やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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作者は安全部屋に閉じ籠った
てな訳でどうぞ


九十六話

割り当てられた部屋でウィリアムが寛いでいると。

 

 

「ウィル。システィーナとルミアと一緒にグレンへの夜食を作ろ?」

 

 

部屋に来たリィエルがそう言って誘ってきたので、断る理由もなく三人娘と一緒にグレンへの夜食を作ることにしたのだが。

 

 

「……なぁ、明らかに量が多くないか?」

 

「そ、そんな事ないわよッ!」

 

「う、うん!先生は沢山食べる方だしこれくらいないとね!」

 

「ハァ……そういう事にしとくか」

 

 

絶対、グレンと一緒に食べるために作った大量のサンドイッチをバスケットに詰め、四人はグレンが宿泊している部屋へと向かって行く。

 

 

「……ん?」

 

 

途中、ウィリアムは誰かの視線を感じて後ろを振り向くが、誰もいなかったため、気のせいと判断した。そのまま四人はグレンがいる部屋の扉の前へと到着し、扉を開けると―――

 

 

「先生―――っ!夜遅くまで―――」

 

「ふふっ、皆で―――」

 

「ん。……ん?」

 

「先こー。失れ―――」

 

 

―――顔を真っ赤にしたイヴがはだけた格好で、仰向けで床に倒れているグレンに馬乗りとなり、組み敷いていた。

どう見ても、イヴがグレンを誘惑して押し倒している構図に……

 

 

「「「「「……………………」」」」」

 

 

リィエルを除く五人の間に、圧倒的な沈黙が訪れる。

ウィリアムはこの状況に、軽くデジャウを感じていると。

 

 

「い、イヴさぁああああああん!?一体何をぉおおおおおおおおおおおお―――ッ!?これが大人の女性の攻め方だと―――ッ!?」

 

「うわぁ……うわぁ……やっぱりイヴさん……先生のことが……」

 

 

システィーナから素っ頓狂な叫びが、ルミアは顔を両手で隠しながらも指の間からしっかり凝視していた。そんな二人にウィリアムはますますデジャウを感じていると。

 

 

「……?よくわかんないけど、イヴとグレンがしているあの組み手?は好きな男女がするものなの?」

 

「待てリィエル。あれはしなくていい。しなくていいんだ」

 

 

リィエルのその言動に、猛烈にイヤな予感を覚えたウィリアムは速攻で釘を差しにかかるも。

 

 

「…………えい」

 

 

リィエルは何かを考える仕草をし、その直後、無表情のままウィリアムに飛びついて床へと押し倒した。

リィエルに床へと押し倒され、馬乗りに組み敷かれたウィリアムは早くどくよう言おうとするも―――

 

 

「―――」

 

 

リィエルを視界に納めた瞬間、心臓が高鳴り無言となってしまう。

顔を赤めて硬直するウィリアムの前で、リィエルはイヴの真似をするかのように制服のボタンを外し、制服の下のキャミソールを露にする。

その光景に、ウィリアムの心臓がますます高鳴っていき、身体がますます動かなくなってしまう。

突然の行動に周りが呆然とするなか、リィエルは―――

 

 

「ねえイヴ。この後、どうすればいいの?」

 

 

イヴの方を見て続きを聞いてきていた……

 

 

「リィエル!?バカな真似はやめなさい!!!」

 

 

その言葉で現実に復帰し、グレンから離れたイヴがリィエルの両腕を掴み、全力でウィリアムから引き剥がす。

 

 

「リィエル!お前マジで何やってんの!?」

 

 

同じように現実に復帰したグレンも泡を食ったかのような顔でリィエルに問い詰める。

 

 

「ん?グレンとイヴの真似だけど?」

 

「仮にそうだとしても、制服のボタンを外す必要はどこにもないでしょ!?」

 

「システィーナが、何事も形から入るものだって言ってたから」

 

「間違ってないけど何か違うわよ!!」

 

 

一周して逆に冷静になったシスティーナがツッコミを入れる。

 

 

「……私とシスティも、あれくらい行った方がいいのかな……?」

 

「ルミア!?早く現実に戻ってきて!!」

 

「ってかイヴ!お前は早くその格好をどうにかしろッ!!」

 

「言われなくても分かってるわよッ!!」

 

 

リィエルによって、さらに場が混沌とするなか、ウィリアムは未だ現実に復帰出来ないでいた。

 

 

(こんなお宝と巡りあえるなんて……グッジョブッ!!)

 

 

そんな混沌とした光景の一部(約二名のはだけた姿)を、あの後復活し、魔術で隠れてウィリアム達を尾行していたチャールズは写真に納め、感謝の祈りを捧げた。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

その後、グレンとイヴの誤解は何とか解け、リィエルにも、あの行動は退学にさせられる可能性をしっかりと教えて、もうやらないように釘を差し、一同は夜食をとる事にしたのだが……

 

 

「……?」

 

「ハァ……」

 

 

その配置はイヴの対面にリィエル、右隣にウィリアム。

イヴの斜向かいにグレンが居て、グレンの対面にはシスティーナ、右隣にルミアという何ともいえない配置である。

そんな微妙な空気のなか、サンドイッチを食し続けるのだが……

 

 

「……おい、イヴ」

 

 

ウィリアムがリィエルの作った苺タルトサンドをかじっていると、グレンが唐突に、イヴの鼻先に一枚のメモ用紙を突きつけた。

ウィリアムも気になってそのメモ用紙に目を向けると、非常に読みづらい文章が書かれていた。

読める部分だけ拾うと、『裏学院』は罠で足を踏み入れるなとか、絶対に火を使うなとか、アリシア三世に気をつけろという内容だった。

悪戯(いたずら)にしては明らかにおかしいメモに、ウィリアムは猛烈に嫌な予感を覚えていく。

次の日から、特訓の際、『裏学院』での炎熱系魔術の使用厳禁を二組全員に厳命される事となった。

 

 

 




馬鹿な!?どうやってこの部屋に―――(作者はオカマの大群に襲われる精神攻撃の幻覚により、精神科に緊急搬送されました)
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