やる気なしの錬金術師   作:厄介な猫さん

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ホラーな奴らがやってくる!
てな訳でどうぞ


九十八話

遭遇した模範クラスを次々と返り討ちにし、快進撃を続け、『裏学院』の第三階層を歩くウィリアムは……

 

 

「―――《大いなる風よ》ッ!!」

 

 

突如、何もない筈の廊下に向かって【ゲイル・ブロウ】を放つ。

放たれた突風は何も起きずそのまま通り過ぎていく。

 

 

「《力よ無に帰せ》ッ!」

 

 

廊下のとある一角―――索敵結界にひっかかり、先ほどの【ゲイル・ブロウ】で当たりをつけた箇所に【ディスペル・フォース】をぶつけると、その場所から一人の男子生徒―――チャールズが現れる。

 

 

「隠れていたのはお前だったのかぁ…………フッ、フフフフフフフ……」

 

「な、何で笑うてるんや……?」

 

「一番会いたかったからに決まってんだろ?お前の記憶と持っているお宝とやらを消去する為にな」

 

「僕は今の聞いて、めっさ会いとうなかったがやけんど……」

 

「まあ、そう―――」

 

 

言葉の途中でウィリアムは急に目を細め、その後大きく目を見開いた。

 

 

「きゅ、急にどない―――」

 

「《大いなる風よ》―――ッ!!」

 

 

その反応に戸惑うチャールズを他所に、ウィリアムはチャールズの後ろに突如現れた怪物―――人の姿を象った本の怪物に【ゲイル・ブロウ】を放って、その怪物をチャールズから引き離した。

 

 

「な、なんやこいつはぁあああああああああああ―――ッ!?」

 

 

その怪物を視界に納めたチャールズは、恐怖から絶叫の声を上げ、腰を抜かしてその場から後ずさりする。

 

 

「知るか、んなもんッ!!」

 

 

ウィリアムも正気を削る異形の怪物を前に、緊急事態と判断し、翡翠の石板(エメラルド・タブレット)を取りだし、固有魔術(オリジナル)【詐欺師の工房】を起動。【騎士の剣(ナイツ・ソード)】を数体、具現召喚し、黄金の剣を本の怪物に飛ばして斬り裂こうとするも―――

 

 

「何ッ!?」

 

 

怪物は―――無傷。貫けていないどころか掠り傷一つ付いていない。

 

 

「あわわ、ぐ、《紅蓮の―――」

 

「やめろッ!」

 

 

チャールズが恐怖から炎熱系魔術を使おうとしたので、ウィリアムはチャールズの脳天を殴り、強引に術をキャンセルさせる。

 

 

「ふぐおっ!?」

 

「この『裏学院』内で炎熱系魔術を使うなッ!“裁断の刑”が何なのか分からねぇ以上、使うべきじゃねぇ!!」

 

「じゃ、じゃあどないして……!?」

 

「いつでも【ホワイト・アウト】を撃てる準備をしとけッ!いいなッ!?」

 

「わ、分かった……」

 

 

チャールズが素直に頷いたのを確認したウィリアムは、右手にドッチボールサイズの球体を錬成し、先程の怪物と新たに現れた三体の本の怪物に向かってその球体を投げ飛ばす。

その球体が本の怪物にぶつかった瞬間破裂し、中にあった水が怪物どもにかぶっていく。

 

 

「今だ!」

 

「りょ、了解やッ!《白き冬の嵐よ》―――ッ!!」

 

 

ウィリアムの指示でチャールズは【ホワイト・アウト】を水をかぶった本の怪物達にぶつける。

本の怪物達はたちどころに凍っていき、その怪物達は氷の中に閉じ込められて、沈黙した。

 

 

「おお……ッ!」

 

「こうすりゃ低級呪文でも氷漬けに出来るんだよ。倒せないなら閉じ込めるだけだ」

 

 

ウィリアムはチャールズにそう答え、グレンから渡されていた通信魔導器を起動する。

 

 

「先公ッ!緊急事態だ!」

 

『ああ!既にこちらでも把握しているッ!あちこちに妙な化け物が現れて、何人もその化け物に触れられて、姿を一冊の本に変えられているッ!!』

 

「なんだと!?」

 

『お前らはそこから西側の廊下を進んで、二つ目の曲がり角の左側を進んだ先にいる白猫と合流してくれッ!!そこから改めて指示を出すッ!!それと、絶対に火は使うな!!使った瞬間、本の頁にされて巨大なハサミに切り刻まれるぞ!!』

 

 

グレンはそれだけ言い、一方的に通信を切る。

 

 

「聞こえてたな!?すぐにここから移動するぞ!」

 

 

チャールズは素直に頷き、ウィリアムと共に行動を開始する。

向かう途中で例の怪物達に遭遇したが、人工精霊(タルパ)の騎士で怪物達の足止めをして、そのままシスティーナの元へと向かっていく。

見えた先でシスティーナがいたが、怪物達に対し完全に硬直していた。

 

 

「《水神に仕えし蒼白の竜よ・その猛威と怒りと共に・荒れ狂う水流と化せ》―――ッ!」

 

 

ウィリアムはすぐさま左手を突きだし、錬金【アクシス・カノン】―――極太の高水圧激流を直線上に放つB級の軍用魔術を起動する。

まともに食らえば、全身の骨を砕き、四肢をネジ切り、壁を容易く撃ち抜く威力の水圧砲がシスティーナに目前まで迫っていた怪物達を廊下の最奥へと押し流していった。

実は、ウィリアムは錬金術系統の軍用魔術を幾つも習得している。あまり使わないのは単に、現在の戦法と比べて隙が大きいからだ。

だから時間差起動(ディレイ・ブート)や、予唱呪文(ストック・スペル)といった超高等技術は当時は諦めていた。今回の『生存戦』のための強化合宿で一応習得できたが、付け焼き刃程度の精度なので、現在の技量では初級呪文しかストックできない。

 

 

「システィーナ!呆然としてんじゃねぇ!」

 

 

危うく本に変えられる直前だった為、肝を冷したウィリアムの語気は荒くなっている。

 

 

「システィ!」

 

「システィーナ!」

 

 

ウィリアム達とは別の通路から現れたルミアとリィエルの呼び掛けで、システィーナはようやく我に返り、深く呼吸をする。

そこで再びグレンから通信が繋がり、グレンはそこから第二階層の中央にある大講義室を目指すように指示する。

その直後、再び通路の奥から本の怪物達が姿を現し、ずるり、ずるりと迫って来ている。

そんな迫り来る怪物達を、彼らは突風や嵐のごとき剛閃、氷漬けで対処し、大講義室を目指して行った―――

 

 

 




都合良すぎかな?ちなみにチャールズよ。どんな写真があるかな?

「美少女の生着替え写真」

よし!いい値で―――(この後、集団に判別出来ないほど二人はボコられ、病院へ搬送されました)
感···想······お待ち·····し·····てま·····す·······ガクッ
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