くしていた。

 

 

「嘘はよしたまえ。唯のクラスメイトの友人では無いだろう?……特にリィエルに関しては」

 

「……いえ、妹のような唯の友人です」

 

「唯の友人なら、夜一緒にベッドの上で寝たりはしない」

 

「……誰から聞いたんです?」

 

「娘からだ」

 

「でしたら聞いてますよね。下手したら屋敷の扉が毎回壊れる事も」

 

「……そうだな。だが、それを差し引いても……」

 

 

レナードはそう言った瞬間、クワッ!と目を見開かせる。

 

 

「男女が同じ屋根の下、同じベッドの上で寝る等言語道断だッッッ!!!貴様は娘達をたぶらかす悪魔に違いない!!この場で私が成敗―――」

 

 

コキャ。カクン。

 

その直後、レナードがフィリアナによって絞め落とされた。

 

 

「ウィリアム君。この人の事は気にしなくていいから。だから新しい家が手に入るまでここで暮らしていいわよ」

 

 

にこやかな笑顔で言うフィリアナに対し……

 

 

「アッ、ハイ。アリガトウゴザイマス……」

 

 

ウィリアムは素直に返事を返すしかなかった。

 

 

「ちなみに、どこまで進んでいるのかしら?」

 

「そういう関係じゃないですからッ!!!」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「お願いだからこっち向いて」

 

「……断る」

 

 

ウィリアムは相変わらずリィエルに背中を向けて横になって寝ており、リィエルはそんなウィリアムに若干不満なようである。

 

 

「どうしてこっちを向いてくれないの?」

 

「……気恥ずかしいからだ」

 

「気恥ずかしい?」

 

 

ウィリアムが口にしたその理由に、リィエルはそのまま聞き返す。

 

 

「女の子と同じベッドの上で寝ること自体、恥ずかしい事なんだよ。だから一緒に寝ているだけで勘弁してくれ」

 

「…………」

 

 

それに対し、リィエルは考える仕草をし、何か思いついたのかのようにウィリアムを自身の方へ向かせ―――

 

 

「リィエル?い―――」

 

 

唇と唇を重ね合わせた。

 

 

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

ウィリアムは驚愕に目を見開き、慌てて引き剥がそうとするも、リィエルに頭をがっちりとホールドされ引き剥がせない。

その状態が暫く続き……

 

 

「――ぷはっ!?いきなり何すんだ!?」

 

 

リィエルがホールドを緩めた事でようやく解放されたウィリアムは顔を真っ赤にしたままリィエルに問い質す。さすがに二回目とあって思考停止には陥らなかったが。

 

 

「恥ずかしい事は、さらに恥ずかしい事で上書きすればいいって、セリカが言ってた」

 

「教授ぅううううううううううううううううう―――ッ!!!?」

 

 

またしてもセリカの入れ知恵に、ウィリアムは堪らず叫び声を上げる。

 

 

「わかった!!今日からこっち向いて寝るから、軽々しくキスをすんな!!」

 

「ん」

 

 

……そんな二人の光景を。

 

 

「あわ、あわわわわわわわわわわわわ…………」

 

「うわあ……眩しい……リィエルが凄く眩しいよ……」

 

 

壊れたままの扉の影から約二名、顔を赤めて、覗き見ていた……

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

「すぅ……」

 

「まったく……」

 

 

早々と眠りについたリィエルの寝顔を、ウィリアムは呆れ顔で眺めていた。

 

 

「将来が凄く心配だ……」

 

 

ウィリアムはリィエルの軽はずみかつ、無防備な行動にあの時とは別の意味で不安となる。

……もっとも、リィエルのこれらの行動はウィリアムにしかしない事は当の本人も含めて気づいていないが。

ウィリアムはそんな気分のまま、睡眠魔術を使って強引に眠りについた……

 

 

 

 

『じゃあ……いくぞ?』

 

『ん……』

 

『絞まってて、キツいな……』

 

『い、痛い……けど……凄く、気―――』

 

 

 

 

「―――うおわぁッ!?……ゆ、夢か……」

 

 

なんであんな夢を見たんだと、ウィリアムは顔を真っ赤にし頭を抱えた。隣で寝ているリィエルは―――

 

 

「…………んむぅ……」

 

 

顔を赤めて、身をよじっていた……

 

 

 




これでオリジナルは終了です
最後のアレはご想像にお任せします
感想お待ちしてます
·······セーフだよね?セーフ―――(この直後、魔導士の杖を装備した集団に軍用魔術の集中砲火を浴び、緊急搬送されました)
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